日本文化論への助走

深層日本論-ヤマト少数民族という視座

「深層日本論 ヤマト少数民族という視座」(著者:工藤 隆)(Amazonにリンク)の著者の工藤さんは旧知の人で,若いころは古代に舞台をとった「黄泉帰り」等の演劇の上演活動をしていたが,その後,上代口承文芸の研究をして大東文化大学の先生をしていたようだ,Wikipediaを見ると,古事記,古代歌謡,神話,大嘗祭等に関する本を多く書いており,この本はそれらの集大成ということかもしれない。

この本は,日本文化の基層を「アニミズム・シャーマニズム・神話世界性とムラ社会性・島国文化性」とし,その世界が文字で確認できる歌垣としての記紀歌謡・万葉歌と,工藤さんが辛くも実地調査できた中国雲南省の少数民族らの歌垣との共通性を紹介する。そして中国漢民族との対比でのヤマト(少数民)族が(一方で,アイヌ民族,沖縄民族を吸収し),「国家」を形成し,白村江の敗戦,明治維新,敗戦の3つの文明開化において基層と表層の2重構造を乗り切ってきたとする。

神話,神道等の世界を嫌う人も多いから,工藤さんは,慎重に概念規定をした上で,上述した観点等を踏まえ,政治,社会を含む,日本文化論を展開する。記紀歌謡,万葉集で挑む文化論だから,「敗戦と原発事故」を論じ,「日本文化のなにを誇り,なにを制御するか」は,いささか背伸びした議論にも感じるが,しかし不快さは感じない。ただし,「伊勢神宮論」や「大嘗祭論」は,私にはあまり興味がわかない。特に,後者の「サカツコの復活が望まれる」はどうなんだろう。

このように,話を現代に持ってくるのはどうかということの他に,文字で確認できる記紀歌謡・万葉集が出発点とし,それはどのように形成されたのというそれ以前の話がなくていささか気持ちが悪い。これについては,「「問題解決と創造」を予習する」であげた「日本文化」の項目の,「ヒト 異端のサルの1億年」(著者:島泰三)(Amazonにリンク)が3万年前以降繰り返されたホモサピエンスの日本列島への流入,諸地域に分散する,人種と言語の近親性を挙げている。それと本書の間,縄文時代,弥生時代,古墳時代を埋めることが必要だろう。とりあえずKindle本で,次のような本がある。ゆっくり目を通していこう(その後は,「漢文の素養~誰が日本文化をつくったのか?~」(著者:加藤徹)(Amazonにリンク)に続く)。

  1. 「日本人の起源 人類誕生から縄文・弥生へ (講談社学術文庫) 」(著者:中橋孝博)
  2. 「海の向こうから見た倭国 (講談社現代新書)」(著者:高田貫太)
  3. 「弥生時代の歴史 (講談社現代新書) 」(著者:藤尾慎一郎)
  4. 「縄文時代の歴史 (講談社現代新書) 」(著者:山田康弘)

ⅰを少し読んだが,そういえば日本の考古学会は大変だたなあということを思い出した。

文化論とは

ところで工藤さんは「日本人は日本人論,日本文化論がとても好きだ。その多くは,日本人あるいは日本文化は世界でも特殊な存在だという認識が前提として置かれている。実のところ,私もそう思っている。ではいつ,どのような理由でそのような特殊性を得たのか。その特殊性が現在もあるとすればなぜなのか。本書はこうした疑問に対して「ヤマト少数民族」という視点を導入することで、大きな回答を示そうという試みである」とするのだが,文化論は,何を論じているのか,そのような対象が実在するのかという,反省的観点が必須である。そうしないと単なる酒場の与太話になってしまう。

ただ私は「文化」を,「ある集団の,ある場での,環境(地理)と歴史によって形成された言動のパターンや特徴」と定義するので,集団,場の抽象度や限定された具体的な内容がしかkりしていれば,ある種の議論は可能だと思っている。ただ「日本人は…だ」というような抽象度が高い無限定な言説はがほとんど意味がない。

仏教には何の意味があるのか

ところで日本文化論というとき,私は記紀,万葉より,仏教論に親しみを感じてきた。ただ,空,中観,密教,唯識と,面白いといえば面白いが,最近は,一体,何の意味があるのだろうという思いが強く遠ざかっていた(そういえば,「仏教は本当に意味があるのか」(著者:竹村牧男)という本があったことを思い出したが,これは事務所移動時に「寄贈」している)。

ただそれでも仏教書には時おり目を通していたが,最近,「別冊NHK100分de名著 集中講義 大乗仏教 こうしてブッダの教えは変容した」(著者:佐々木 閑)(Amazonにリンク)を読んで,改めて,仏教はせいぜいこんなもんだが,それはそれですごいなあと思い返している(佐々木さんは,2年前の年賀状で,「我が国には,視点は大分違いますが「真理の探究 仏教と宇宙物理学の対話」という本があります。超弦物理学の大栗さんと仏教学の佐々木さんの対談で,題名を見ると?ですが,科学対科学を侵犯しない仏教との対話とでもいうべきもので、内容は意外にまっとうで面白い」として紹介していた)。

その佐々木さんに,昨日,「ネットカルマ 邪悪なバーチャル世界からの脱出 (角川新書) 」(著者:佐々木 閑) (Amazonにリンク)という本があることを発見したので早速購入した。私もネットが「邪悪なバーチャル世界」であると思っているので,佐々木さんはここで本当に仏教を活かせているか,少し読み込んで紹介しよう。

 

気になっていたこと

「哲学入門」と「The Roots of Reason」

気になっていたこと

誰でも,どうでもいいことが気になり,忘れられないことがある(大事なことで忘れることは無数にあるが)。

私の場合,そのひとつに,戸田山さんが「哲学入門」で,David Papineauが挙げる認知デザインは6段階あるとしながら,4,5段階(6段階目は人間)については重要でないとして,まったく触れておらず,それが何か気になって仕方なかった(ググっても見つけられなかった)。それで2018年9月にそれが書いてあるはずの「The Roots of Reason: Philosophical Essays on Rationality, Evolution, And Probability」(Amazonにリンク)を買おうと思ったが,一口では言えない手際の悪さで,間違って,高額なKindle本の「Thinking about Consciousness」を買ってしまった(「「哲学入門」を読む 2」)。

