「読解力」から見えるAIと人を分かつもの

読解力ブーム?

「読解力」がブームである。 といっても,それはもっぱら私の読書範囲に限られるのかもしれないが,私は,最近,「国語ゼミ―AI時代を生き抜く集中講義」(著者:佐藤 優)(Amazon),「大人のための国語ゼミ」(著者:野矢 茂樹)(Amazon),そして「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」(著者:新井 紀子)(Amazon)に目を通した。

前二書は,文字どおり,国語(要約力や読解力)の重要性を説き,新井さんの本は,柱となる主張の一つとして,中高生は各学科の学力以前に,教科書の説明や問題を問う文が理解できていないのではないかということを指摘している。

大体,学者や知識人は,年をとると,国語や国が大切だと言い始めるので,その意味では珍しくないともいえるし,私の中で「読解力」とは,できの悪い日本語の文章を何とか理解するためのやむを得ない技術という思いもあって,「読解力」を持ち上げることには抵抗もあったのだが,新井さんの本が参戦したことにより,ずいぶんと違った景色が見えてきた。

新井さんは,人工知能(人の知能と同等の機能を有するもの)と,それを実現するためのAI技術を区別し,AI技術がそこそこ進展しても,人工知能はできない,なぜなら,AI技術を支えるものは,加算と乗法の数学だから,それでできることは限られる,人間の脳,自然言語の機能を,数学がカバーすることはおおよそありえないと,明快に断言する。

一方,新井さんは,AIによる東大入試合格を目標とする「東ロボ」プロジェクトをプロデュースしたことでAI讃美派と見られているかもしれないが,実はこれは最初から「東ロボ」は東大に合格できないということを明らかにするためのプロジェクトであった,ただ多くの人の知恵と協力によってAI技術を駆使してMARCH入試の合格のレベルに達したが,これ以上は無理ということのようだ。

そして人間の知能は,数学に支えられたAI技術ではとてもカバーできないが,MARCH入試の合格レベルの仕事であればAI技術が到達したから,「コンピュータが仕事を奪う」(Amazon)。これは新井さんが最初に言い出したことだとしている。そしてそれにつけても,中高生は(したがって多くの大人も),教科書の説明や問われている問題文が理解できていないので,暗記で表面を繕っても,AI技術に代替されることになる,だから「読解力」…という議論の運びになる。

AIと自然言語による論証

私はこれまで,そこそこAI論に目を通してきたが,新井さんの本は今回はじめて読んだ。最初からこういう見取り図が得られていれば,全体の動きや今後の方向性に関する理解がずっとはやかったなと思った。AI技術を支えるプログラミングが,数学による計算によっている以上,それがAI技術にできる限界であることに疑問の余地はない。ただ数学が適用可能な分野では,今のAI技術が,圧倒的なスピードで量を処理できることには日々驚かされる。ここらあたりは「数学の言葉」(Amazon)を含めた新井さんの3册の本と,もう少し技術的な本でフォローすればよいだろう(例えば「新人工知能の基礎知識」(著者:太原 育夫)(Amazon)。

一方,自然言語で主力となるのは,帰納的論証だ。これまで読んだ「論理学」の本は,演繹的論証(記号論理学)について書いているだけで,帰納的論証は飛躍があって,あまり使えないよねという記述しか目に入ってこなかったが,今回,自然言語による論証は,そのほとんどが帰納的論証であることに気がついてみると,これが「読解力」,そして「表現力」の本丸だということがわかる。

論証というと,相当以前から,上記の野矢さんの「新版 論理トレーニング」(Amazon)という本があり,私も購入していたが,接続詞を入れさせようとするところで嫌になった。接続関係と,接続詞は違う。野矢さんにはどうもその感覚がないようだ。接続詞の機能は複雑である(「文章は接続詞で決まる」(著者:石黒圭))(Amazon)。

そこであれこれ探していると,「論理的思考の最高の教科書」(著者:福澤一吉)(Amazon)という本が紹介されていることを見つけたが,なんと私はこれを既に購入していた。そのときは一瞥してあまり感心しなかったが,今回読み直してみると,論証の全体を網羅しているわけではないが,部分的にはとても優れた考察がなされていることが分かった。同著者のKindle本には他に,「文章を論理で読み解くための クリティカル・リーディング 」(Amazon),「新版 議論のレッスン」(Amazon)がある。これらはそれぞれに優れているが,著者の欠点は,それぞれに小出しして全体を網羅しないこと,あるいは体系性への情熱が欠けていることだ。

ところで福澤さんの論証論を一言でいえば,根拠(Data)→論拠(Warrant)→主張(Claim)ということだが,ほぼ同じことを英文読解の場面で横山横山雅彦さんがいっている(「ロジカル・リーディング」(Amazon),「「超」入門! 論理トレーニング 」(Amazon))。これらは,ディベートでも強調されていることだ。

そしてこれらのバックになるのが「議論の技法」(スティーヴン・トゥールミン)(「The Uses of Argument by Stephen E. Toulmin)(Amazon)だ。ただ翻訳書は絶版でずいぶん高い値段がついている。

論理的な論証を心がけるには,これらの議論のポインを押さえる必要がある。追って要約して紹介したい。

論理的に論証してどうなるのか

ところで論理的な論証はそれ自体はいいことであることに間違いはないが,問題はそのような論証による結論が,どう「問題解決と創造」の役立つかだ。でたらめな論証による結論が役立つことだってありうる。役立つためには,論証過程だけではなく,その前提となる根拠(Data),論拠(Warrant)が重要だ。これらは,適切な手続きによって導かれた「世界」に関する科学的な知識といっておくが,それがどのようなものであるかについては,どうも分析哲学を一瞥する必要があるかもしれないと思っている(「現代存在論講義ⅠⅡ」(著者:倉田剛)(Amazon)。

こんなことをしていると,いつまでたっても「問題解決と創造」にたどり着かない。いやほぼ「問題解決と創造の方法と技術」にたどり着きつつあると言っていいだろうか。ここからが長いか?

