「こころ」と行動の基礎

2019/04/04更新

「こころ」と行動

この世界の複雑な様々なシステムは,おおよそ,人の行動(言語行動を含む)とモノ・情報の動き,及びその相互作用から成り立っていると捉えることができよう。

世界の様々な複雑なシステムを理解するためには,まず人の行動を基礎に置くべきだろうが,そのためには,進化論を踏まえ人の行動と「こころ」との関係についてもあまり的外れでない理解をする必要があるだろう

その上で人の行動とモノ・情報の動き及びその相互作用を捉えることにができれば,様々なシステムのどこをどのように動かせば問題解決につながるかという道筋も見えてくるだろう。

そこで「「こころ」と行動の基礎」という項目を設けたが,この問題に深入りすると,それこそ一生ここから出てこれなくなるので,ここでは,「基礎」としてさほど的外れでないであろう概観ということで済ませることとし,そのための7冊を検討するとにする。

7冊の本

そのために7冊の本を紹介しよう。

  1. 「入門! 進化生物学-ダーウィンからDNAが拓く新世界へ」(著者: 小原嘉明)
  2. 「「こころ」はいかにして生まれるのか」(著者:櫻井 武)
  3. 「哲学入門」(著者:戸田山和久)
  4. 「意思決定の心理学-脳とこころの傾向と対策」(著者:阿部修士)
  5. 「進化教育学入門 動物行動学から見た学習」(著者: 小林朋道)
  6. 「行動の基礎」(著者:小野 浩一)
  7. 「〔エッセンシャル版〕行動経済学」(著者:ミシェル バデリ)

1の「入門! 進化生物学」は,最新の知見に基づき,進化論・遺伝学について,幅広く検討した本,2「「こころ」はいかにして生まれるのか」は,「こころ」をどう捉え,考えるべきかについて,最新科学を踏まえ説明している。この本は,行動理解につなげる意識がないと,いささか散漫に思える内容だが,人間の行動理解を念頭に置くとなかなか素晴らしい。以上が,前提となる2冊だ。

次にこれらの前提となる知識を踏まえて,人間の「「こころ」と行動」を理解するために,私もこれまでにも紹介し,折に触れて目を通しているがいまだによく頭に入らない3「哲学入門」が必須だ(特に「第5章 機能」)(本の森での紹介1本の森での紹介2)。これを読み込めば,「こころ」と行動の基礎」についての端的な理解が得られるだろう。

3もそうだが,人間を進化論を踏まえて理解するということは,人間を動物の延長上に捉えることであり,そのためには,心理学者が書いた4「「意思決定の心理学」,「動物行動学者が「学習」について書いた5「進化教育学入門 がお薦めだ。ただし,自分の学習やAI時代にどう生かすかは,今後の問題だ。

更にこれまで一貫して行動を人間理解の焦点にしてきた行動分析学から,6の「行動の基礎」を取り上げたい。現時点の行動分析学を,進化論や,動物行動学を踏まえどう考えるかは,賄家」興味深い問題だ。

そして最後に,7「〔エッセンシャル版〕行動経済学」を取り上げる。「行動経済学」の本は,ともすると,エピソード集になりがちで,いいささか使いにくい。この本は,入門書であろうが,人間の行動とのからみが要領よくまとめられていてお薦めだ。なお,行動経済学も進化論(進化的適応)を踏まえた行動科学であるという5の指摘はそのとおりだと思う。

以下,7冊の本の内容を紹介するが,現時点(2019年4月4日)では,紹介は,一部だけになっている。

「入門! 進化生物学」

作成中

「「こころ」はいかにして生まれるのか」

「「こころ」はいかにして生まれるのか-最新脳科学で解き明かす「情動」」(著者:櫻井 武)(Amazonにリンク)

まとめの紹介

この本はたまたま,原著に「まとめ」があるので,取り急ぎ,それだけ紹介しておこう。末尾に詳細目次も掲載した。

第1章「脳の情報処理システム」のまとめ

1 脳において大脳皮質は情報量の大きな情報を速く処理するために,「後づけ」で増築された演算装置である。

2 大脳皮質は感覚情報を要素ごとに分解してデジタル的に処理し,それを脳内で再構成している。

3 人の脳は前頭前野がとくに発達しており,感覚情報の統合的理解,認知,未来予測などに関与している。

4 ヒトに備わった,他者の立場に立って考え「共感」することができるという能力は,「こころ」を考えるうえで欠かせない機能である。

第2章「「こころ」と情動」のまとめ

1 情動とは感情の客観的・科学的な評価である。

2 情動は「情動体験」(≒感情)と「情動表出」(身体反応)に分けられ,後者を観察することにより客観的に記載できる。

3 情動は脳がつくりだすが,その結果,引き起こされた情動表出は脳にフィードバック情報を送り,情動を修飾する。

第3章「情動をあやつり,表現する脳」のまとめ

1 情動は大脳辺縁系でつくられる。

2 大脳辺縁系は記憶にも深く関わっており,海馬は陳述記憶の生成に,扁桃体は情動記憶の生成に重要である。

3 感覚は大脳皮質と大脳辺縁系で並列処理され,前者は感覚情報の物理的側面を,後者は情動的側面を受けもつ。

第4章「情動を見る・測る」のまとめ

1 情動の高まりは表情をふくむ行動,交感神経の興奮,副腎皮質ホルモンの上昇に表れる。

2 情動は行動,自律神経系,内分泌系の測定によって観察できる。

3 脳機能画像解析により扁桃体の興奮を測定することも情動を測定する一手段である。

4 動物を用いて扁桃体や視床下部室傍核の活動を調べることにより,情動を推し量ることができる。

第5章「海馬と扁桃体」のまとめ

1 海馬は新たな陳述記憶の生成に不可欠である。

2 陳述記憶は時間がたつにつれて大脳皮質,とくに側頭葉皮質に移行する。

3 扁桃体は情動記憶を受けもつ。

4 ストレスホルモンは陳述記憶を弱め,情動記憶を強くする。

第6章「おそるべき報酬系」のまとめ

1 ドーパミンが側坐核に放出されると,その原因になった行動をやめられなくなる。

2 ドーパミンは腹側被蓋野に存在するドーパミン作動性ニューロンから供給される。

3 前頭前野は不確実な報酬を大きな報酬ととらえ,ドーパミンの放出を促す。

4 予測した報酬の大きさと,実際に得られた報酬の差(報酬予測誤差)が,前頭前野が感じる報酬の大きさとなる。

第7章「「こころ」を動かす物質とホルモン」のまとめ

1 脳内には「こころ」の機能に強く影響をおよぼすたくさんの種類の脳内物質が存在する。

2 血液中をめぐる多くのホルモンも,脳機能を強く変容させる。

終 章 「こころ」とは何か

ここの「まとめ」は原著にはない。

・私たちは前頭前野の機能により,自らがおかれている環境を理解し,自分の身体の状態を認知しながら生活している。前頭前野は意識や認知,論理的思考,内省,倫理的判断,未来の予測などに深くかかわっており,また,思考に用いる作業記憶もこの部分に存在する機能である。作業記憶の内容は,現時点で私たちが認知していることである。私たちの「自我」や「意識」はこの部分に存在すると言っても間違いではない。しかしながら,私たち自身の行動の選択に,前頭前野がおよぼしている影響は,実は限定的なものでしかない。もっと強く行動をドライブしているのは,根源的には脳の深部の構造であり,無意識の過程なのである。私たちは自分の行動をすべて自らの意志でコントロールしていると錯覚しがちであるが,私たちの行動を意識がコントロールしている部分は,ごく一部である。