それでめすっかりげていたのだが,半年余りが経過し,なにがあったのか,上記の経緯もすっかり忘れてしまったので,改めて古本で「The Roots of Reason」を買ったのである。

認知デザインの6段階は何か,その他

戸田山さんは第1段階からはじめるが,David Papineauは,Lebel 0からだ(第3章の「The Evolution of Means-End Reasoning」にある)。人間に至る5段階は,以下のとおりである。

  • Lebel 0 Monotoma-Do R
  • Lebel 1 Opportunists-If C,do R
  • Lebel 2 Needers-If C and D,do R
  • Lebel 3 Choosers-If Ci and Di,do Ri, when Di is the dominant need
  • Lebel 4 Learners-after experience shows that Ci,Di and R lead to reward,then(as before):If Ci and Di,do Ri, when Di is the dominant need

分かったからなんということはないが,とりあえず一安心。せっかくだから,「The Roots of Reason」(論文集だが)を読もうと思ったが,どうも最近(年をとってきたからという意味だが),古本のほこり(ダニ)に弱く,かゆくなってきてたまらない。まずは,アルコール噴射,そして虫干しだ。

ところで「哲学入門」を読む 2」には,目的手段推論は英語で何というか気になるので確かめたいとも書いているが,そのことはすっかり忘れていた。これは多分,章題の「Means-End Reasoning」だろう。ついでに,この記事の末尾に「「啓蒙思想2.0」を手にしたところ,「直感」と「理性」の正確な分析とその使い途を踏まえ,「政治・経済・生活を正気に戻すために」どうすればいいのかについて詳細な検討がされていることに気がつき,興味津々,今の「情況」を切り拓く手掛かりになりそうだ,次はこれを紹介しよう」とあるが,これも忘れていた(というより,これは試みていたが,そのままになってしまった。細目次がない本は本当にやりにくい)。

自立

分業と自立,若者の自立

ところで年をとってきて古本のほこり(ダニ)に弱くなった関連で話は飛ぶが,最近よく「自立」ということを考える。

もともとは,「この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた」(著者:ルイス ダートネル )(Amazonにリンク)や,そこでも引かれている「ゼロからトースターを作ってみた結果 」著者:トーマス トウェイツ)(Amazonにリンク)(この本は「現代経済学 ゲーム理論・行動経済学・制度論」(著者:瀧澤弘和)(Amazonにリンク)で「われわれの文明がいかに分業と交換の複雑なシステムで構成されているのかがわかる。しかも、この複雑な依存関係は、比較的簡単な人工物自作できないほどのものなのだ」として紹介されている)で,われわれはある日,文明(分業と交換)がなくなると,何ができるのだろう,われわれは,他者(文明・分業)に依存せず世界から何を引き出せるのだろうという文脈で考えていたことである。

さらに古くは,「自立」は,「自立の思想的拠点」(著者:吉本隆明)で,私の気に入っていた観念であったが,久しく忘れていた。これも忘れていたが,高橋和巳にも「自立の思想」という本もあった。政治的文脈はともかく,昔の若者(であった私)にとって「自立」は,いかにも魅力的な観念であった。

中高年の自立

でも今「自立」は,中高年こそ考えるべきことであろう。

高齢者にとって,その生活と行動の「自立」は切実な問題である。私が今準備している「高齢者の法律問題」の項目に,私にとっても切実な,生活と行動の「自立」を加えて考えていこう。

更に中年(壮年)にとっては,自分は社会の「分業と交換」においてある重要な役割を担っていると自負していても,ある日そこから引きはがされたときに,形は変わっても同レベルのことができるのかという問いかけこそ,「自立」の問題であろう。特に「PC・IT・AI」の時代に,何によって「自立」できるのか,若者は,とりあえず「起業」というスタイルを用意している(「THE END OF JOBS 僕たちの20年戦略 」(著者:テイラー・ピアソン)(Amazonにリンク)。

ビジネスでよく見かける中年(壮年)のフレーズは,「培った人脈を生かす」であるが,問題はその人脈を生かして何ができるかということであろう。人脈そのものは,依存でしかない。

「自立」とは何か

少し話を急ぎすぎた。「自立」は,人の生活と行動(あるいは組織)全体を貫く問題であるが,「自立」という観念はどう捉えたらいいのだろうか。。

とりあえず私の「自立」とは何かについての仮説(概念整理)は,「世界と距離を保ち飲み込まれずに見る(理解する)ことができるということ」である。私はこのWebで「問題解決と創造」を」サブテーマにしているが,問題解決は,世界から降りかかってくることに対応することであり,(価値)創造は,世界に参加することであると位置づけられるだろう。そうすると私と世界の関係について,対応する,参加するほかに(前提としてというべきか),距離を保ち飲み込まれずに見る(理解する)ことがあるということである。問題解決,創造,自立という観念を回しながら,世界と関わるのは楽しそうである

これからはこのWebの「問題解決と創造」に「自立」という観点も含めて考えていこうと思う。そしてこれは多分,人間は,目的手段推論付きオシツオサレツ動物ということと重なっている。

 

手入れしよう

このWebについて大分手入れしたのでその報告をし,併せて身の回りの手入れすべき何点かのことを検討しておこう。

このWeb(ワードプレス)の手入れ

Webの作成は,とにかく記事の作成を優先することになるが,なんせ今の私は,「法と弁護士業務」と「問題解決と創造」の両方に足をのせ,万巻の書を読み、万里の道を行って記事を作成しようとしているので,なかなか体裁まで頭が回らない。