 

 

問題解決と創造の<現場と思考>を考える

この投稿は,固定ページ「問題解決と創造の方法と技術」に新しく追加した部分を投稿したものです。固定ページの方はその内容を,適宜,改定していきますので,この投稿に対応する最新の内容は,固定ページ「問題解決と創造の方法と技術」(固定ページにリンク)をご覧ください。

問題解決と創造の<現場と思考>

問題解決と創造の方法と技術を身につけ実践する前に,実践する現場(環境:自然とテクノロジー)について大まかに理解し,かつ創造の方法と技術を操作する主体である個人と組織の思考の特質(非合理性と合理的な推論と意思決定)について理解しておくことは意味あることだろう。もっともここに深入りすると,現場での問題解決と創造に至る前にそこをぐるぐる回りするけで終わってしまうということは,「知識人」,「教員」だけでなく「科学者」にもありがちなことだ。

現場(環境:自然とテクノロジー)を知る

現場(環境:自然とテクノロジー)を知るには,まず中学,高校レベルの「教科書」に目を通すのもよいが(ブルーバックスに「新しい高校の…教科書」シリーズ(Amazon)や,「発展コラム式中学の理科の教科書」シリーズ(Amazon)がある。),理科が苦手な大人向けに雑多な知識を集めたより読みやすい「入門書」に目を通すのがよいだろう。

そのような本はたくさんあるだろうが,たまたま私が最近購入したというだけだが「もう一度学びたい科学」(Amazon)からはじめてみよう。PART.1の「科学の大原理・大法則」は何とか分かるかな。PART.2の「ニュースがわかる科学の基本」の「生命の科学」,「気象の科学」,「エネルギーと環境の科学」,「宇宙の科学」だけでは全く物足りない。

まず1点目に「化学」分野はまったく抜けているので,ここは私の本棚にあった「ぼくらは「化学」のおかげで生きている」(著者:齋藤勝裕)(Amazon)でカバーすることにしよう。実際私たちの生活では「物理」はテクノロジーとして商品に封じ込められているので商品の使用法さえ分かればよいことが多いが,私のような「化学音痴」は,身の回りの物質のこと,食品のこと,生物の体のこと等々,なかなか理解するのが困難だ。炭素と水素が分かればまあいいか。

2点目に生命の歴史もない。そこで「系統樹をさかのぼって見えてくる進化の歴史 僕たちの祖先を探す15億年の旅」」(著者:長谷川政美 )(Amazon)の写真と曼陀羅図を楽しもう。ホモサピエンス代表は,著者のお孫さんだ。もっとも,本書には,真正細菌,古細菌ドメインには触れられておらず,最初の分岐は「シャクナゲとヒトの共通祖先」からだ。それについては,「たたかう植物 仁義なき生存戦略 」(著者:稲垣栄洋)(Amazon)の「植物vs.病原菌」に「トコンドリアと共生した生物の一部が,次にシアノバクテリアと共生して葉緑体を手に入れた。こうして,ミトコンドリアのみを持つ動物と,ミトコンドリアに加えて葉緑体を持つ植物が誕生したのである」とあり,イメージしやすい。もっともこの本の内容は豊富であり,植物,いや生命を理解するためにぜひとも一読すべきであるので追って紹介しよう(ただ類書は多い。)。

3点目に「地球の歴史,自然」もまったく不十分だ。これについては「地球とは何か 人類の未来を切り開く地球科学」(著者:鎌田 浩毅)(Amazon)が,まだ速読しただけだが,網羅的でよさそうだ。ただ過去の地震歴から,」2020年から2030年にかけて「関東中央圏での直下型地震」,「南海トラフ巨大大地震」が起こる可能性があるとしていて衝撃的だが,どうなんだろう。もう少し読み込んでみよう。

さて,以上に加えて「眠れなくなるほど面白い図解物理の話」(著者:長澤 光晴)(Amazon) ,「眠れなくなるほど面白い図解科学の大理論」(著者:大宮 信光 )(Amazon) には,もう少し突っ込んだ内容が記述されており,これらに親しみ,科学全体を通観できれば,しろうと科学者の端くれになれよう(なおこのシリーズには,化学,生物,宇宙等もあるが,内容,レベルはまちまちのようだ。)。

科学分野にはこれに引き続いて読むべき興味深い本は多い。「環境:自然とテクノロジー」(固定記事にリンク)に,少し紹介している。

個人と組織の思考の特質(非合理性と合理的な推論と意思決定)について知る

「不合理~誰もがまぬがれない思考の罠100」(著者:スチュアート・ サザーランド)

ここでは問題解決と創造の方法と技術を検討する前に,ヒトと組織(の中のヒト)の思考の特質(不合理性)について,丁寧にきちんと整理して論じている「不合理~誰もがまぬがれない思考の罠100」(著者:スチュアート・ サザーランド)(Amazon) をあげておきたい。著者は,サセックス大学の心理学教授であったが1998年に亡くなっており,本書の刊行は1992年で30年近い前である(しかしKindle本の刊行,翻訳等は最近行われているようだ。)。しかし内容は非常にしっかりしており,かつ著者の表現は機知に満ちていて,読んでいて楽しい。本書刊行後,ネットの普及等でヒトと組織(の中のヒト)の思考の不合理性は強まっているが,ネット普及前の「原型」はどうだったのかという観点から捉え,現状をその「変容」と見ればいいだろう。本書は近々「本の森」で紹介したいが,著者が「序章」で本書の構成について述べている部分だけも紹介しておきたい。

「こうした本では,序章の締め括りで,各章の要約を述べるのが約束事になっている。読者が本書を読まないでもすむように,ここで内容を要約するほど私は親切ではないが,全体の構成だけ簡単に説明しておこう。2章(誤った印象)では,人が判断ミスをおかす最もありふれた原因を述べる。その後に詳しく見ていく不合理な思考の多くにこの原因が絡んでいる。続く七つの章(服従,同調,内集団と外集団,組織の不合理性,間違った首尾一貫性,効果のない「アメとムチ」,衝動と情動)では,不合理な判断や行動をもたらす社会的要因と感情的要因を見ていく。10章から19章まで(証拠の無視,証拠の歪曲,相関関係の誤り,医療における錯誤相関,因果関係の誤り,証拠の誤った解釈,一貫性のない決断・勝ち目のない賭け,過信,リスク,誤った推理)は,事実をねじ曲げてしまうために陥る誤りを扱い,それに続く二つの章(直感の誤り,効用)では,手元にある情報の範囲内で,少なくとも理論上は最善の結論を出せるような方法を述べ,そうした方法で出した結論と直感的な選択とを比較して,直感がいかに当てにならないかを示す。22章(超常現象)では,それまでに述べてきた誤りのいくつかを振り返り,超常現象やオカルト,迷信がなぜ広く信じられているかを考える。最終章(合理的な思考は必要か)では,ヒトの進化の歴史と脳の特徴から,不合理な思考をもたらす根源的な素地を考え,併せて合理的な判断や行動を促すことが果たして可能かどうかを考える。そして最後(合理的な思考は必要か)に,「合理性は本当に必要なのか,さらには,合理性は望ましいのか」を考えてみたい。」。

なお著者は合理性について次のように言っている。

「合理性は、合理的な思考と合理的な選択という二つの形をとる。手持ちの情報が間違っていないかぎり、正しい結論を導き出すのが、合理的な思考だと言えるだろう。合理的な選択のほうはもう少し複雑だ。目的がわからなければ、合理的な選択かどうか評価できない。手持ちの情報をもとにして、目的を達成できる確率が最も高い選択が合理的な選択と言えるだろう。」。

「思考と推論: 理性・判断・意思決定の心理学」(著者:ケン マンクテロウ)