・ヒトや動物は外界の状況を,感覚系を介してキャッチしている。その情報は,視床を介して扁桃体にやってくる。その人が恐怖を感じる対象や状況を認知したときに,扁桃体は強く興奮する。扁桃体が中心核を介して視床下部や脳幹に情報を送ると,自律神経や内分泌系が変動するとともに,脳内でもモノアミン系ニューロン群が大きく活動を変える。とくに青斑核ノルアドレナリンニューロンの活動が増え,扁桃体に作用することにより,恐怖行動は強化される…一方で,喜びを感じているときには,報酬系の活動が起こっている。報酬をゲットできる,あるいはゲットできるかもしれないと前頭前野が認知することにより,腹側被蓋核のドーパミン作動性ニューロンが活動することが,喜びの「こころ」をつくる。ドーパミンは側坐核に働き,喜びを生むに至った行動を強化するとともに,扁桃体にも情報を送り,筋肉の緊張を緩める方向に働く。黒質のドーパミン作動性ニューロンも働いて筋肉はよりスムーズに動くようになり,身体全体の動きは大きくなる。

「哲学入門」…「「こころ」と行動の基礎」

人間の行動は,まず第一にオシツオサレツ動物と同じ仕方で決定される。いくつかの傾向性があり,それがニーズと知覚情報によってアフォードされるという仕方だ。これがベースになる。

ところが,人間はこうした傾向性を調整する別の仕方を獲得した。その結果,目的手段推論の結果によって,ベースにある傾向性をリセットできるようになった。だとするなら,目的手段推論を入力(知覚・欲求)と出力(行動)をつねに媒介しているものと捉えるのはよろしくない。いつでも立ち止まって,いまやろうとしていることがベストなのかを考えていたら行動の時機を逸してしまう。ときどき問題が重要なとき,たっぷり時間があるとき,行為を止めて,私たちは目的手段推論を作動させる。で,その結果に応じていまの傾向性をリセットして,新しい傾向性にあとをゆだねる。

人間はオシツオサレツ動物とは質の異なったまったく別次元の存在なのではない。目的手段推論というちょっとした拡張機能つきのオシツオサレツ動物なのである。ただ,この拡張機能はバカにできない。「人間らしさ」のルーツがこの拡張機能にあるからだ

「意思決定の心理学」

作成中

「進化教育学入門」

作成中

「行動の基礎」

「行動の基礎-豊かな人間理解のために」(著者:小野 浩一)(Amazonにリンク)

これは当面,末尾に詳細目次だけを掲載しておく。

「〔エッセンシャル版〕行動経済学」

「〔エッセンシャル版〕行動経済学」(著者:ミシェル バデリ)(Amazonにリンク)

これは当面,末尾に詳細目次だけを掲載しておく。

詳細目次に続く

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健康に生きるためのお薦め3書プラスα

健康本はいろいろあるけれど

健康本は,ダイエット本を中心に山ほどある。どれも似たりよったりで,とにかくその「教え」を実行しさえすれば,何かの役に立つだろうともいえるが,ただ下手に非科学的なカルト本にはまると,かえって健康を害することもあるだろう。またあれこれ読み漁り,どれも中途半端だが,全体では過剰というのも困りものだ(特に「食」はそうだ。)。

私も人のことはいえず,次々と健康本を買い漁った結果,だんだん収拾がつかなくなってきた。

ここらで中心になる本を見定めて,そこで足りない分は補充するというスタンスを取りたいと思う。

私は科学的な素養は不十分だが,読んだ限りで十分に科学的で,かつ健康に生きるための核心をついていると思う本を3書紹介したい。

ダイエット,運動,病気への対応という順番になった。ただいずれの書の内容もそれに限られているわけではない。

健康に生きるための3書

果糖中毒

1書目は,「果糖中毒-19億人が太り過ぎの世界はどのように生まれたのか? 」(著者:ロバート・H・ラスティグ)だ。この本は,簡単に紹介したが,肥満の原因を果糖と見定め,その「解毒剤」として,「食物繊維」と「一日15分の運動」を挙げる。こう書くと何の変哲もないようだが,その論述は肥満をめぐって対象を広く検討し,科学的で鋭い。今一押しである。

一流の頭脳

2書目は「一流の頭脳 」(著者;アンダース・ハンセン)だ。この本が面白いのは,「身体を動かすことほど、脳に影響をおよぼすものはない。 これが本書のテーマであり、とりわけ効果の高い身体の動かし方とそのメカニズムをお伝えする」,「運動をすると気分が爽快になるだけでなく、集中力や記憶力、創造性、ストレスに対する抵抗力も高まる。そして情報をすばやく処理できるように-つまり思考の速度が上がり、記憶のなかから必要な知識を効率的に引き出せるようになる。また特別な「脳内ギア」を入れることで、混乱した状況下で意識を集中させ、心が乱れていても平常心を取り戻すことができる。運動によってIQ(知能指数)が高くなるという説さえあるのだ」と,「運動」が脳をよくするということで貫かれている。つまり,「一日15分の運動」は対肥満,能力向上の決め手というわけだ。これで運動の十分なモチベーションになると思う。

老婆心ながら,私が運動でいいと思うのは,スロージョギングと,「ずぼらヨガ」(著者:崎田ミナ)または自重トレーニング(著者:比嘉一雄)によるストレッチや筋トレかなあ。運動を継続する(習慣化する)には,行動分析学の本に目を通してみることをお薦めするが,行動分析学は概して「言葉遣い」が創始者のスキナーに捕らわれていて,論争的で難解すぎることはいっておこう(一番整理されているのは「「結果が出る習慣術―行動科学で人生がみるみる変わる」(著者:石田淳)だろうか。)。まあこれらはプラスアルファだ。

最強の健康法

3書目は,「最強の健康法【ベスト・パフォーマンス編】/【病気にならない最先端科学編】」の2冊だ。これも簡単に紹介したことがあるが,要は,運動して痩せて脳が活性化しても,癌をはじめとする病気にはなるのだから,それにも注意しようねということだ(スロージョギングを引っ張っていた田中さんは,確か膵臓癌で亡くなられたようだ。)。癌検診は欠かせない。

というようなことを考え,少しずつ実行しているうちに,どんどん年老いていくだろうが,最後まで元気に生活していたいものだ。

目標達成の技術

これらとは毛色が違うが,もう少し元気な人には,「ペンタゴン式 目標達成の技術 一生へこたれない自分をつくる」(著者:カイゾン・コーテ)をお薦めしたい。

 

「最強の健康法」を読む

~世界レベルの名医の「本音」を全部まとめてみた~

著者:ムーギー・キム

ベスト・パフォーマンス編 (Amazonにリンク) 