そうこうしている間に,体裁問題が山積みしてきたので,この数日で何とか手入れをした。

次のような問題があった。

①見出しの体裁5段階を(文字の大きさ,色,冒頭からの空け幅等)を,追加CSSでカスタマイズする。

②テーマでカスタマイズされていたリンクの下線を復活させる。

③投稿だけにあった次ページで「続きを読むという」機能を,固定ページも含めて「<!–nextpage–>というタグ」を使って,両方で1,2ページの表示とする。これに伴い,「分野別法律問題」の記事(本文と詳細目次)を一つの固定ページとし,詳細目次を2ページ目に掲載する(「契約法務」だけ試行してみた。)。投稿も,詳細目次は,2ページ目に掲載する。

④上部のメニューの「ブログ山ある日々」は固定ページなので,ここでワンクリックで,すべての投稿記事を見られるようにする。

⑤各記事について,ある部分を修正するたびに,不整合な点が生じていた。

これについては,大体手入れができたと思う。

ただもう一つ,いつの間にか,

⑥(多分,ワードプレスの仕様変更で)PDFが読めない

という問題が生じていた。私が資料として引用しているPDFに目を通すことはめったにないので,今まで気が付かなかった。早急に対応しよう。

ワードプレスの手入れについては,次のような記事を作成している。

改めて思うのだが,この類の問題の最大の難点は,手を入れようと思うと,必要な知識は雲散霧消し,いつもほぼスタート時点に立ち返ってしまうということである。今後の,デジタル時代でこれはかなり本質的な問題である。

「エコー」と「Kindle Fire 10」を手入れしよう

大分前に「エコー」を買ったが,孫と一緒に「アレクサ モアナの曲をかけて」と呼びかけるぐらいにしか使っていない。最近,「Kindle Fire 10」のOSがアップデートされて「「Alexa」の呼びかけで使えるハンズフリーモードのほか、Fire HD 10をEcho Showのように使える「Show Mode」にも対応」するようになったとのことなのだが,私の近くにある,「エコー」と「Kindle Fire 10」は,私の「アレクサ」の呼びかけにどちらがどう対応しているのか,と「Kindle Fire 10」にでる表示は何なのか,今は混乱していて見極め難いので,この連休にでも整理しよう。そのほかに,ブルーt-ス利用の,キーボード,イヤホン,超廉価版スマートウオッチ,Kindle Paper Whiteを英語使用にして,何とかモードを使うという課題もある。

R本の手入れ

どこかで書いたように,私は事務所移転の際に,R本の大半は寄付したので,現在自宅にあるのは,千数百冊の積読本だ。これを「私本管理」で整理し,「問題解決と創造」に使えるようにしよう。これも連休だ。

家庭菜園の手入れ

庭の家庭菜園に野菜の種をまいて収穫し,花を植えて愛で,毎日,水を撒くのはとても楽しい。しかし,いつまでも孫と一緒に,はなさかじいさんのように種を撒くのはいかがなものか。もう少し進歩したい。

カラダとアタマの手入れ

絶えず少しでも体を動かし,手入れすることがもっとも重要だ。何とか朝RUNを定着させたいのと,ほんの少しでいいから,折に触れてストレッチ系の動きをすることを定着させることが大切なようだ。

アタマの手入れは,散歩し,山に行き,自然を愛でて,情動を整えることに尽きる。いろいろやることがあってストレスになるのはよくないかなあ。そういえば先週の日曜日(2019/4/14)は,孫を引き連れ,山下公園(チューリップ),大桟橋(大型客船の入港),山下公園(フラワーフェスティバル?),人形の家と回り,リフレッシュした。山男の影いずこ。

一番大事な手入れ

あれこれ手入れすべきことを思い浮かべたが,一番大事なことが抜けていた。

一番大事なことは,「法を問題解決と創造に活かす」ための,私自身の仕事についての手入れだし,このWebでいえば,「新しい法律問題」と「法を問題解決と創造に活かす」及び「分野別法律問題」の作成・充実である。後者はこのWebの体裁に大分手を入れることができたので,そろそろ真正面から取り組まなくては…。永遠の助走では困るなあ。

前回の投稿から1か月も間が空いてしまった

この頭は動作していません??

前回,「このページは動作していません」という記事を投稿してから1か月が経過してしまった。この間必ずしも「この頭は動作していません」という状態にあったわけではなく,2週間は次の投稿記事を考えていたが,その後は,ある事件の「控訴理由書」の作成に追われ,数日前にやっと完了して,息をついたところだ。

前回の投稿時から考えたこと

著作権法判例百選第5版事件はどうなったか

前々回の投稿が2月22日の「最近の知財法改正を一覧する」だから,その頃,一生懸命に,知財,著作権について考えていた。

「こうして知財は炎上する-ビジネスに役立つ13の基礎知識」(著者:稲穂健市)の中に,次のような紹介があった。

「『判例百選(第4版)』の編者のひとりとされた大渕哲也・東京大学教授は,改定版である『判例百選(第5版)』の編者から自らを除外されたことにより著作権と著作者人格権を侵害されたとして,第5版の出版差し止めの仮処分を東京地裁に申し立て,東京地裁は出版を差し止める仮処分決定を出したが,知財高裁は仮処分の決定を取り消した。これにより,約1年遅れて第5版は無事に出版された(筆者の「なぜこんなことになったのか筆者にはよくわからないが,「著作権村」のパワーバランスが関係しているのかもしれない」とのコメントがある。)。

この「著作権判例百選事件」,果たして『著作権判例百選(第6版)』に掲載されることになるのだろうか?」

これを読んで私は出版を楽しみにし,出版直後の3月14日に購入した(その時は気が付かなかったが,Kindleのプリント・レプリカ形式でも出ている。)。

なんと,出ていた(18事件)が報告が遅くなった。あまり知性を感じない事件ではある(著作権紛争にはそういう事件が多い。)。

働き方改革をめぐって

そういえばこの4月から「働き方改革」に関する法令の多くが施行されるのできっちりまとめておく必要があるだろう。

厚労省は「働き方改革」の実現に向けて」の冒頭に「我が国は、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化」などの状況に直面しています。こうした中、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが重要な課題になっています。「働き方改革」は、この課題の解決のため、働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指しています。」とする。支離滅裂でひどい書きぶりだと思うが,できたものは労基が罰則付きで強制するように跋扈するだろうから,関係する会社がこれで足をすくわれないよう,しっかり対応できるように目配りしていくしかない。