「思考と推論: 理性・判断・意思決定の心理学」(著者:ケン マンクテロウ)(Amazon) は,人間の実際の思考を踏まえて,合理的な推論と意思決定について検討した本である。著者は,イギリスの心理学者である。少し前に入手していたが,古典的三段論法,「ならば」,因果推論,確率的説明,メンタルモデル理論,二重過程理論,帰納と検証,プロスペクト理論等,感情,合理性,個人差や文化の影響がもたらす複雑さ等,幅広く検討していて,「思考と推論」を考える上では必須の本であると思っていた。ただ問題はここに入り込むと,出てこられなくなることである。ほどほどが大事だ。

問題解決と創造への出発

以上を踏まえた上で,問題解決と創造のために,どのように頭と心を働かせるべきなのか。

以下,「問題解決と創造の方法と技術」の「固定ページ」に続く。

 

 

このWebは工事中です→完了

この3連休(2018/7/14~16),孫娘と海に行こうと思っていたが,彼女に少し咳が出るのでやめ,猛暑なのでクーラーをかけた部屋に閉じこもり,本を読んだり,パソコンでこのWebをいじっていたりしていた(孫娘はおもちゃのピアノを弾いたり,メルちゃんを見ていたりしていた。)。

知的生産の本(知的生産とその技術 Classic 10選)を紹介している倉下忠憲さんに「ドラッカーに学ぶブログ・マネジメント」というKindle本があったので目を通してみると,なるほどということが書いてある。

そこで早速このWebサイトの目的を考え直し,構成を見直す作業に着手したが,自宅のパソコンは安物なので,画面が小さく遅いので作業が進まない上,夕方には孫娘と庭でバーベキューをして一杯やったので,作業中止。

結果,このWebサイトは工事中で,見苦しい状態になっている。速やかに手を加えますので,ご容赦を。ということで翌火曜日(7/17)に手を加え,おおむね,何とか見ることができる状態となった(だろう)。

ところでWordPressの固定ページの構成を見直す時ネックになるのが「順序」の番号を書き直す必要があるということだ,実はこれがとても面倒くさい。

そこで固定ページの「順序」を書き直すプラグインがないかと検索してみると「Intuitive Custom Post Order」というものがあった。これは,固定ページの並び順をドラッグ&ドロップで任意の順に変更ができるプラグインということだ。投稿・カテゴリー・タグの並べ替えもできるようだ。

固定ページの「順序」との関係が分からなかったが,どうもドラッグ&ドロップで並び替えると「順序」も書き直されるようだ。なかなか思いどおりにならないこともあるが,そういうときは,「順序」を書き直す方が早いようだ。カテゴリーの順序も入れ替えられるので,もとからのプラグインはいらなくなった。

 

「創造はシステムである」を読む

~「失敗学」から「創造学」へ 著者:中尾政之

原因,結果,因果関係

ある分野の学問的な解明は,ある事象(ものごと)についてなぜその「結果」が生じたのか,「結果」に因果関係のあるその「原因」は何かという形をとることが多い。著者の「失敗学」も,その典型であろう。

しかしこれをひっくり返して,ある「結果」を生じさせるためにはどのような「原因」を設定し,実行すればよいかを考察するのが,著者の「創造学」である。ただ著者は,機械工学畑のエンジニアなので,話題は,モノ作りの話が中心になるが,それに限られているわけではない。

著者は,創造(著者の定義は「自分で目的を設定して,自分にとって新しい作品や作業を,新たに造ること」)の過程を,「思い」(願望)→「言葉」(目的)→「形」(手段)→「モノ」(アクションプラン)ととらえ,まず「目的」を言葉として設定することが重要だとする(これが「出力」となる「結果」である。)。そしてその「原因」となる「入力」を<「形」(手段)+「モノ」(アクションプラン)>と捉え,その具体的な内容を「思考演算子」を適用して検討していく。

本書の概要

筆者の言葉を借りれば本書は,①「いつもと違うことを何かやってやろう」と勇んで創造するために,「その〝何〟とは何なのか」を考えることで要求機能を列記し(なお環境に制約されるので仕方なく達成しなければならない消極的要求機能を「制約条件」という。),②次にその〝何〟を実現するための設計解を,「いつものワンパターンの思考演算」を使って創出し,③さらに「あちらを 叩けばこちらが立たず」の干渉が生じる要求機能を整理することで,互いに独立で最少の数の要求機能群を設定し,④最後に,複雑な状況下で創造するとき,どのように組織(モジュラーとインテグレイテッド)を構築すれば成功率が高まるかを検討するという内容である。

①③の目的の設定,整理,②の設計解を求める思考演算が,二つのポイントである。そしてまず頭に叩き込むべきことは,②の思考演算である。

設計解を求める思考演算

筆者は,旧ソ連の特許を解析して発明者の頭の動きの共通性を抽出したと言われているTRIZ(トゥリーズ)という技法の「教科書を読んで簡単な思考演算子をいくつか覚える」と,容易に新しい設計解を導くことができという。

そして筆者は,ある調査により全体の98%を占めた技法のトップ12を紹介し,1から5までについて詳細に説明している(第2章)。

1.挿入付加(20%),第3物質,第3機能,複合物質
2.分割(19%),機能分離,並列化,オフライン化,副次排除
3.変形(13%),回転,相似,対称,交互,ベクトル分割
4.交換(9%),反転,内外,前後,左右,入出力,因果,動静
5.流線(8%),アナロジー,等角写像,駄肉そぎ,デッドスペース
6.合体(5%),集合,一体化,付加,加算,乗算,相乗効果
7.変換(5%),作用変換,時間関数化
8.電磁場(4%),場の挿入
9.相変化(4%),凍結化
10.表面改質(4%),表面処理
11.独立化(3%),非干渉化
12.冗長化(3%),市販品利用,安全対策

著者は,「設計解は必ず存在する」とし,これらの技法がうまくいかない場合の二つの原因として「自分の課題を一般化・抽象化できない」,「一般的な設計解が提示されたのにその知識を自分の課題に特殊化,具体化して適用できない」ことを指摘する。

とにかく本書の第2章は,特に「文科系」のひとはあまり目にしないことなので,よく読んで頭に叩き込むのがよい。

システムは可視化できる

しかし,要求機能を列記しこれを満足する設計解を求めてもうまくいかない場合に「自分が何をやりたいのか,何を作りたいのかがよくわからず,考えが整理されていない」ことがある。どうやって整理するか。

要求機能はいくらでも列記できるので,まず下位の類似機能を上位の概念でくくって上位機能に合体する,機能が実現すると従属機能と効果も自動的に成立する,上位の設計解が決まると下位機能が決まるということで,整理すると,要求機能を半数から4分の3程度には,減らすことができる(要求機能が漏れている方が気づくのが大変である。)。その上で,要求機能と設計解の関係を示すとすっきりするが,設計解が別の要求機能に干渉して,達成できないものも存在する。