病気にならない最先端科学編 (Amazonにリンク
 

レイアウトに難あり

「最強の健康法」は,「ベスト・パフォーマンス編」と「病気にならない最先端科学編」の2冊の単行本で構成されている。しかしそのこともすぐには分からないし,本の表紙にも,表紙から目次の間までにも,ごちゃごちゃといろいろなことが書いてあり,しかも,目次も色付きで,ごちゃごちゃといろいろなことがいろいろなレイアウトで書いてあり,率直にいってそれで嫌になる。こんなことで投げ出したくなる本も珍しい。作成サイドは工夫を凝らしたつもりだろうが,度が過ぎている。目次の医師や「専門家」の,氏名のみならず所属の紹介も煩わしい。

後記の詳細目次は,余計な記述を除いて分かりやすくしてみた。項目だけをあげると,「ベスト・パフォーマンス編」が,「消化,食事,食べ方,歯磨き,禁煙,目,歩行,生産性向上,マインドフルネス,うつ病(心理療法),うつ病(食事療法),疲労,疲労回復,水虫,睡眠,不眠」,「病気にならない最先端科学編」「①健康を護る最先端科学」が,「健康診断,糖尿病・高血圧,心臓病,がん,ウイルス」,「 ②若さを保つ最強の健康習慣」が,「アンチエイジング,男性ホルモン(意欲減退、頻尿、ED),薄毛,不妊治療,骨粗しょう症,認知症,人生の終わり方」である。これだけだと,覗いてみたくなるだろう。

内容は悪くない

本書は著者が,医者や健康についての「専門家」約50名から取材した最新の科学的な健康・医療情報を,更に2人の医者・研究者がダブルチェックして上記の項目にまとめたというのが「売り」である。内容もかなり網羅的であるし,個々の記述も平易で参考になるものが多く,「内容は悪くはない」。しかしレイアウトが…。

中でも,誰でも「健康診断,糖尿病・高血圧,心臓病,がん」は気になるところであり,基本的な知識を持つのはいいことだ。

実践的な項目は,特に目新しいことはなく,基本は,減量,運動,食事である。運動として本書の項目にはないが,私はスロージョギングを勧める。

「生産性向上」の「1時間に一度は立ち上がって、体を動かそう─「座りっぱなし」で寿命が縮む」という指摘は,身に染みる。「薄毛」はもうだめなようだ。高齢男性なら「頻尿」はチェックしたい。

ただ,本書以外にも,良書はあるので,追って紹介しよう。

詳細目次

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「スロージョギングで人生が変わる」を読む

スロージョギングで人生が変わる(Amazonにリンク)

著者:田中宏暁

出版社等による内容の紹介の要約

ランニングブームの今、歩くペースで走るスロージョギングなら、中高年や高齢者でも楽しめる。ウォーキングの3倍の効果があり、内蔵機能・筋力はもちろんのこと、脳の機能も向上することが実証されている。歩くスピードなら70歳、80歳からでも走れる。本書は、スロージョギングのメソッドをわかりやすく解説し、すぐにも実践できるよう具体的なアドバイスも充実。

著者は,1947年生まれで,福岡大学スポーツ科学部教授等を歴任。専門は運動生理学で、特に肥満・動脈硬化性疾患などの生活習慣病の治療と予防、健康増進・競技力向上に有効な運動処方に関する研究が主なテーマ。2018年4月に,膵臓がんで亡くなられたとの由,ご冥福をお祈り申し上げます。

なお本書は,2011年発行だが,著者による最新の本に「ランニングする前に読む本 最短で結果を出す科学的トレーニング 」(Amazonにリンク)がある。

私のコメント

朝のジョギングを始める

今日現在(2018年10月31日),私は3週間ほど,朝のジョギング(歩くより少し速いくらいのスローペースです。)をしている。この夏は暑かったせいか,運動がまるでできず,今までにないほど太って体調も悪くなったので(実は,原因を夏の暑さのせいにするのは「間違い」。食べ過ぎ,飲み過ぎ,何よりも代謝が年齢相応に落ちていることが原因だ。),3週間前から朝のスローなジョギングを始めた。去年も,10月に朝のジョギングをしたが,早く起きて走るのは寒いし辛いし,時間の確保も難しいので,1ヶ月でやめたが,それなりの成果は出た。今年は,朝多少ゆっくり事務所に行ってもあまり問題がないことが分かったので,朝起きてまずお風呂に行って体調を整え,それから50分ほどジョギングすることにした。そうするとあまり無理なくジョギングできることが分かった。

そこで1ヶ月でやめずにもう少し続ける気になって「スロージョギング」について調べるため「本書」を購入した。

ポイント

著者は,運動生理学者なので,運動,肥満を巡る議論はとてもしっかりしているが,それは別の機会に「勉強」すればよい(「詳細目次を参照されたい。)。私が知りたかったのは,次のことだ。

①走り方は,かかと着地ではなくて,フォアフット着地(土踏まずより前部分)にし,地面は蹴らずに,重力を利用して前に進む。

②背筋はまっすぐし,顎はやや出して前の方を見る。

③走るスピードは7キロ(歩くより少し速いくらいのスローペース)で十分,前後の体操も気にせず,筋トレにもこだわらない。少しで汗をかかなければ,普通の服装でも大丈夫。

こんなところだろうか。

①は,私も大好きな「BORN TO RUN」(著者:クリストファー・マクドゥーガル)にも紹介されていることだが,これは追って紹介することとし,ここでは触れないことにする。フォアフット着地は,昨日の帰宅時のウオーキング,今日の朝のジョギングでも試してみたが,とてもお腹に効く気がする。ただなれるまで少し筋肉痛になりそうだ。

どうやって継続するのか

今のやり方だとあまり負担を感じないので,多少は継続できるような気がする。あとは,「自分の行動改革」の問題だ。

詳細目次

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「やり抜く人の9つの習慣 」を読む

「やり抜く人の9つの習慣  コロンビア大学の成功の科学」(Amazonにリンク

著者:ハイディ・グラント・ハルバーソン

9 THINGS SUCCESSFUL PEOPLE DO DIFFERENYLY by Heidi Grant Halvorson

出版社等による内容の紹介の要約

◎話題沸騰! Harvard Business Reviewで最多閲覧数を記録

◎モチベーション科学の第一人者が教える「心理学的に正しい目標達成の方法」とは?

コロンビア大学でモチベーション理論を教える社会心理学者の著者が,多くの心理学者たちの数々の実験と,著者自身の研究成果によって証明ずみの「心理学的に正しい目標達成の方法」によって,「成功とは生まれつきの才能で決まるものではありません」,「「成功する人には共通の思考や行動のパターンがあります」として,「心理学的に正しい目標達成の方法」を展開する。

◎本書で紹介する「目標達成に最も寄与する習慣」

  • 目標に具体性を与える・目標達成への行動計画をつくる
  • 目標までの距離を意識する
  • 現実的楽観主義者になる
  • 「成長すること」に集中する……etc.

◎本書で手に入る「目標達成ツール」

  • 目標達成の切り札「if-thenプランニング」
  • 目標までの距離に目を向ける「これから思考」
  • ネガティブな側面にも目を向ける「現実的楽観主義」
  • 失敗を味方にする「成長ゴール」
  • 〝やり抜く力〟を支える「拡張的知能観」……etc.