法とルールの基礎理論をめぐって

政府が進める知財法,情報法,会社法,労働法,行政法等(その他すべて)についての理念,手法なき法令の複雑化がこのまま進めば社会は窒息するので,使いやすくわかりやすいルールを策定し,施行するにはどうすればいいかの検討は必須であるとずっと言い続けているが,どう取り組むべきかは極めてむつかしい。

知財法は,とりあえずレッシグをよく読んでみよう。

基本は,進化→行動→法とルール←システムという構造の中で,使いやすくわかりやすく機能する法とルールは,どうあるべきかということであるが,この構図のままでは抽象度が高すぎて,「理念,手法」の提示まではまだ遠い。もう少し時間が必要だ。

ITと進化をめぐって

ITが社会や政治にもたらす影響について,様々に論じられているが,ネット上の言説は何でもありで攻撃的だし,それが押えられないことは所与の前提とするしかない。

ところで最近,これって「万人は万人に対して狼」,「万人の万人に対する闘争」というホッブスの世界ではないかということにふと気が付いたのである。ホッブスは近代国家論の端緒を開いたといわれるが,ホッブスの死後およそ350年が経過して,社会は闘争状態に回帰した。

しかし,「万人の万人に対する闘争」についてのホッブスの具体的な認識は,人間を進化論的に見たときどうなんだろうか(「リバイアサン」の翻訳本に少し目を通してみたが,全然古臭くないが,ダーウィン200年前の人である。)。多少なりとも,ダーウィンがもたらした知見と重なっているだろうか。更には現代の進化論を踏まえる,行動分析学,オートポイエーシス,アフォーダンスから見てどうなんだろうか。ITを突破口にする 法とルールの基礎理論へのルートもありそうだ。

このところKindleのIT本が安くなっていたので,何点かの「PC・IT・AI技法」の本も買った。

いろいろと乗りかかった船を進めよう。

 

このページは動作していません!!

何が起こったのか

すこし前になるが,このWebをいじっていて,あるページに移動しようとしてクリックすると,下記の表示が出て移動できないことがあった。

「このページは動作していません。××でリダイレクトが繰り返し行われました。クッキーを消去してみてください。ERR_TOO_MANY_REDIRECTS」。

何てことだ。そこでクッキーを消去してみたが事態は変わらない。そのときはそのページはあまり利用しないので放っておき,その後削除したかもしれない。

ところがこの土日に「法と弁護士業務」に関する記事を「弁護士の仕事を知る」にまとめようと思い,あれこれメニューをいじり,記事を移動しているうちに,ふと気が付くと(移動した(これも後で気がついたが))「分野別法律問題の手引」「新しい法律問題」「法を問題解決と創造に活かす」に上記の問題が発生してしまった。これらはハブになるページだから放っておくわけにもいかない。すこし,ググってみたが,それらの記事をみても何をどうすればいいかわからない(もちろんクッキーは消去してみた。ほとんどは,WordPress.orgの問題のようだ。)。

パーマネントリンク

ところでググったある記事に,設定の「パーマリンク設定」の「変更を保存」をクリックしてみればいいとあったので,クリックしてみたが,もちろん何も起こらない。私の「パーマリンク設定」は日本語にしたままなので,URLになると長い記号となり,見たくもない領域なので,くわばらくわばら。

だがしばらくして,ふと,私がしたことは記事の移動である,そうするとそれによってリンクがおかしくなり,リダイレクト(無限ループ)がおこった可能性があるなあという思いがしてきた。そこでこわごわと,問題となる記事のパーマリンクの編集で,その記事の題名を書き換えてみた。

これなんだ。うまくいった。下位メニューもちゃんと書き換えられている。さすがコンピューターだ。これで問題解決。つかれるなあー。

ところで,Wordpress.comは,決して安くない有料サービスなのに,英語でしか問い合わせできないとはどういうことだ。このままでは仕方がないので,うまくいかなかった場合は,英語で問い合わせるしかないと,更に暗くなっていた私であった。

デジタル・トランスフォーメーションをめぐって

デジタル?トランスフォーメーション?

一昨日(2019年2月11日),たまたまボストン・コンサルティング・グループの「BCGが読む 経営の論点2019」(Amazonにリンク)に目を通したが,その「はじめに」の冒頭に「デジタルを中核に据え、経営を変える。バリューチェーンを再構築し、新たな成長機会を創る。デジタルによって既存事業を変革し、新規事業でイノベーションを生み出す。2019年は、そんな流れがますます加速する1年となるはずだ」とあり,「デジタル化がもたらす変化には,大きく3つの領域があると考えている。1つ目は,デジタル・トランスフォーメーション。顧客との新たな関係性を重視しながら,ものづくり,サプライチェーン,顧客接点,エコシステムなど,デジタルをテコとしてすべてを見直し,バリューチェーンを変革すること」(あとの二つは,「デジタル ベンチャー」と「組織における働き方の改革」)と続く。

私は,そのときまで「デジタル・トランスフォーメーション」という言葉を見たことはあったかもしれないが,意識したことはなく,古臭い「デジタル」という言葉も「こんなふうに使われるんだ,出世したなあ」と思ったのである。

ところで,1月末の高校の同窓会でたまたま横に座った友人に「最近,ITやAIについて,何かやってみたいと思っている」と話したところ,その友人に「Project DS DXの最新状況と近未来 これからの日本の進むべき方向」というイベントに誘われたので,昨日,出席してみた。

そこでは,最初から最後まで,「デジタル・トランスフォーメーション」という言葉が乱舞した。昨日の今日だからびっくりした。確かに「ITやAI」では少しピントがずれている。「デジタル」の方が,簡単でよさそうだ。