日本では「すり合わせ生産は日本の強み」などといって「干渉設計」が好まれてきたが,「干渉」は失敗の原因の多くを占める。要求機能が干渉している場合,設計行列は非対角成分が存在する行列になるので,すべての解が一括して定まり,設計条件がひとつ変更されても,設計解がすべて変わることになる。トラブルを起こさないようにしたいのなら,干渉が起きないような「独立設計」を目指すべきだ。

ここまでが,「問題解決の創造と方法」の基本である。

著者は日本の現状を踏まえ,「干渉設計」とそれを支える「インテグレイテッド」組織について考察を進めるが,それは別の「問題解決」であろう。

なお以上の紹介は,大雑把すぎるので,今後,適宜,増補していきたい。

それと,以上の考察の目的(要求機能)は,対象が自分自身に向いていない。自分が何かを達成したい(ダイエット),何かをやめたい(酒,たばこ等々)という場合は,どう考えればいいのだろうか。例を酒をやめるということにして,「習慣の力」や「仕事・お金・依存症・ダイエット・人間関係 自分を見違えるほど変える技術 チェンジ・エニシング」等を参考にして考察してみよう。 

詳細目次

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IT・AI本がたまっていく

未読・半読・一読の本 5(18/07/06)

IT・IAの技術的な面とは別に,IT・AIがビジネス,文化,社会に及ぼす影響やその動向をしっかりと見きわめていこうと思い,あれこれ本を買ったり買おうと思ったりしているが,さすがにIT・AI本がたまる一方では視野から雲散霧消してしまうので,ここに備忘のために掲記しておこう。これらを「本の森」に紹介する日が来るであろうか。

ビジネス・法実務を支えるテクノロジーからみたIT

和書2冊を読む

ビジネススクールで教えている武器としてのITスキル グロービス経営大学院

エンジニアが生き残るためのテクノロジーの授業 著者:増井 敏克

英書2冊を読む

Tomorrow’s Lawyers: An Introduction to Your Future  :by Richard Susskind

Artificial Intelligence and Legal Analytics: New Tools for Law Practice in the Digital Age :by Kevin D. Ashley)

ITが切り開く社会を考える基礎となる4冊

この4冊は,重要な4冊だ。ポストキャピタリズムは,すでに「本の森」で紹介した。

限界費用ゼロ社会 ~〈モノのインターネット〉と共有型経済の台頭 著者:ジェレミー・リフキン

テクニウム ~テクノロジーはどこへ向かうのか? 著者:ケヴィン・ケリー

プラットフォーム革命 ~経済を支配するビジネスモデルはどう機能し、どう作られるのか 著者:アレックス・モザド, ニコラス・L・ジョンソン

ポストキャピタリズム  著者:ポール・メイソン

社会の行方を読む本4冊

これについては,すでに簡易な目次だけだが,「本の森」で紹介した。

誰もかれもが飛びつくAI・IT本

最近の和書だが,時流に乗っただけか,核心を突く内容か。最初の2冊以外は,購入済み。

ブロックチェーンをめぐる実務・政策と法 著者:久保田 隆

AIの法律と論点 著者:福岡 真之介

ロボット・AIと法 著者:弥永 真生他

弁護士が教える IT契約の教科書 著者:上山 浩

AI経営で会社は甦る 著者:冨山 和彦

実践フェーズに突入 最強のAI活用術 著者:野村 直之

その他

チューリングの考えるキカイ  ~人工知能の父に学ぶコンピュータ・サイエンスの基礎 阿部 彩芽, 笠井 琢美

ベイズ推定入門  ~モデル選択からベイズ的最適化まで 著者:大関真之

Pythonゲームプログラミング ~ 知っておきたい数学と物理の基本 著者:田中 賢一郎

人狼知能で学ぶAIプログラミング ~欺瞞・推理・会話で不完全情報ゲームを戦う人工知能の作り方 著者:狩野 芳伸

人工知能プログラミングのための数学がわかる本 著者:石川 聡彦

モデルベース要件定義テクニック 著者:神崎善司

 

 

「問題解決と創造の方法・技術」基本4書の詳細目次

「問題解決と創造の方法と技術」基本4書

詳細目次

新版[図解]問題解決入門~問題の見つけ方と手の打ち方 著者:佐藤 允一

目次

はしがき

1 問題とは何か

1 見える問題と見えない問題 /2 問題意識はどこからくるか /3 問題をとらえるものの見方 /4 目標と現状のギャップが問題 /5 「問題がない」という問題 /6 問題と問題点は異なる

2 問題を見つける

1 問題解決の当事者は誰か /2 問題はどのように確定するか /3 問題には三つのタイプがある /4 「すでに起きている」という問題 /5 「今より良くしたい」という問題 /6 「この先どうするか」という問題

3 問題を組み立てる

1 問題の「仕組み」を考える /2 問題は環境変化から /3 方針は目標達成の方法論 /4 目標を具体的な課題とする /5 課題達成の手段と活動 /6 課題達成を妨げる条件

4 問題点を挙げる

1 見える障害と見えない障害 /2 突然発生した不可抗力的な障害 /3 「打つ手がまずかった」という問題点 /4 「やり方がまずかった」という問題点 /5 「自分の手に負えない」という問題点 /6 できる範囲とできない範囲

5 解決策を考える

1 対策はアイデアではない /2 目標を修正する必要はないか /3 応急処置としての当面策 /4 戦術レベルの根本策 /5 戦略レベルの根本策 /6 解決策に優先順位をつける

[事例研究]急激な円高! 売上減少

 

創造はシステムである

~「失敗学」から「創造学」へ」 著者:中尾政之

第1章 創造は要求から

1 試しに創造してみよう

2 思いを言葉にしよう

3 創造を言葉で示すのは難しい

4 日本の企業は以心伝心が大好きだった

5 夢を言葉にして語れば,必ず実現する

6 目的を定量的に設定しよう

7 明治以来,要求機能も輸入してきた

8 リサーチとソリューションを分離してみょう

9 要求機能を列挙してみょう

10 不況時に研究室をどうやってサバイバルさせるか

11 目的を持つには,生きる力が必要である

第2章 思考方法はワンパターン

1  簡単な思考演算を用いると,新たな設計解か導ける

2 「凍結させる」の思考演算を使う

3 思考演算子を用いるには,思考の上下運動が不可欠である

4 TRIZを用いて思考を上下運動させる

5 頻繁に用いる思考演算子にはどのようなものがあるのか

6 挿入付加の思考演算子の応用-第3物質の挿人

7 分割の思考演算子の応用-機能分離,並列化,副次排除

8 変形・交換・流線の思考演算子の応用-逆さにする

9 困ったときは,思考演算をやってみよう

第3章 システムは可視化できる

1 要求機能を整理しないと,創造したいものの全体像がわからない

2 ジャガイモ皮剥ぎ器の要求機能をあげよう

3 干渉を逆手にとって成功させよう

4 組織間で干渉が生じて,コミュニケーションエラーが起きる

5 いまどきの干渉管理をやってみよう

第4章 真似ができない創造化

1 干渉設計よりもわかりにくい複雑設計が続々と生まれた

2 人智を超えるような複雑な設計で失敗する

3 モジュラーとインテダレイテッドで戦わせてみよう

4 干渉が大好きな日本の大企業はどうやって失敗を減らすか

5 外見は面倒,中身は単純,真似ができない創造化

6 インテグレイテッドな頭の使い方が中小企業の武器である

7 高級レストランは インテグレイテッドである

8 世の中には インテグレイテッドとモジュラーの両方が必要である

おわりに

 