「今日からすぐ実行できる考え方がコンパクトなページ数(120ページ)の中で豊富に紹介されています。」,「仕事からダイエットまで「達成したい目標」があるなら,ぜひ本書を参照してみてください」,「これまでより,もっと早く,もっと上手に,目標を達成できるようになるはずです。」。

私のコメント

全体の感想

読んでいて余り異論のない目標達成のための行動論と言える。内容もシンプルに纏まっていてよいが(元がブログ記事だという紹介がある。),抽象的で説明不足とか,物足りないという感想もありうるだろう。ただ,ある程度「習慣」を巡る本を読んでいれば,著者が,何を問題にしているのかだいたいピンとくるし,参考文献も掲載されているので(ただし,翻訳されていないものが多そうだ。),十分だと思う。第6章で「グリット」や「マインドセット」にも触れられている。私としては,頭がこの方面に向いている人にはおすすめだ。そうでない人の興味は惹かないだろう。

表題にある「9つの習慣」とは?

「9つの習慣」が,9章にわたって展開され,各章には,その内容を端的に表す表題が付されているほか,各章の最後に,何個かのポイントから構成された「まとめ」が付されている。

さらに最後に,著者によって,「9つの習慣」次の様のまとめられている。ここでは,その著者の最後のまとめと,それに対応していると思われる各章の表題(翻訳と英語)を紹介しておく。各章の最後にある何個かのポイントから構成された「まとめ」は,追って紹介しよう。

  • 1.明確な目標を持っている。●目標に具体性を与える Get Specific 
  • 2.if-thenプランの形で「いついつになったらやる」と計画している。●目標達成への行動計画をつくる Seize the Moment to Act on Your Goals
  • 3.現状と目標までの距離に目を向けて「目標に近づくために何をすべきか」に焦点を当て,モチベーションを維持している。●目標までの距離を意識する Know Exactly How Far You Have Left to Go
  • 4.成功できると信じている。同時に,成功は簡単には手に入らないと考えて,努力をおこたらない。●現実的楽観主義者になる Be a Realistic Optimist
  • 5.最初から完璧を目指さない。失敗を恐れることなく,少しずつでも進歩することを考えている。●「成長すること」に集中する Focus on Getting Better, Rather than Being Good
  • 6.どんな能力でも努力で身につけられると信じている。どんな困難でも「やり抜く力」を持って当たることができる。●「やり抜く力」を持つ Have Grit
  • 7.意志力も鍛えれば強くなることを知っていて,習慣的に鍛えている。筋力と同じように,意志力も使いすぎれば消耗することを知っている。●筋肉を鍛えるように意志力を鍛える Build Your Willpower Muscle
  • 8.誘惑をできるだけ近づけないようにしている。意志力で誘惑に打ち勝とうとはしない。●自分を追い込まない Don’t Tempt Fate
  • 9.「やらないこと」でなく「やること」に焦点を置く。●「やめるべきこと」より「やるべきこと」に集中する Focus on What You Will Do, Not What You Won’t Do 

「9つの習慣」を簡単に検討する

1,2は,目標と計画の重要性である。計画をif-thenプランという形にすることを推奨している。

3,4,5は,行動によって目標に到達するまでには,時間と距離の隔たりがある。そこでの「行動論」である。

6は「マインドセット」を,「固定的知能観」と「格納的知能観」にわけ,後者の「能力は経験や努力を重ねることによって高めることができる」を正しいとするが,そのためには「グリット(やり抜く力)」が不可欠だとする。

7,8は意志力を問題にしているが,意志力は消耗することもあり,要は,あまり意志力に頼らない「行動」とすべきだとする。

9は,行動分析学が指摘するように「~をしない」は問題にせず,「~をする」ことにどのような行動随伴性を設定するかが重要だとする。

本書をどう活用するか

私は今,「個人:生活・仕事・文化」の「前提の2」として「自分の行動改革」を,「習慣」という観点から検討している。

そこでは「良い習慣、悪い習慣―世界No.1の心理学ブロガーが明かすあなたの行動を変えるための方法」(著者:ジェレミー・ディーン),「習慣の力」(著者:チャールズ・デュヒッグ)「ぼくたちは習慣で,できている。」(著者:佐々木 典士)等を参考にしているが,本書も加えて検討することになろう。

その他に,「自分を変える1つの習慣」(著者:ロリー・バーデン)という「階段マインンドセット ちょっときついが正しい行動をとる思考」を推奨するビジネス本があるが,なかなかノウハウに満ちていて,これをうまく活用したいと思っている。

いずれにせよ,①前状況-②行動-③状況の変化という枠組みの中で,①,②,③の中に何を入れ込んで,目標の達成論を考えるべきか,できるだけ速やかに試論を作りたい。

なお,本書には,詳細な目次はないので,詳細目次は掲載しない。

 

「図解 老人の取扱説明書」を読む

「図解 老人の取扱説明書」(著者:平松 類)(Amazonにリンク

どこから「老人」を見るか

「老人」というと,「頭がぼけ(認知症),体を支えられなくなり,心もゆがむ」(いわば「全滅論」といえよう。)という固定イメージがある。誰だって,自分がそんな「老人」になるなんて思いもよらないはずだが,街中には,少なくてもそういうふうに見える「老人」があふれている。私もそろそろ60台半ばを迎えて,「老人」と見られる場面も出てくるはずだが,あまり「老人」の自覚はない。でもこれから一体,どうなるんだろう。そういう中でたまたま本書を手に取った。

本書(図解 老人の取扱説明書)は,老人の困った行動を16取り上げている。ここでは最初の8個をあげてみよう。

①都合の悪いことは聞こえないふりをする。②突然,「うるさい!」と怒鳴る,でも,本人たちは大声で話す。③同じ話を何度もする。過去を美化して話すことも多い。④「私なんて,いても邪魔でしょ?」など,ネガティブな発言ばかりする。⑤せっかく作ってあげた料理に醤油やソースをドボドボとかける。⑥無口で不愛想。こちらが真剣に話を聞こうとすると,かえって口を閉ざす。⑦「あれ」「これ」「それ」が異様に多くて,説明がわかりにくい。⑧赤信号でも平気で渡る。

すべて「頭がぼけ(認知症),体を支えられなくなり,心もゆがむ」全滅論に起因するように思えてくる。

しかし,著者は,その前に,年を取ると五感がどうなるかを問題にし,五感の変化について次のように説明する。

五感の変化

Ⅰ視覚 老眼が40代中盤からはじまり,60代になると老眼鏡を使わないと辛くなります。また,白内障が50代から半数以上の人に発症し,80代を超えると99%が白内障になります。白内障になると,暗い所と明るい所が見にくくなります。

Ⅱ聴覚 難聴は50代後半からはじまり,60代後半で急速に進み出し,80代以上では7~8割を占めます。まずは高い音が聞き取りにくくなり,電子音などを聞き逃します。次第に,複数の音声の聞き分けができなくなります。後ろから迫っている車の音にも気づかなくて,轢かれそうになります。

Ⅲ嗅覚 50~60代までは年齢とともに機能が高くなりますが,それ以降はやがて低下します。70代からの機能低下が大きいです。嗅覚と味覚は関連しているので,味も感じにくくなります。普段の生活では自分の体臭・口臭に気づかず,相手を不快にさせます。