ところで,このイベントは,出席者は20数人という小さな会合で,ある損保グループでCDOを務める人の講演と質疑応答という内容だった。そのグループでは,これまでの「損保」では将来が見えないので,長年,シリコンバレーで,スタートアップを手掛けてきたその人がCDOに抜擢され,グループ全体を引っ張っているということだった。

具体的な内容は公開すべきではないと思うので,興味深かったことだけを二つ挙げよう。

興味深いこと

ひとつ目

ひとつ目は,デジタルのビジネスを行う上で重要なツールは,ひとつは,「デザイン思考」,もう一つは「アジャイル」だという指摘である。

「デザイン思考」は,私の視野に入っていたが,抽象的で本当に使えるかどうか分かりにくいねということで,1月に若いデザイナーの友人と「デザイン思考」の本を読んでみようと約束したので,早晩,読書会兼飲み会をしようと思っている。対象は,「クリエイティブ・マインドセット-想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法」(著者:デイヴィッド ケリー,トム ケリー)(Amazonにリンク)と,「デザイン思考が世界を変える」(著者:ティム・ブラウン)(Amazonにリンク)だ。「センスメイキング―本当に重要なものを見極める力」(著者:クリスチャン・マスビアウ)(Amazonにリンク)が「デザイン思考」を切り捨てているので,どんなもんだかと思っていた。実際に大学で試している「エンジニアのためのデザイン思考入門」(著者:東京工業大学エンジニアリングデザインプロジェクト)(Amazonにリンク)が肝になるか?

もう一つの「アジャイル」は,ソフト開発の手法だということで言葉だけ頭にあったが,「そうでない手法は?」と聞かれても「ウォーターフォール」は,言葉としては出てこなかった。

ふたつ目

興味深いことのふたつ目は,その損保グループでは,新しいデジタルのビジネスを行うために,数人ずつ,エンジニアとデザイナーを自前で雇用し,Googleの無償のAIを利用し,スピーディーな試行錯誤を繰り返して,短期間に欲しい「機能」を実装しているというのである。なるほど。

ただ,後ででてきた話であるが,経営陣のすべてがこのような試みを理解してくれるわけではないそうである(これは内緒)。

私は三つのことを考えた

余計なことだが,私が考えた三つのことを書いておこう。

ひとつ目

一つは,このようなデジタル・トランスフォーメーションの集いだとイケイケどんどんということになるのだが,ユーザーの立場からして,本当にそのようなものが必要なのだろうかと考えてしまう。知的好奇心は無限に膨れ上がるが,例えば健康についてどこまでデジタルが必要なのかは疑問である。これについては,上記書の「6 健康・予防領域で「稼ぐ」ために-成長領域なのに黒字化できない本当の理由」での指摘が参考になる。

ふたつ目

ふたつ目は,生活の「便利さ」なんてこれ以上どうでもいいのではないだろうかということである。特にIoTはサーバー攻撃の対象となって当面「便利」どころではないという気がするし,新しいAIの個々の様々な機能は目新しくて「便利」だとしても,総体として複雑なユーザーインターフェイスをもたらし,結局,ユーザーにストレスを与えるだけではないのか。

少し話はずれるが「ウォーターフォール」における「システム開発」が,発注者にも開発者にもトラブルをもたらすことが多かったが,「アジャイル」もその解消策にはならないようだ(上記書の「5 アジャイルの可能性と罠-組織のスピード、適応力、生産性向上にどう活用するか」参照)。

みっつ目

みっつ目は,上記したように,確かに私もデジタル・トランスフォーメーションについての「知的好奇心は無限に膨れ上がる」が,それは人の理性・推論が機能している部分である。人は,まちがいなく動物としての進化の過程にある「目的手段推論というちょっとした拡張機能つきのオシツオサレツ動物」であるから(「「こころ」と行動の基礎」参照),そのような動物としてデジタルをどう取り入れ利用するのかという観点がないと,複雑性の中で迷走しますよというのが私の「余計な」意見である。

デジタル・トランスフォーメーションの道遠く

ところで,「「BCGが読む 経営の論点2019」(Amazonにリンク)から上記の2点を指摘したが,この本はそのほかの内容も優れてる。コンサルというのは,うっとおしいと思っていたが,「デジタル・トランスフォーメーション」は,彼らの思考法とピントが合っているようだ。

ついでに「BCG デジタル経営改革 Digital Transformation」(Amazonにリンク)というムック仕様のkindle本も買ってみたが,これはどうだろうか。

むしろ今後勉強しなければならないのは,「デジタル・ビジネスモデル-次世代企業になるための6つの問い」(著者:ピーター・ウェイル)(Amazonにリンク)だろうか。

ところで,デジタル・トランスフォーメーションは,DXと略されることが多いようだが,DSとは何だろうか?略語も訳が分かりませんなあ。最後の疑問である。

 

 

大型液晶モニターを使ってみる

ワープロを縦置き画面で使いたい

それこそどのくらい前だろうか,通常仕事で使う文書は,B5にせよ,A4にせよ,縦長だから,モニター(ワープロ)も縦置きで使うのが使いやすいという人がいてもっともだと思った。しかし,その頃は,モニターは厚くて重く,縦置きで使うことは,かなり技術的なハードルが高そうに思えたので,「あこがれ」以上にはならず,また私の周りにそのように使っている人もいなかったのでそのままになってしまった。

24インチモニターを買った

私が今仕事で使っているパソコンは,だいぶ前のタワー型だが,以前から使っていた古いモニターをそのまま使っていた。特に不自由はなかったが,モニターの性能も上がっただろうと思い,1年ほど前に,ACERの24インチのモニターを買ってみた。画面も以前より大きくなったし,解像度もあがったので,それなりに満足し,縦置きの野望は封印して横置きのまま使っていた。

固定レイアウトのKindle本を快適に読みたい

私はKindle本を多く買うが,かねがね固定レイアウト本やリント・レプリカ本が読みにくく,それだけはR本を買うことも多かった。一昨年の10月に購入した,Fire HD 10タブレットは,解像度が1920×1200だが,それでも固定レイアウト本やプリント・レプリカ本は読みにくい。