アイデア大全

~想像力とブレイクスルーを生み出す42のツール 著者:読書猿

まえがき  発想法は人間の知的営為の原点

第Ⅰ部 0から1へ

第1章 自分に尋ねる

01 バグリスト Bug Listing 不愉快は汲めども尽きぬ発想の泉

02 フォーカシング Focusing 言葉にならないものを言語化する汎用技術

03 TAEのマイセンテンスシート Thinking at the Edge My Sentence Sheet 何を書くかを身体に尋ねる

04 エジソン・ノート Edison’s Notes 発明王はここまでやる、1300の発明をもたらした3500冊

05 ノンストップ・ライティング Nonstop Writing 反省的思考を置き去りにする

第2章 偶然を読む

06 ランダム刺激 Random Stimuli 偶然をテコに、枠を越える最古の創造性技法

07 エクスカーション Excursion 手軽に大量のアイデアが得られる発想の速射砲

08 セレンディピティ・カード Serendipity Cards 幸運な偶然を収穫する

09 フィンケの曖昧な部品 Finke’s Ambiguous Parts 創造性の実験から生まれたビジュアル発想法

第3章 問題を察知する

10 ケプナー・トリゴーの状況把握 Situation Appraisal 直感を思考のリソースにする、懸念の棚卸し法

11 空間と時間のグリッド Space/Time Grid 異なるスケールを探索し、問題とその兆しを察知する

12 事例-コード・マトリクス Cases/Codes Matrix 質的データを深掘りし仮説を見いだす

第4章 問題を分析する

13 P.K.ディックの質問 P.K. Dick’s Question 常識と日常を叩き割る最凶の問い掛け

14 なぜなぜ分析 Ohno Method トヨタ生産方式を産んだ「カイゼン」由来の思考ツール

15 キプリング・メソッド Kipling Method 5W1Hという万能思考

16 コンセプト・ファン Concept Fan 水平思考の開発者による、思考の固着を剥がすスクレイパー

17 ケプナー・トリゴーの問題分析 Problem Analysis Why (なぜ)をWhat/When(いつ何が)に変換する

第5章 仮定を疑う

18 仮定破壊 Assumption Busting 発想の前提からやりなおす

19 問題逆転 Problem Reversal 発想の狭さを自覚させる簡易ゲージ

第Ⅱ部 1から複数へ

第6章 視点を変える

20 ルビッチならどうする? How would Lubitsch have done it ? 偉大な先人の思考と人生を我がものにするマジックフレーズ

21 ディズニーの3つの部屋 Disney’s Brainstroming 夢想家ミッキー・実務家ドレイク・批評家ドナルドダックで夢想を成功に結びつける

22 ヴァーチャル賢人会議 Hall of Fame 発想法の源流にまで遡る、方法としての私淑

23 オズボーン・チェックリスト Osborn’s Checklist ひらめきを増殖させるアイデア変形の十徳ナイフ

第7章 組み合わせる

24 関係アルゴリズム Crovitz’s Relational Algorithm 認知構造の深い部分で働くメタファーの力を、活発にし利用する

25 デペイズマン Dépaysement シュルレアリストが駆使した奇想創出法

26 さくらんぼ分割法 Cherry Split 軽便にして増減自在の、新世代型組み合わせ術(アルス・コンビナトリア)

27 属性列挙法 Attribute Listing 潜在的な記憶宝庫を賦活化し使い倒す

28 形態分析法 Morphological Analysis 鬼才天文学者が開発した総当たり的発想法

第8章 矛盾から考える

29 モールスのライバル学習 Morse learns the enemy あえて避けているところはないか?そこに探しているものはないか?

30 弁証法的発想法 Dialectical Thinking 矛盾や対立こそ創造的発見のヒント

31 対立解消図(蒸発する雲) Evaporating Cloud 組織/社会の問題から個人の悩みまで、対立/ジレンマを解体するスキナーナイフ

第9章 アナロジーで考える

32 バイオニクス法 Bionics 何十億年の自然淘汰が磨いた生物の持つ優れた「知恵」を我がものにする

33 ゴードンの4つの類比(アナロジー) Gordon’s Analogies 問題解決過程の録音と分析から抽出されたシネクティクスの中核技法

34 等価変換法 Equivalent Transforming Thinking アナロジー発想法の最終到達

35 NM法T型 NM Method T type 4つの質問で自分の中のリソースを違うやり方で読み出す、アジャイルなアナロジー発想法

36 源内の呪術的コピーライティング Gennai’s Branding 世に呪術(まじない)の種は尽きまじ

37 カイヨワの〈対角線の科学〉 Science Diagonale 分野の仕切りを貫通する、最も長い射程を持つアナロジー法

第10章 パラフレーズする

38 シソーラス・パラフレーズ Thesaurus paraphrase 類語辞典を発想の支援ツールにする

39 タルムードの弁証法 Dialectics of the Talmud すべてを失ったユダヤ人が生きのびるために開発したテクスト解釈法

第11章 待ち受ける

40 赤毛の猟犬 Rolling in the grass of ideas アイデアの原っぱで転げ回る

41 ポアンカレのインキュベーション Poincare’s Incubation すべてはここから始まった、発想法/創造性研究の源流

42 夢見 Dream Works 夜の眠りを味方につける

アイデア史年表

 