Ⅳ味覚 60代から衰えてきます。味覚障害により,醬油やソースをたくさんかけたくなります。味がわかりにくくなることで食べる楽しみが減るため,食欲もなくなります。

Ⅴ触覚(温痛覚) 50代から衰えはじめ,70代から顕著になります。手に持っているものの感覚が弱まるため,物を落としやすくなります。温度感覚も鈍るので,やけどをしやすくなります。若い人と同じ空間にいても空調の設定が違うため,嫌な顔をされます。

困った行動のかなりの部分は五感の変化が原因だ

上記した8つの困った行動のうち,①②⑤⑥は,五感の変化が原因の可能性が大きく,③⑦は記憶の問題,⑧は歩く速度の問題であり,五感以外の心身機能の一部が衰えてくるということだ。④は,役割の問題である。残りの8個の困った行動の多くも,五感の変化と心身機能の一部の衰退が原因だ。

五感の変化や心身機能の一部の衰退については,それぞれ「老人」自身で,それ相応の対応ができるし,家族や第三者もそのことが理解できると対応の仕方が大きく変わるだろう。「老人」の行動を「全滅論」で理解し,対応することはお互いにとって不幸だということだ。

全滅論につながる機能の衰退は阻止できる

五感の変化はそれを理解し,適切に対応すれば,さほど問題ではない。一方,心身機能の一部の衰退が,徐々に大きな衰退につながると,その影響は甚大である。これを防ぐのは,食動考休,特に動考である。本書でも簡単に触れられているが,見過ごしてしまいそうだ。間に合ううちに始めなければ…

本書について

「老人の取扱説明書」という題名には,多くの人が顔をしかめそうだが,本書は,老人を「取扱う」主体として,施設,病院等の第三者だけではなく,家族,そして自分自身を想定している。しかも著者は,多くの「老人」と接している「眼科医」ということのようだから,上記のとおり,問題とされる困った行動事例も,あまり深刻でない事例だ。そうなると,「取扱説明書」という機能的な観点がかえって好ましい。

なお,本書には,図解でない,新書版があるが,図解版をおすすめしたい。新書の方は記述が煩わしい。図解版はタブレットがなくてもパソコンにkindleソフトをインストールすれば読むことが出来る。

詳細目次

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ゲームとのコンタクト

私のゲーム体験

ゲームは人を映し出す。小さい子は,自分が後退しなければならないルールが許せない。おとなは,主観的な筋立てや考えるふりをするだけで,強引に手順を進めたり,そもそもゲームの世界に入り込むのを嫌って敬遠したりする。

私は小さい頃は,花札,トランプ,将棋等が好きだったし,碁も少しやったが考えるふりをして強引に進めるだけでうまくならず,いつしかゲームの世界に入り込むのを嫌い敬遠するようになった。

大学生になった頃,インベーダーゲームが流行った記憶だが,あまり好きではなかった。ルービックキューブにも手を出さなかった。その後,私の子供らはそこそこゲーム好きになってファミコン等で遊んでいたが,私はお酒を飲みながら子供らが遊ぶのを見る方が楽しかった。

ということでずいぶんと貧しいゲーム体験だ。

ゲームとのコンタクト

そういう私がなぜ「ゲーム」とコンタクトするのか。対象は,「ゲーム理論」ではなくて,間違いなく「ゲーム」だ。

それは最近,ゲームの制作を受託している会社数社の持株会社の監査役になったことから,これらの会社がどういう業務をしているのか,よく理解する必要がでてきたからだ。まず会社のスタッフから,口頭ベースで簡単な説明を受けた。最近のスマホゲームにも少し触ってみた。それでこれからは,自学自習だ。

「ゲームの今」(Amazon)という本の「はじめに」に,次のような指摘がある。

「こと「ゲームについて語る」となると,明らかにゲームの現状を把握していない発言や,一方的(ないし極めて主観的)な見地からの発言が,急激に増大する傾向がある。興味深いことに,普段は冷静で,畑違いの分野について見解を示すにあたっては下調べを怠らない専門家たちが,ことゲームについて語りだした途端,十年以上前の状況を前提とした分析をしたり,実体がどこにもないブームについてその社会的背景を推測したりと,いわば「勇み足」を連発してしまう…個人的には,これはゲームが持つ,本質的な強さを示しているように思う。ゲームには,識者をして「たかがゲーム」と感じさせる,驚異的な間口の広さがあるのだ。」。

「たかがゲーム」と感じさせることが,「驚異的な間口の広さ」を示しているというこの本の言い方は,すぐには理解できないかなり「ひねくれた」分析だ。

「たかがゲーム」という切り口は,明らかに「ゲーム」を,つまらないものとみている。ひとつはゲームが,単なる「遊び」だということ,もうひとつは,ゲームを構成する要素は大したものではないという「思い込み」からなっているのだろう。

しかし,後者は,全くの誤解である。今のゲームの制作,流通に必要なものをざっと挙げても,企画,シナリオ,ゲームデザイン,プログラミング,ゲームAI,サウンド,グラフィックス,ビジュアルデザイン,ネットワーク,法務・著作権,国際対応,マーケッティング,広告・宣伝,プロジェクトマネージメント等々,膨大な広がりがある。コンテンツ・ビジネスの中でも,最も複雑な仕組みの中で初めて成立する成果だろうが,ゲームを遊ばない世代からは,もっともつまらないものとみられている。前者は,「思想」の問題だ。このような中で「たかがゲーム」と言えることが,ゲームの「驚異的な間口の広さ」,毀誉褒貶なんでも飲み込んでしまうゲームの性格を示していることになる。

現実との架橋

これではすれ違いのまま終わるので,取り急ぎ「ゲーム」と現実を架橋しよう。

1点目は,ゲーム制作の中心に,プログラミング,ゲームAI,ネットワークがあるということだ。ゲームでの試み,習熟が,現実での「軽快な動きを切り開くだろう。

2点目は,ゲームがルールによって成立しており,ルールと世界の関係をシミュレーション出来るということだ。これによってはじめて法が科学的に検証できる土俵に乗るだろう。

3点目は,プロジェクトマネージメントである。ゲーム制作に関与する人員は次第に膨大となり,しかも仕事の集中と弛緩を管理するのは,基本的にはクリエーター自身だから,労働法規の枠組みの中で,プロジェクトマネージメントを実行するのは至難の業である。まさにあらゆる分野のプロジェクトマネージメントの試金石になるだろう。

このように指摘することで,はじめてゲームと関わりを持てなかった世代の人や,敢えて関わらなかった人にも,その意味合いが見えてくるだろう。

そしておそらく実際にゲームにのめり込む体験を経てはじめて,ゲームと現実が深くつながるのだろうが,私にはもう無理かな。

取り急ぎ調べることと今後の課題

まずゲームの歴史と現在の状況を把握する必要がある。「ゲームの今 ゲーム業界を見通す18のキーワード」(著者:徳岡 正肇)(Amazon)には,ゲームの歴史を踏まえた現状の詳細な記述がある。少し古い歴史はその前版である「デジタルゲームの教科書 知っておくべきゲーム業界最新トレンド」( デジタルゲームの教科書制作委員会 )(Amazon)にある。ただゲームの世界は変化が早いから,最新の状況は,丹念に業界情報を追う必要があるだろう。未読だが「All in One ゲーム業界」(廣瀬豪)(Amazon)は,刊行が最近で,新しい情報に基づいているようだ。