最近,テレビやパソコンのモニターは,より細密な画像が提供できるようになったと聞き,ふとこれらのKindle本をパソコンで縦置きのモニターで読めば快適ではないかと思い付いた。

31.5インチモニターを買った

そこで,先週,エイヤッと「I-O DATA モニター 31.5インチ WQHD ADSパネル」とこれを回転させて使うことができる「アーム」を買い,事務所で,縦横兼用で使おうと思ったのだが,机の具合で アームの設置ができないこと,また,解像度は横置きの使用で固定レイアウト本やプリント・レプリカ本を読むのにも十分であることが分かったので,事務所ではこれを横置きで使用することにした。

そこで,古いACERのモニターとアームを自宅に持って帰り,自宅でモニターを縦横兼用で使用してみることにした。自宅のパソコンは,3万7000円弱で買った「Jumper Ezbook 3L Pro」なので,一抹の不安はよぎったが,結果,きちんと使えている(最初モニター端子の種類を誤解して,間違ったものを買ってしまったが(正しくは,Micro HDMI ケーブル),そこはご愛嬌としよう。)。

とにかく,モニターを縦置きで使用すれば,固定レイアウト本やプリント・レプリカ本,さらには漫画も極めて快適に読めることが分かった。ただ,事務所の31.5インチのモニターも含めて,ごく一部に拡大しないと読みづらいレイアウト,色遣いのものがあるが,これはKindle本を作る側の問題だろう。

Fireタブレットをテレビに映す

その過程であれこれ調べているうちに,今のFireタブレットには,モニター端子はないが,Fire TV Stickを使ってテレビでNetflix,Hulu等を見ている人は,Fireタブレットをテレビの画面に映せるという記事を見つけ早速やってみた(こちらの記事-https://ygkb.jp/9576-)。

まずFire TV Stick側に,AirReceiverというアプリをインストールする。これは305円だったような気がする。

Fireタブレット側にGoogle Home というアプリをインストールするが,そのためにはGoogle  Playをインストールする必要がある。これが怖くていや,ないし面倒くさそうだという人にはできない。私は持っていてインストールが可能なFireタブレットにはすべてGoogle  Playをインストールしているが何の支障もない。

あと上記の記事とは,Google Homeのバージョンが変わっていて,少しわかりにくい。上記説明書にある「画面や音声をキャスト」は,あれこれやる中で,画面の一番右下の記号(アカウント)をクリックすると「デバイスのキャスト」が出てくるので,それをクリックすれば出てくる。

こういうことは本当に楽しい。

 

やり残したことども

大晦日に書きかけたこと

大晦日にこの記事を書きかけたが,やり残したままあっという間に今日になってしまった。「今年もあっという間に大晦日だ。今年は去年より比べて,だいぶ充実したときを過ごせたような気がする。更に来年は踏ん張ろう」で始まり,今後作成する記事の「目論見」を書く段取りだった。

松岡正剛さんの初期の本に本は10冊くらい並べて,最近の本には30冊くらい並べて読み進むと書いてあった。ここ1ヶ月くらいの私がそれに近い状態だった。松岡さんはR本(現実本)だろうが,私はKindle本だ。でも,30冊のR本をとっかえひっかえするのは大変だろうが,Kindle本なら,同時には見られないが,30冊でも,100冊でも読み替える操作は簡単だ。

「教養」の逆襲

ひと時,教養は卑しめられ,人文・社会科学は,大学から追放されそうになった。「役に立たない」ということだろうが,教養のない人の言いそうなことだ。だが,最近,教養陣営の逆襲が目立つ。

通常イメージされるいわゆる教養(歴史,哲学,文学等々…)は,過去の事象に学ぶ,視野を広げ,フレームを切り替え,問題を俯瞰する,新しいアイデアを得る等々の意味で,間違いなく役に立つ。教養は役に立たないという人たちが考える「役に立つ」知は(主に自然科学を念頭に置くのだろうが),科学としても。射程が短く,一時的で,脆弱だ。科学のほとんどは仮説であり,教養は科学を準備する助走であるというぐらいの捉え方が正しいのだろう。あるいは,教養は,助走+科学の全体というのがいいかもしれない。

ただ教養陣営にも問題はある。得てして教養に立てこもりそれだけで自足して,問題解決に役立てようという意識に乏しいことがある。

「教養」を論じた本は多いが,ビジネス,経済を視野に入れた異色の本が,「センスメイキング―本当に重要なものを見極める力」(著者:クリスチャン・マスビアウ)である。「デザイン思考」を切り捨てながら,批判的的思考によるセンスメイキングを持ち出し,その五原則として「1「個人」ではなく「文化」を,2単なる「薄いデータ」ではなく「厚いデータ」を,3「動物園」ではなく「サバンナ」を,4「生産」ではなく「創造性」を,5「GPS」ではなく「北極星」」をあげる。ただ,批判的的思考とアルゴリズムを対置し,後者を退けるのはいかがなものか。

わが国にもいわゆる教養を論じた本は多い。最近のKindle本の書名だけをあげておこう。「本物の知性を磨く 社会人のリベラルアーツ」(著者: 麻生川静男),「人生を面白くする 本物の教養 (幻冬舎新書)」(著者:出口治明),「リベラルアーツとは何か」(著者:瀬木比呂志),「これからの教養 激変する世界を生き抜くための知の11講」(著者:菅付雅信),「教養の力 東大駒場で学ぶこと (集英社新書)」(著者:斎藤兆史)等々。

読むべき本のリストをあげる読書論も,要は,教養リストだ。立花隆,松岡正剛,佐藤優,その他大学の先生等とリストは多い。私としては吉本隆明の「読書の方法~なにを、どう読むか~ (光文社文庫)」に一番心が惹かれる。これらはいずれまとめて紹介しよう。