問題解決大全

~ビジネスや人生のハードルを乗り越える37のツール 著者:読書猿

まえがき 問題解決を学ぶことは意志の力を学ぶこと

本書の構成について

第Ⅰ部 リニアな問題解決

第1章 問題の認知

01 100年ルール THE 100-YEAR RULE 大した問題じゃない

02 ニーバーの仕分け NIEBUHR’S ASSORTING 変えることのできるもの/できないもの

03 ノミナル・グループ・プロセス NOMINAL GROUP PROCESS ブレスト+投票で結論を出す

04 キャメロット CAMELOT 問題を照らす理想郷という鏡

05 佐藤の問題構造図式 SATO’S PROBLEM STRUCTURE SCHEME 目標とのギャップは直接解消できない

06 ティンバーゲンの4つの問い TINBERGEN’S FOUR QUESTIONS 「なぜ」は4 種類ある

07 ロジック・ツリー LOGIC TREE 問題を分解し一望する

08 特性要因図 FISHBONE DIAGRAM 原因と結果を図解する

第2章 解決策の探求

09 文献調査 LIBRARY RESEARCH 巨人の肩に乗る

10 力まかせ探索 BRUTE-FORCE SEARCH 総当たりで挑む万能解決法

11 フェルミ推定 FERMI ESTIMATE 未知なるものを数値化する

12 マインドマップ® MIND MAPPING® 永遠に未完成であるマップで思考プロセスを動態保存する

13 ブレインライティング METHODE635 30分で108のアイデアを生む集団量産法

14 コンセプトマップ CONCEPT MAP 知識と理解を可視化する

15 KJ法 KJ METHOD 混沌をして語らしめる、日本で最も有名な創造手法

16 お山の大将 KING OF THE MOUNTAIN 比較で判断を加速する

17 フランクリンの功罪表 MERIT AND DEMERIT TABLE 線1 本でつくる意思決定ツール

18 機会費用 OPPORTUNITY COST 「選ばなかったもの」で決まる

19 ケプナー・トリゴーの決定分析 DECISION ANALYSIS 二重の評価で意思決定する

第3章 解決策の実行

20 ぐずぐず主義克服シート ANTI-PROCRASTINATION SHEET 先延ばしはすべてを盗む

21 過程決定計画図 PROCESS DECISION PROGRAM CHART 行動しながら考える思考ツール

22 オデュッセウスの鎖 CHAIN OF ODYSSEUS 意志の力に頼らない

23 行動デザインシート BEHAVIOR DESIGN SHEET 過剰行動の修正は不足行動で

第4章 結果の吟味

24 セルフモニタリング SELF MONITORING 数えることで行動を変える

25 問題解決のタイムライン PROBLEM SOLVING TIMELINE 問題解決を時系列で振り返る

26 フロイドの解き直し SOLVE AGAIN FROM SCRATCH 解き終えた直後が最上の学びのとき

第Ⅱ部 サーキュラーな問題解決

第5章 問題の認知

27 ミラクル・クエスチョン THE MIRACLE QUESTION 問題・原因ではなく解決と未来を開く

28 推論の梯子 THE LADDER OF INFERENCE 正気に戻るためのメタファー

29 リフレーミング REFRAMING 事実を変えず意味を変える

30 問題への相談 CONSULTING THE PROBLEM ABOUT THE PROBLEM 問題と人格を切り離す

31 現状分析ツリー CURRENT REALITY TREE 複数の問題から因果関係を把握する

32 因果ループ図 CAUSAL LOOP DIAGRAM 悪循環と渡り合う

第6章  解決策の探求

33 スケーリング・クエスチョン SCALING QUESTION 蟻の一穴をあける点数化の質問

34 エスノグラフィー ETHNOGRAPHY 現場から知を汲み出す

35 二重傾聴 DOUBLE LISTENING もう1つの物語はすでに語られている

第7章 解決策の実行

36 ピレネーの地図 A MAP OF THE PYRENEES 間違ったプランもないよりまし

37 症状処方 PRESCRIBING THE SYMPTOM 問題をもって問題を制する

問題解決史年表

 

 

WordPress 再再考

WordPressをカスタマイズする

WordPressのテーマをTwenty Elevenから,Lovecraftに変えてみたので,必要となるWordPressのカスタマイズの前提知識についてまとめておく。なお,テーマが変えられないとぐずぐずしていた半年ほど前に「WordPressを使う」を書たことを思い出したが,この記事に引き続いて読むと,全体像が分かりやすいだろう。

WordPressをカスタマイズする方法は,5段階に分けることができるとされている(「WordPressのツボとコツがゼッタイにわかる本」)。これは,WordPressのテンプレートである「テーマ」を使用することを前提にすると考えていいのだろう。

1「管理画面(ダッシュボード)だけを使ったカスタマイズ」,2「スタイルシート(CSS)を使ったカスタマイズ」,3「テンプレートのHTMLを変更するカスタマイズ」,4「テンプレートタグを使ったカスタマイズ」,「WordPressのPHP関数を駆使したカスタマイズ」である。

私は,WordPress.comを利用しているので,1,2が分かれば十分だが,サーバーでWordPress.orgを運用する場合は,3~5を利用する場合もあろう。実はWordPress.comを利用していても「外観」の「テーマの変更」で,3~5も可能なのだとは思うが,それが抵抗なくできるのであれば,WordPress.comを利用しないだろう。WordPress.comは,すぐに無料で利用し始めることができ,WordPressの最新版に対応していて,セキュリティーの面でも安心して利用できるから,趣味でWeb,ブログを開設,運用するには,これで十分だろう。

ただ上記1,2のプラグインやテーマのインストールを,WordPress.comで不自由なく実行するためには(プラグインが利用できるようになったのは比較的最近だ。),ビジネスコースが必要だが,これは月額2900円するので,さてどうしよう。面倒くさがりの結論は,WordPress.comとなる。

具体的なカスタマイズ

さてWordPress.com(ビジネスコース)を利用する場合,テーマを選択し,投稿記事,固定ページ記事を作成する等,WordPressに用意された通常の機能を利用することになる。このレベルは基本的な解説書に書いてあるのでそれをざっと読むことになるが(「今すぐ使えるかんたんWordPress入門」,「いちばんやさしいWordPressの教本」等。「WordPressを使う」にも紹介している。)が,実際にその問題を経験しないとわからないことも多い。それはそれでいいのだろうけど。何か分からないことがあると,ネットで検索すると多くの記事が出てくるが,「基本」がわかっていないと振り回されるだけになる。あれこれいじっていくとだんだん管理画面(ダッシュボード)に慣れてくる。そこで半人前だ。

それで改めて,カスタマイズについて考えるようになる。

ひとつめのポイントは,CSSの利用だ。それは管理画面(ダッシュボード)の「外観」の(「テーマ」)の「カスタマイズ」の「追加CSS」に(あるいは「外観」の「CSS編集」も同じページだ。ただこのあたりは,WordPress.comのコースや「テーマ」によって違うのだと思う。),作成したCSSを張り付ければよい。そのためには。対象とするセレクターを探す必要があるが,Google Chromeでは,問題となる箇所で右クリックででてくる「検証」を選択すれば分かる。ただ私はいまだにこの「検証」の使用法がよく分からない(「WordPressを使う」参照。Fire Bugの時の方がすっきりできた記憶がある。)。「外観」の「テーマの変更」で,スタイルシートを探す方法もあろう。CSSそのものについては,別途思い出すなり,勉強し直すなりする必要がある。

もうひとつのポイントは,本当に必要なプラグインを精選して,有効活用することだ。何が必要かは,次の記事にしよう。引き続き興味のある方は,「WordPressを使う」を見て頂きたい。

 