ゲーム開発を引っ張ってきた一人の「遠藤雅伸のゲームデザイン講義実況中継」(著者:株式会社モバイル&ゲームスタジオ)(Amazon)も少し古いが参考になるだろう。Kindle無料本の「ゲーム開発者の地図: 20年の個人開発から学んだこと」(著者:SmokingWOLF)(Amazon)をダウンロードしてみたが,何が書いてあるのかさっぱりわからないのでやめた。

その他,もう少し理解が進んだら,各論の本も読み進めよう。反対にゲームをコンテンツの一種として検討する「図解入門業界研究 最新コンテンツ業界の動向とカラクリがよくわかる本」(著者:中野明)(Amazon)も参考になるだろう。

上述したプログラミング,ゲームAI,ネットワークについては,「人工知能の作り方 ―「おもしろい」ゲームAIはいかにして動くのか」(著者:三宅 陽一郎)(Amazon),「人狼知能で学ぶAIプログラミング 欺瞞・推理・会話で不完全情報ゲームを戦う人工知能の作り方」(著者:狩野 芳伸他)(Amazon),「ゲームを作りながら楽しく学べるPythonプログラミング」(著者:田中 賢一郎)(Amazon),「ゲームを作りながら楽しく学べるHTML5+CSS+JavaScriptプログラミング[改訂版]」(著者:田中 賢一郎)(Amazon)等が参考になる。

ゲームとルールについては,「組み立て×分解!ゲームデザイン―ゲームが変わる「ルール」のパワー」(著者:渡辺訓章)(Amazon)を材料に,ゲーム理論と対比して検討したいと思っている。

ゲームの世界は広大だが,人生は短い。

 

 

地方活性化を考える

「地方創生大全」(著者:木下 斉)を読む

地方活性化を真正面から論じている

今,人口が減少しつつある状況の中で,地方再生,地方創生が大きな課題になっていると言われるが,多分解決すべき問題は,都市だろうと,企業だろうと,国全体の経済であろうと,同じであろう。「地方」を「特殊」なものとして上から目線で論じること自体,無意味である。

「地方創生大全」(著者:木下 斉)(Amazon)は,長年,地方活性化のために活動してきた著者が,地方活性化のために何が必要で,何が不要かあるいは障害かを,ネタの選び方,モノの使い方,ヒトのとらえ方,カネの流れの見方,組織の活かし方という観点から,真正面から論じた本である。

ただ中心となる主張は極めて単純で,経済的に回る事業を,「すぐに」「自分で」始め,撤退も頭において,試行錯誤を繰り返す。実践と失敗から「本当の知恵」を生み出そう。観光客数ではなく観光消費を重視する。役人の立てる計画や補助金は「害悪」だ。

そして,マシンガンのごとく,「ゆるキャラ,特産品,地域ブランド,プレミアム商品券,ビジネスプランコンペ,道の駅,第3セクター,禁止だらけの公園,モノを活かせない「常識的」な人, 地方消滅論,人口減少論,,新幹線,高齢者移住,補助金,タテマエ計画, ふるさと納税, コンサルタント,合意形成,好き嫌い,伝言ゲーム, 計画行政,アイデア合戦」等々を撃ちまくる。

少し視点を抽象化し事前のマクロ的分析を加えれば,素晴らしい本になる

問題解決と創造

上述したように,地方活性化をやり遂げることの出来る力は,都市や企業,国全体の経済の問題にも通用するであろう。もっと言うと,個人の生活・仕事・文化の「問題解決と創造」でも同じである。いや地方活性化こそ,すべての試金石であるといってもいいであろう。

しかし本書は,地方活性化の世界の中であれこれ格闘するあまり,地方政策に関わる行政に対する「批判」だらけとなってしまい,その世界がいささか息苦しくなっている。行政の現実について,把握できている人にはいいが,行政に期待している人を遠ざけてしまうかもしれない。少し視点を抽象化して,個人,企業,政府すべての「問題解決と創造」の方法から始め,主たる論点を「地方政策」に収斂すれば,素晴らしい実践本になると思う。

「地元経済を創りなおす」の方法を取り入れる

もう一点,著者は,ネタの選び方について,行政,コンサルタント,合意,古い発想等々を厳しく批判し,自分の頭で考えろということであるのだが,何をターゲットにするか,その下調べはしたほうがいいだろう。

これについては「地元経済を創りなおす-分析・診断・対策」(著者:枝廣 淳子)(Amazon)が,地域経済からお金の漏れをふさぐという観点から紹介する「産業連関表を用いる方法、地域経済分析システム(RESAS) を用いる方法、英国トットネスで行った「地元経済の青写真」調査、LM3という地域内乗数効果を見る方法、そして、より手軽な方法として、買い物調査や調達調査など」は下調べとして参考になる(ただし,同書の「漏れ穴をふさぐ」という方法論は一人歩きすると危険だと思うし,行政と民間を区別する視点に乏しいこと,また「成功事例」の紹介が安易であること等あって,なお検討の余地がある。)。マクロ経済の視点も,そこで自足しない限り,役に立つ。

地方創生への批判

今進められている「地方創生」には批判が多い。この問題は,中央政府と地方政府の「権力構造」,過去の地方政策の失敗等々も絡み,なかなか複雑な問題だ。

「地域再生の失敗学」(著者:飯田泰之他)(Amazon),「地方創生の正体-なぜ地域政策は失敗するのか」(著者:山下祐介,金井利之)(Amazon)等の学者本も読み応えがあるが,「地方創生大全」+「地元経済を創りなおす」の方法で問題を理解して読み進めると,これらの著者らが何をわかっており,何がわかっていないかが,浮かび上がってくるようだ。

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痩せるために肥満のメカニズムを知る

痩せるのは簡単だ

痩せるのは簡単だ。食べる量を今までの半分にし,1日2時間早足でウォーキングをすれば,数ヶ月で10キロ以上痩せることは確実だ。でもそんなことはできないし,おそらく心と体はボロボロになるのではないだろうか。できないのは,意思の問題というより,行動が生活として不自然で継続不能なことにある。

問題は,肥満のメカニズムを理解した上で,(肥満状態にない人ではなく)現に肥満状態にある人が,どうしたらいいかということである。そこで,肥満状態にある私が,肥満のメカニズムを理解し,どうしたら痩せるか,考えてみることにした。なお,肥満というのは,BMI25以上(より大雑把にいえば,体重>身長-100)のお腹ブヨブヨの中高年を想定している。筋骨隆々のBMI30は,相手にしていない。

肥満のメカニズムを理解する

これについてはそれこそ山のよう情報が散乱しているだろうが,私は「マンガでわかる生化学」を熟読してまとめてみることにした(この本は「生化学」全体を概観するのに,とてもよい。Kindle本は,固定レイアウトなので,解像度のよいタブレットで横画面にして読むことをお勧めする。)。