ビッグヒストリー,システム理論プラスアルファ

去年出会った,私にとっては新しい分野が,ビッグヒストリーやシステム理論だ。システム理論の中身をより緻密化するものとして「制度とは何か」(著者:フランチェスコ・グァラ)は極めて興味深い。一方,世界の今現在の全体像を的確に把握するためには,「FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」(著者:ハンス・ロスリング等)がお薦めだ。基本的に頭に叩き込むべきことは,世界を4つの所得レベル(1日当たり,①~2ドル,②~8ドル,③~32ドル,④オーバー32ドル)に分けると,現在,①が10億人,②が30億人,③が20億人,④が10億人だが,「いまから200年ほど前までは,世界の85%がレベル①、すなわち極度の貧困の中に暮らしていた。現在、世界の大部分は真ん中のレベル,つまりレベル②とレベル③に暮らしている。これは1950年代の西ヨーロッパや北アメリカと同程度の生活水準だ」。「70億人の人口は,10億人単位で見て,アメリカ大陸 ,ヨーロッパ大陸,アフリカ大陸,アジア大陸にどのような割合で暮らしているか。現在は,「1・1・1・4」であるが,2100 年 には「1・1・4・5」で, 世界の人口の8割以上が,アフリカとアジアに暮らすことになり,おそらく次の20年間で,世界市場の中心は大西洋周辺からインド洋周辺に移るだろう」。

この本は,現在の世界の現状の様々な数字について多くの人に質問をし,その回答が専門家を含めほとんどでたらめであるとし,その原因として「10の思い込み」を挙げているが,おそらく上記した数字が頭に入れば,質問への回答も落ち着くだろう。要は,多くの人の頭には,せいぜい初等教育を受けたときの数字しか刷り込まれておらず,それを基本にイメージするからほとんどでたらめになるのではないか。

続情報をめぐって

「宇宙はエネルギー・物質・情報でできている。だが,宇宙を興味深いものにしているのは情報だ」という説明が「情報と秩序」(著者:セザー・ヒダルゴ)にある。

ビッグヒストリー,システム理論の中心にあるのは,「情報」であるが,これをデジタル情報論ではなく,宇宙,地球,生命の中に位置付けようとするのは,「基礎情報学」である。アフォーダンス,オートポイエーシス,ルーマン,ラディカル構成主義等々,なぜ情報学にこんなことが書いてあるのという気もするが,ビッグヒストリー,システム理論に位置付けようとする場合,とても役に立つ。

既に「情報をめぐって」という記事を作成したが,「続情報をめぐって」を考えている。

ここでは「サイバー空間の病理」を検討するが,その前提として,サイバー空間を利用することがどういう力を持つのか,「NEW POWER これからの世界の「新しい力」を手に入れろ」(著者:ジェレミー・ハイマンズ, ヘンリー・ティムズ)を一読したい。著者らが「僕たちは,初期のインターネット先駆者たちが思い描いた自由な楽園とはほど遠い,、集団農場のような世界で暮らしている感じがしてならない」,「もっとオープンな、民主的かつ多元的な社会を実現しようと奮闘している人たち」によって「正しく用いられた場合には、すばらしい効果を発揮している等々には,共感もするし,励まされもする。

しかし,そのサイバー空間の「新しい力」は,病理ももたらす。便宜,サイバー攻撃と,サイバー煽動と呼ぼう。前者は,破壊や経済的利益を目的とし,サイバーセキュリティが問題となる事象である。後者は,フェイクニュースを流したり,その他の方法により,世論操作を行おうとする手法である。これらに関する本は多いが,全体を概観する本として,「サイバー空間を支配する者 21世紀の国家・組織・個人の戦略」(著者:持永大)を,前者は多くの本があるのでここでは省略し,後者として私が衝撃を受けた「フェイクニュース 新しい戦略的戦争兵器」(著者:一田和樹)を挙げておこう。この本ではロシアが目立つが,「池上彰の世界の見方 ロシア~新帝国主義への野望~」(著者:池上彰)を一読するとなるほどと思える。

これらはいずれも世界,社会の価値を著しく毀損するものであるから,適切な対応をすることが今後の大きな課題である。サーバー空間には大きな「「NEW POWER」があるからこそ,これを利用して,不当な経済的利益を得たり,政治支配をしたりしようとする輩は多い。我が国でもいずれも大きな問題だ。

生命と進化をめぐって

この分野では,「人体はこうしてつくられる-ひとつの細胞から始まったわたしたち」(著者:ジェイミー・A・デイヴィス)と,「タコの心身問題-頭足類から考える意識の起源」(著者:ピーター・ゴドフリー=スミス)を挙げたい。いずれも極めて良質なポピュラーサイエンス本といえるが,論述にしっかりついていくには多少力がいる。ただ今,生命と進化の世界が大きく広がりつつあることがうかがわれて,読んで損はない。追ってじっくりと紹介したい。後者は題名を見るだけで読みたくなるのでは?

人間の健康ということでは,「果糖中毒 19億人が太り過ぎの世界はどのように生まれたのか?」(著者:ロバート・H・ラスティグ)が,肥満に由来する病気や,ダイエット問題の核心について,丁寧に,科学的に検討する最高レベルの本だ。これまでの肥満,ダイエット本が幼稚に見える。ただ「果糖中毒」(Fat Chance: The bitter truth about sugar)という題名の翻訳がこの本の論述の広がりを誤解させるが,内容は健康全般にわたる優れた本だ。健康本としては一押しである。

その他にもまだまだあるが,私が消化しきれなくなるので,当面これらの本の内容を紹介する記事を作成していこう。

着地点

ところで,これからどこに着地するの?というのはもっとも疑問だ。私としては,システムとしての社会の要素である法制度の機能を踏まえた今後の情報のありようを問題にしたい。弁護士としては情報法の問題だが,もう少し視野を広げて,ビジネスや政治にも働きかけたい。

 

謹んで新春のおよろこびを申し上げます(2019年)

謹んで新春のおよろこびを申し上げます。

皆様方にとってこの一年が希望に満ちた年でありますように心よりお祈り申し上げます。

最近,「ビッグヒストリー」という試みに関心を持っています。宇宙,地球,生命,人間と展開してきた138億年の歴史を踏まえ,現在とこれからの問題を考え,対応していこうとするものです。