レイアウトを変えました

長年にわたり,全体のレイアウト(テーマ)は, WordPress が作成したTwenty Eleven(2011年版)を使っていましたが,さすがに飽きてきたので,というより,これを続けるといつまでも全体を変える気力がわいてこないので,思い立って,エイヤッと,Lovecraftというテーマに変えて見ました。モバイルではフルサイズ表示をしないとわからないでしょうが。

まだ写真以外は,ほとんどデフォルトのままなので見にくいでしょうが,どこをいじればいいかわかってきたので(いじり方も作成した当時とはずいぶん変わっています。),近日中に何とかします(10日ぐらい?これでは長すぎるか?)。直してから公開すればもっといいのでしょうが,その作業は手足を縛られた感じで,窮屈なので,エイヤッです。

これができると,もっといいテーマを見つけて,次々と華麗な変身を遂げることができるでしょう。多分。

「あなたの生産性を上げる8つのアイディア」を読む

著者:チャールズ・デュヒッグ

興味深い「物語」で構成された生産性を上げるために役立つ(かもしれない)優れた本だ

原書は,「SMARTER FASTER BETTER」であるが,著者も,「本書は,生産性を高めるのに最も重要な8つのアイディアを提案し,探求する」といっているので,題名はこれでいいのだろう。

著者は,生産性を高めるのに必要なのは,もっと働もっと汗を流すことや,長時間デスクにしがみつき,仕事以外を犠牲にすることではなく,「いくつかの方法を用いて正しい選択をすることである」と述べ,その方法が8つの章にまとめられているわけだ。著者は「生活のすべての面において,より賢く,より早く,より良くなるためにはどうしたらいいのか,その答えを提供する」という。

8つの章は,「やる気を引き出す」「チームワークを築く」「集中力を上げる」「目標を設定する」「人を動かす」「決断力を磨く」「イノベーションを加速させる」「データを使えるようにする」と,一見すると代わり映えのしない通俗ビジネス書のごときタイトルだが,本書が優れているのは,平凡な章名の元に,非常に優れた「物語」が,序破急の構成で紹介されていること,そして,著者がこれらの「物語」から読み取った,生活,仕事の生産性を高める「教訓」を,「付録 本書で述べたアイディアを実践するためのガイド」にまとめていることである。そしてこのガイドは,抽象的とはいえ,十分に実用的で魅力的なガイドとなっている。


各章の「物語」

ガイドを紹介する前に,各章の「物語」に一言しよう。

各章の「物語」はとても興味深い。著者は多岐にわたる「物語」を収集し,そこに道筋をつける優れた才能を持っているようだ(著者は,これも評判高い「習慣の力」の著書もある。同書では「習慣がどのように働いているかがわかれば(きっかけ,ルーチン,報酬を特定できれば),習慣を支配する力を手に入れることができる」とする。)。

各章の「物語」は,詳細目次各省の副題を見てもらってもある程度わかる。

ブートキャンプ改革,老人ホームの反乱,グーグル社の心理的安全と「サタデー・ナイト・ライブ」,墜落したエールフランス機,と第4次中東戦争,リーン-アジャイル思考,GMを変えた「トヨタ生産方式」,ベイズの定理で未来を予測(して,ポーカーに勝つ方法),「アナと霊の女王」を救った創造的絶望,ウェスト・サイド物語,情報失明,エンジニアリンング・デザイン・プロセス等々,そのほかにもたくさんの「物語」が含まれている。

「本書で述べたアイディアを実践するためのガイド」の紹介

やる気

(やる気を引き出す方法)  
・自分は自分の意志で行動しているのだと思えるような選択をすること。メールの返事を書くときは,自分の意見あるいは決断を表明するような最初の一文を書くこと。厄介な問題について話し合わなくてはならないときは,それをいつにするかを決める。やる気を引き出すには,何を選択するか,よりも,選択することそれ自体のほうが重要だ。
・その課題が,自分が大事にしていることといかに深く結びついているかを理解すること。どうしてこの下らない仕事をすることで,意味ある目標に近づけるのか,自分に対して説明すること。どうしてこれが大事なのか,それを自分に説明できれば,仕事を始めるのがずっと容易になる。

目標設定

やる気だけではだめで,大きな野心に火をつけるようなストレッチゴールと,具体的な計画を立てるのに役立つようなスマートゴールが必要である。
両方を区別して含む,TO DO LISTが必要だ。なおスマートゴールのSMARTとは,Specific(具体的に),Measurable(測定可能な),Achievable(達成可能な),Related(経営目標に関連した),Time-bound(Time-Line)(時間制約がある)である。

(目標を設定するには)
・ストレッチゴール,すなわちあなたの大きな野心を反映しているような目標を設定する。
・次いでそれをサブゴールに分割し,スマートゴールを発展させる。

焦点

(主旨を見失わないために)
・自分が何を見たいのかについて,繰り返し自分に物語を聞かせることで,メンタルモデルを構築する。
・これから何が起きるかを思い描く。最初に何が起きるか。どんな邪魔が入る可能性があるか。いかにしてそれを阻止するか。何が起きてほしいかについての物語を自分に聞かせることで,計画が現実と衝突したときにどこに重きを置けばいいかという判断が,はるかに容易になる。

決断

ストレッチゴールもスマートゴールもちゃんと設定し,焦点を見失わないためのメンタルモデルも構築し,やる気を引き出す方法も見つけたが,それでも頻繁に邪魔が入り,入念に築き上げた私のモデルをぶちこわそうとする。

(よりよい決断をするためには)
・(確率論的アイディアを参照し)複数の未来を思い描き,どの未来が最も実現性が高いか,それはなぜかを考える。
・複数の未来を思い描く。無理してでもさまざまな可能性を想像することによって(そのいくつかはたがいに矛盾しているかもしれない),より賢い選択ができるようになる。
・さまざまな経験や視点や他の人びとの意見を集めることで,ベイズ理論的直感を研ぎ澄ますことができる。情報を集め,じっくりその情報を分析することで,選択はより明確になる。

ビッグ・アイディア

最後に,著者自身の日常生活において重要な意味をもついくつかのキー概念をざっと概観する。

(チームワークをより効果的にするには)
・誰がチームに加わるかではなく,どのようにチームを運営するかのほうが重要だ。全員がほとんど平等に話ができ,チーム全員が「私は他のメンバーがどう感じているかを気にしていますよ」と表明することができるときにはじめて,心理的な安心感が生まれる。
・もしあなたがチームのリーダーだとしたら,自分の選択がどのようなメッセージを発しているかを考えるべきだ。みんなが均等に話すことを推奨しているのか,それとも声の大きな人を優遇しているのか。誰かの発言を繰り返し,質問に答えることで,「私は聞いていますよ」ということを伝えているか。誰かが動揺していたり不満を抱いていたりするときに,すぐに反応することで,自分の感受性を証明しているか。他のメンバーたちが見習えるようなお手本を示しているか。