肥満は,脂肪が体内に過剰に蓄積した状態であるが,私が一番大事だと思うことは,摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスを,全体のメカニズムの中で考えることだと思う。

エネルギーの消費

摂取するエネルギーは,糖(グルコース),脂肪,たんぱく質である(ここでは主に前2者だけ考えることとする。)。

身体に入ったエネルギー源のうち,消費(ATP産出)エネルギーとして,まず,糖が細胞に取り込まれて,優先的に使用される。脂肪は,脂肪組織などの蓄積に回り,糖が使い切られて血糖値が低下してくると,エネルギー源として利用され始める。

脂肪が利用されるメカニズムは,脂肪組織に蓄積されたトリアシルグリセロールが,酵素の働きによって脂肪酸とグリセロールに分解されて血管をめぐり,脂肪酸は各臓器や筋肉の細胞に取り込まれ,β酸化という過程を経て,ATPに産出される。ひとつの脂肪酸(パルミチン酸)から129のATPが作られる(グルコース1分子からは38ATP)。この点で脂肪はとても効率のよいエネルギー貯蔵物質である,したがって,なかなか減らない。

体内の脂肪蓄積のメカニズム

摂取エネルギーから,基礎代謝+食事誘発性熱産生(約10%)+生活活動代謝の合計である消費エネルギーを除いた余剰エネルギーが,体内に脂肪として蓄積されることになる。体内に適切な量の脂肪が蓄積されていることは,生きていくうえでとても大切なことであるが,過剰な蓄積が問題である。

脂肪が体内に蓄積されるルートは,摂取された脂肪がそのまま脂肪として蓄積されるルートと,糖が脂肪に変化して蓄積されるルートがある。

摂取された脂肪は,「リポたんぱく質」(小腸でカイロミクロンに,肝臓でVLDLに含まれるトリアシルグリセロール)の形に可溶化され,代謝されない余剰の脂肪は,「リポタンパクリパーゼ」という酵素によって加水分解され,脂肪酸とグリセロールになり,脂肪組織に取り込まれる。

一方,摂取された糖(グルコース)は,細胞内に取り込まれ,解糖系で分解されてピルビン酸になり,ミトコンドリアに入ってアセチルCoAになり,オキサロ酢酸と一緒になってクエン酸になり,通常はクエン酸回路に入ってATPを産出するが,糖が余剰だと,肝臓や脂肪組織では,クエン酸回路に行かずに細胞質に出され,マロニエCoAとなり,いくつかの酵素反応を経て,脂肪酸(パルミチン酸)となる。

肥満のメカニズムから見た摂取エネルギーと消費エネルギー

以上が前提となる(なおこの詳細な過程は「からだの働きからみる代謝の栄養学」(著者:田川邦夫)がお薦めだ。ただこの本は個々の記述は比較的わかりやすいのだが,記述相互の関係,全体での位置づけがわかりにくく,何度読んでもなかな頭に入らない。それはこの本の問題というより,代謝過程そのものの複雑性によるのかもしれない。)。

問題は,摂取エネルギー<消費エネルギー(ATPとして産出,使用)は当然のこととして,過剰に肝臓及び脂肪組織に蓄積された脂肪を,ATPとして産出,使用して消費することである。まとめれば,①摂取エネルギー+②蓄積脂肪によって,③ATPを産出するということである。だから①を減らし,③を増やすのだ。

①については,要は,総量として減らすのが正解であろう。

糖を取り過ぎてインスリンが効かなければ高血糖(一方,インスリンが効いて肝臓に取り込まれると脂肪として蓄積されやすくなるから,肥満ホルモンといわれる。),脂肪は単位量当たりが高カロリーであるから取り過ぎはだめ,たんぱく質には窒素が含まれるから,取り過ぎるとその排出のために肝臓や腎臓に負担がかかる。どれも過ぎたるは及ばざるがごとしで,要するに,ビタミン,ミネラルも含めてバランスよく食べ,食べ過ぎない(腹八分)以上に的確な方針はない。ただし,病的な状態にあるときに短期間,このバランスを動かすこともあり得るだろう。

そうすると,焦点は③である。これを運動とまとめると嫌になってしまう。生体のエネルギー通貨といわれるATPをできる多く使う工夫をすることである。家事・仕事で動き回る,気晴らしを兼ねてのウォーキング(登山),体調をよくする簡単な筋トレ,ストレッチ等々,工夫するしかない。

食べる量を総体して減らすとどうしても食べ残しが出るが,それを気にしない「王侯貴族ダイエット」,好きなだけエネルギー通貨のATPを使う「王侯貴族浪費」,要は,現代の王侯貴族になり,肥満から解放されることだ。うまういくかなあ。

なお,以上の記述には誤りや,不正確なところもあると思うので,適宜,修正していきたい。

高血糖症への途から逃れるために

高血糖症への途

食べ過ぎ,運動不足→肥満により,→高血糖症→糖尿病という引き返し,途中下車のできない新幹線に乗車中だと警告されている人は,私も含め多いであろう。

世の中には,高血糖について,あれがいい,これをしようという情報に満ち溢れているが,食べ過ぎ,運動不足→肥満→高血糖症→糖尿病というメカニズムに関する説明には,とんでも論も多く,まともなものでも,複雑で錯綜しているか,あるいは部分的なもので,なかなか全体の理解が難しい。

そこで私なりに,何とか本筋を踏み外さない手掛かりとなる海図を,まとめてみたいと思う。ただし,以下の記述は極めて不十分だし,誤りもあると思うので,適宜修正していきたい。

まず,ウイキペディアから,高血糖症と糖尿病の概要について引用し,「「代謝」がわかれば身体がわかる」(著者:大平万里)から,「血糖値を調節する仕組み」の概要と「血糖値を下げる仕組み」の説明を引用し(これで血糖値調整の「代謝」の全体像が見えてくる。),これを頭に入れたうえで,「最新版糖尿病は薬なしで治せる」(著者:渡邊昌)の実践と挫折を紹介したい。

高血糖症と糖尿病の基本

高血糖症とは血中のグルコース濃度が過剰である状態であり,125mg/dL以上の状態が慢性的に続くと臓器障害を生じうる。

空腹時においても持続する高血糖症を慢性高血糖症といい、これは最も一般的には糖尿病によって引き起こされる。糖尿病における高血糖症は、糖尿病のタイプと進行度に応じて、通常、インスリン濃度低下、および細胞レベルでのインスリン耐性によって引き起こされる。インスリン濃度低下、およびインスリン耐性により、体内のグルコースからグリコーゲンへの転換が抑制され、その結果、血液中の過剰なグルコースの除去が困難、または不可能になる。糖毒性を生じない通常のグルコース濃度では、任意の時点での血液中の全グルコース量は、20~30分間体内にエネルギーを補給するのにぎりぎり十分な量であり、体内調節機能によってグルコース濃度が精密に維持されなければならない。この機能が低下しグルコースが正常値を超えると、高血糖症が生じる。