最初に読む本として,6600年前の恐竜絶滅の原因であることがほぼ確実なユカタン半島への隕石衝突の現場を発見した地質学者ウォルター・アルバレスの「ありえない138億年史-宇宙誕生と私たちを結ぶビッグヒストリー」(光文社)を紹介します。

これは全編とても面白く,例えば,「私たちは地球が集めた星くずでできている」,「人間の体の各部分は全く異なる時代にこの世に現れている」,「一生の間に,何とおよそ100トンの食べ物が私たちの口に入り,消化管を通過していく」,「自分が生まれる可能性は極めて少ない。一世代に生まれる子供の数を10億(10の9乗)人とし,精子,卵子数を考慮して生まれる可能性のある子供の総数をおよそ10の25乗と見積もると,私の生まれる可能性は1/(10の16乗)等々,興味は尽きません。

このようなことを考えることのできる存在となった人間は素晴らしいと思いますが,一方,多くの人間にとって,狩猟採集生活を脱した後の「文化の進化」に適応するのはむつかしく,今は,ネット上のフェイクニュース,世論操作に飲み込まれているようです。問題解決への途は,「ビッグヒストリー」から俯瞰することにあると思います。

平成31年元旦

弁護士  村 本 道 夫

 

ノートパソコン「Jumper Ezbook 3L Pro」を買い,SSD120Gを増設する

ノートパソコン「Jumper Ezbook 3L Pro」を買った

自宅にDELLの32G ROMのパソコンがあるが(USBカードをHDとして増設しているが,いささか面倒だ。),32GではUSBを使ってもなかなかWINDOWS10のアップデート(更新)がうまくいかず,何回もやり返し,結局インストールしているソフトをほとんどアンインストールしてやっとアップデートすることができた。こんなことをやっていてはストレスがたまるだけなので,かねがね「安い」 ノートパソコンを買おうと思っていて,目を付けたのが,中国製の「Jumper Ezbook 3L Pro」である。たまたまAmazonでセールだったようだが,3万7000円弱である。ネットの評判も悪くない。

Amazonの記載によると,「ハードウェア:正規Windows 10 64bit Intel Apollo Lake N3450 1.1GHz CPU 優れたデータ転送機能 ビデオを流暢に見ることができ 低消費電力でもうまくいきます。メモリ:6GB DDR3L RAM and 高速起動eMMC 64GB M2 SSD スロット搭載、自由にSSD容量を拡張でき、最大128GBのTFカード:タブレットがスムーズに動作できます。ネットワークから好きなものをダウンロードして保存できる巨大なストレージ容量を備がえています。スクリーン:14.1インチ IPSベーゼルレスデザインされたスクリーン8mmの狭いフレーム16:9 FHD 1920*1080解像度 Intel HD Graphics 500 GPU高解像度の超大画面に緻密で細部まで描写、美しく鮮やかなカラーを再現するディスプレイ。デュアル高速無線LAN 802.11 b/g/n & 2.4GHz+5Ghz、Bluetooth (機内モードon/offボタン付)、内蔵マイク、9600mAH 大容量バッテリ 最大10時間連続しようでき、小型サイズで、持ち運びやすくて外で仕事しても勉強してもらくらく.9600mAh大容量バッテリーと低消耗電源コントロールで、1回の充電で最大10時間使用可能です。6-10時間連続のゲーム、6-10時間の連続視聴ができる」だそうである。

まともな性能で,値段も安く,「自由にSSD容量を拡張でき、最大128GBのTFカード:タブレットがスムーズに動作できます」というのだから,魅力的である。

二つの問題

さて購入後,翌日,商品が手元に来る。そして今日の時点で120GのSSDを増設し,つつがなく稼働している。しかしここまでくるのに若干の問題もあった。詳しい「説明書があると書いてあったのだが,多国語翻訳された簡単なもので,あまり役に立たない。

まず最初,WINDOWS10のアップデートが「無効」という表示が出てうまくいかない。有効にする方法が分からない。何回か,足踏みしたが,結局,これを有効にする方法を検索して見つけ,ほどなく解決した。

すこし手間取ったのが,SSDの取り付けである。SSDにも何種類かあるようで,検索してみるとどうもSSD M.2 2242というものらしいので,これをえいやっと購入(5500円弱)。その際,どうも120Gが上限というような記事も見つけたので,それに従った(商品説明の「 SSD スロット搭載、自由にSSD容量を拡張でき、最大128GBのTFカード:タブレットがスムーズに動作できます」というのはどういう意味なんだろうか。)。
そしてこれもネットの記事に従い,下の小さなカバーをはずそうとしたが,100均のドライバーではうまくいきそうになかったので,改めて精密ドライバー(ZENKE 63in1精密ドライバーセット 57種ビット 磁石付き 修理工具 (ブラック)。これを中国製)なるものを購入したが,これの使い方が分からない。そこでこれもネットで検索し,この商品の使い方をきちんと説明しているサイトを見つけたものの,60数種類の中のどのビットを使ったらいいかがわからない。でもねじはどうもプラスに見えるので,適当に選んでやってみると,OK。カバーを外せば,取り付けは,多分こうだろうという方法でOK。無事にカバーを閉じ,記憶域を確保するプロセスを実行する。

以上の過程を経て,無事に,ROMとして,eMMC64GB+SSD120Gで使用できるようになった,

多少ひやひやしたが,こんなもんだろう。4万円ちょっとでこれは安い。なお,Jumper製のノートパソコンには,若干の違う種類もあるようで,値段にも多少ばらつきがある。私が購入したこの製品は,最新で,ほぼ最安値だと思う。

今,中国のIT関係の技術と,安価で製造する底力はすごい。おって深センの実態を描いた「ハードウェアハッカー~新しいモノをつくる破壊と創造の冒険」を紹介しよう。

ノートパソコン PC ラップトップ WIN10 6GB RAM+64GB ROM Intel Apollo Lake N3450 14インチ 1920*1080 FHD デュアルWIFI BT4.0 HD (2018)