グルコースはそのアルデヒド基の反応性の高さからタンパク質を修飾する作用(メイラード反応参照)があり、グルコースによる修飾は主に細胞外のタンパク質に対して生じる。細胞内に入ったグルコースはすぐに解糖系により代謝されてしまう。インスリンによる血糖の制御ができず生体が高濃度のグルコースにさらされるとタンパク質修飾のために糖毒性が生じ、これが長く続くと糖尿病合併症とされる微小血管障害によって生じる糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症などを発症する。

「代謝」から見た高血糖

「代謝」がわかれば身体がわかる」の説明

血中にグルコースが余計にあると,その反応性からロクなことはない。高血糖は万病の元といっても過言ではない。かといって,全くなければいろいろ支障が出る。血糖値は程良い数値を常にキープしなくてはならないのだ。

血糖値の調節に関係する事項は,細かいところを含めれば,極めて複雑な機構が満載なのだが,ここでは本質的な部分のみで話を進める(図1参照)。

グルコースの形と血糖値の上下

グルコースはに,体内では主に3つの形で存在している。

1つ目は,血液を流れている「グルコース」。これは,「グルコースそのままの形」であり,血糖値はこのグルコースの濃度のことを指す。2つ目は,「細胞内反応型グルコース」。具体的には「グルコース‐6‐リン酸」である。解糖系でも登場する細胞内で様々な反応に進む時の形態だ。そして,実質的に,このグルコース‐6‐リン酸の細胞内での増減が,血糖値を決める鍵となる。3つ目は,「貯蔵型グルコース」の「グリコーゲン」。グルコースの外部からの供給が止まった場合,このグリコーゲンが分解してグルコースになる。

「血糖値を下げる」場合,グルコースが血液中で勝手に分解するわけではなく,血中のグルコースが細胞内へ取り込まれ,「グリコーゲン」あるいは「脂肪酸」になることによって,結果的に血中のグルコース濃度が低下するのだ。

逆に,「血糖値を上げる」場合は,グリコーゲンが分解したり,アミノ酸からの糖新生が進んだりして,細胞外へグルコースが放出されて,血糖値が上昇する。どちらの方向に進むにも,それぞれの反応を進める複数の酵素がある。

そして,血糖値の上昇・減少の方向性を決めるのがホルモンである。血糖値に関するホルモンは,間脳の視床下部,又はホルモンを分泌する分泌腺が血糖値を感知して,どの自律神経(交感神経と副交感神経)の命令を出すか,どんなホルモンを分泌するかを決める。血中に放出されたホルモンは,各細胞に「どういう方向の代謝に進むべきか」の情報を伝達する。そして,各細胞の代謝が変わり,結果的に血糖値の変化が起きる。

血糖値を下げる仕組み

では,血糖値を下げる方を見てゆこう(図2)。

食事で大量の糖質(グルコース)が入ってきた場合,まずは血糖値を適正な値に戻す必要がある。一時的に高血糖になった血液の状況は,視床下部および膠臓が認識して,副交感神経が血糖値を下げる方向に情報を伝達する。その結果,インスリンが腎臓から血液中に分泌される。各々の細胞の表面にはインスリン受容体があり,細胞がインスリンを認識すると,それがきっかけとなって血糖値を下げる方向で代謝が進むことになる。

特に肝臓の細胞では,グリコーゲン合成を促進する方向へ代謝が進む。インスリンによって活性化された細胞内の情報伝達物質は,グルコースを細胞内に取り込むように働き,ヘキソキナーゼによってグルコースはグルコース‐6‐リン酸となる。

インスリンによるシグナルは,さらにリン酸基のついた不活性型の酵素,グリコーゲンシンターゼを脱リン酸化させる。すると,活性型のグリコーゲンシンターゼになる。脱リン酸化による酵素活性の調節である。そして,グルコースの貯蔵形態であるグリコーゲンが次々と合成されてゆく。

一方で,活性型ホスホリラーゼを脱リン酸化させて不活性型ホスホリラーゼにして,グリコーゲン分解の反応の阻害もする。すなわち,脱リン酸化によって,グリコーゲンの合成は促進され,分解は阻害される結果,細胞内のグルコース濃度は減少してゆく。減少すれば,さらに外部からグルコースが取り込まれる。

ただし,肝臓以外の細胞では,グルコース‐6‐リン酸が過剰になった場合,グルコースー6‐リン酸によるアロステリック効果によって,ヘキソキテーゼの活性が低下してゆき,必要以上のグルコースの取り込みが起こらないようになる。しかしながら,肝臓ではこのアロステリック効果が起こりにくい。なぜか?

酵素の構造の違いもあるが,肝臓においては,グルコース‐6‐リン酸から脂肪酸合成の方向もあるからだ。つまり,脂肪酸合成の材料として,肝臓の細胞はいくらでもグルコースを取り込むことができるのだ。インスリンが肥満ホルモンといわれる所以である。

問題の所在と実践

問題は,「各々の細胞の表面にはインスリン受容体があり,細胞がインスリンを認識すると,それがきっかけとなって血糖値を下げる(グルコースを取り込む)方向で代謝が進む」のに,インスリン濃度低下(インスリンの不足)と,インスリン耐性(インスリン抵抗性)が生じる(グルコースの取り込みが阻害される)ことである。

これを基本に何をすべきかを考えたい。インスリンの不足(濃度低下)は,簡単にいえば,食べ過ぎ,運動不足が続き,過剰な血糖処理のために常時インスリンが作り続けられ,結果,膵臓が疲弊したこと,インスリン抵抗性は,内臓肥満が原因のようだ。上記図2を見ればわかるように,これはいずれもグルコースが細胞に入る入口の話だ。ただし「最新版糖尿病は薬なしで治せる」(者:渡邊昌。以下「最新版薬なし」と略称する。)の中に,運動によってインスリンによらなくても(AMPキナーゼの働きで)グルコースが細胞に入る旨が指摘されているので,この限りで入口が広がることになる。あとはグルコース(カロリー)の摂取量と,AMPの生産量(運動量)の話だが,ここは整理しないと混乱する。

「最新版薬なし」(旧版は,平成16年刊行の「糖尿病は薬なしで治せる」)は,糖尿病と宣告された医師である著者が「薬に頼らず,食事と運動だけで治す!」ことを志し,頻繁に血糖値を測定しながら,食事と運動の効果を検証しつつ,(ほぼ)糖尿病を克服したという,優れたレポートであった。

最近旧版を読み返してみて,少し説明が古いかなと感じ,改定されていないかなあと探してみると,「最新版薬なし」にアップデートされていた。最新版の帯は「食事と運動でここまでできる!」となっていて,「食事と運動だけで治す!」から後退している。内容をみると,どうも著者は,高血糖の状態が再発したらしく,インスリンも使用しているようである(原因はs高齢化とあるが,「外食は半分残す」,「甘いものは食べない」がおろそかになったようだ。)。そうであっても,糖尿病合併症の発症は阻止しているので,十分な実践であろう。ただ最新版は部分的に新しいことがバラバラと付け加えられているので,旧版にくらべてわかりにくなっている(なおこの本には,結構,逸脱気味の記述もある。断食,西式健康法…私は昔はそんな世界が好きだったけれど。)。それで上記のような整理をしてみようと思い立った。

あとは,「最新版薬なし」の各記述について,上記の整理のどこに引っかかる問題かということも興味深いので,今後,記述を追加したい。