(まわりの人の生産性を高めるには)
・柔軟で機敏なマネジメント技術によれば,社員たちは,自分にはより大きな決定権が与えられているのだと感じ,かつ,同僚たちは自分の成功を支援してくれていると信じることができたとき,より効率よく,より速く,働く。
・問題のいちばん近くにいる人に決定を委ねることによって,経営側は,各社員の専門知識を活用することができ,改革を促進することができる。
・自分で自分をコントロールしているという意識がやる気を引き出す。だがその意識が洞察や解決策を生み出すためには,自分の提案が無視されないことや,失敗しても罰が与えられないことを知っている必要がある。

(改革を促進するためには)
・しばしば創造性は,古いアイディアを新しい形で組み合わせることから生まれる。そのとき,「イノベーション・ブローカー」の存在が重要になる。自分自身がブローカーになり,組織内の流動性を高めることだ。
・自分の経験に対して敏感になること。自分はどうしてこんなふうに考えるのか,感じるのかに対して敏感になると,月並みなアイディアと真の洞察とのちがいが見えてくる。自分の感情的反応を詳しく分析することだ。
・創造プロセスで生じるストレスは,すべてが悪い方向に向かっている兆候ではない。むしろ想像上の絶望的な状況は,驚くような結果を生むことがある。不安のせいで,古いアイディアに新しい光をあてられるようになることもある。
・最後に,創造的突破に伴う安堵感はたしかに快いが,他の可能性を見えなくすることもある。自分たちがすでに成し遂げたことを批判的に振り返り,別の視点から見て,まったく新しい人に新たな権限を与えることで,眼の曇りを防ぐことができる。

(データをより良く吸収するためには)
・新しい情報に出合ったら,無理にでもそれを使って何かをやってみることだ。自分が学んだことを説明するノートを作るとか,そのアイディアを検証する方法を考え出すとか,データを紙の上に図示してみるとか,友人にそのアイディアを説明してみるとか。私たちが人生においておこなうすべての選択は実験である。大事なのは,その決断の中に含まれているデータが何であるかを見極めることだ。それができれば,そこから何かを学ぶことができる。

これらすべてのうちで最も重要なのは,これらの教訓に共通している根本的な理念だ。それは「生産性が上がるかどうかは,他の人びとがしばしば見落としている選択を見抜けるかどうかによる」という発想である。アイディアに全身全霊を捧げることが世界を変えるという教訓は,私が説明したかった別の考え方に比べると,それほど普遍的でも重要でもない。

長い目で見てより賢く,より速く,より良くなるためには,他の人には見えないような選択を見抜くことである。

 

詳細目次

続きを読む “「あなたの生産性を上げる8つのアイディア」を読む”

人の知能・思考がとらえる世界とは何か-方法論の基礎

「知ってるつもり」と「武器化する嘘」

人の知能は,世界を(実験によって)観察し,論理的に思考・分析して,表現・評価し,「問題解決と創造」につなげることができるが,その過程に様々な誤りが紛れ込む。

最近入手した二つの本(「知ってるつもり 無知の科学」(著者:スティーブン スローマン, フィリップ ファーンバック)と「武器化する嘘 情報に仕掛けられた罠」(著者:ダニエル・J・レヴィティン)は,人の知能・思考が世界をどのようにとらえるのか,世界をとらえる正しい方法論は何かについて,類似した視点と方法にたつ「総論」と「各論」ともいうべき本である。

両書とも非常に優れた内容を持つが,翻訳英書に共通する饒舌さや捩じれと翻訳の分かりにくさがあって,両書の構造,内容を正確にとらえるのが少しむつかしいようだ。

私としては両書を,「問題解決と創造の頁」の「方法論の基礎」の最初に位置づけたいと思っているので,その詳細な紹介をしたいと思っているが,今少し時間がとりにくい状態にあるので,ここでは備忘のために書名とさわりだけ紹介したい。

「知ってるつもり 無知の科学」(著者:スティーブン スローマン, フィリップ ファーンバック)を読む

ポイントは,「The Knowledge Illusion」であるが,これを「知能の錯覚」と訳されても,あまりピンとこない。

人の知能は,複雑な世界から行動(繁殖と生存だろう。)するために必要なもの,重要なものだけを取り出すように進化した。その知能のあり方が,「The Knowledge Illusion」である。そして行動するために重要なのは,原因と結果の因果的推論である。これには2種類(システム1とシステム2,あるいは直観と熟慮)ある。しかし人は,因果システムを自分が思っているほど理解していない(説明深度の錯覚)。直観は個人の頭にあり,熟慮は知識のコミュニティの力を借りている。後者がコミュニティの問題であるというのは,重要である。すなわち人は,体と世界,他者,テクノロジーを使って考える。

そして賢い人を育て,賢い判断をするための方法(ナッジ)がある。

後半は,行動経済学と重なっている。

この本の構成は英文の方がわかりやすそうなので,英書の目次を掲記しておく。

The Knowledge Illusion: Why We Never Think Alone

 

INTRODUCTION:Ignorance and the Community of Knowledge

 

ONE What We Know/TWO Why We Think /THREE How We Think /FOUR Why We Think What Isn’t So /

 

FIVE Thinking with Our Bodies and the World /SIX Thinking with Other People /SEVEN Thinking with Technology /

 

EIGHT Thinking About Science /NINE Thinking About Politics /

 

TEN The New Definition of Smart /ELEVEN Making People Smart /TWELVE Making Smarter Decisions

 

CONCLUSION:Appraising Ignorance and Illusions

 

「武器化する嘘 情報に仕掛けられた罠」(著者:ダニエル・J・レヴィティン)を読む

「知ってるつもり」で分かるように,人の知能・思考は「The Knowledge Illusion」にあるから,これを悪意を持って利用しようとする人も多い。

それをどのように批判的に吟味するかという観点からまとめたのが「武器化する嘘」である。「数字を吟味する」,「言葉を吟味する」,「世の中を評価する」から構成されている。認知科学,論理学,自然科学等を踏まえている。ベイズ確率が重視されている,

ただ体系的にまとめたというより,事例集という面があるので,記述相互の関係が分かりにくい。これを参考にしながら,どのように正しく考えるのかを,まとめていく必要があるだろう。

これも内容は,英書の目次の方が分かりやすそうなので掲記しておく。

A field guide to lies and statistics: A Neuroscientist on How to Make Sense of a Complex World

 

Introduction: Thinking, Critically

 

PART ONE: EVALUATING NUMBERS

Plausibility /Fun with Averages /Axis Shenanigans /Hijinks with How Numbers Are Reported /How Numbers Are Collected /Probabilities

 

PART TWO: EVALUATING WORDS

How Do We Know? /Identifying Expertise /Overlooked, Undervalued Alternative Explanations /Counterknowledge

 

PART THREE: EVALUATING THE WORLD

How Science Works /Logical Fallacies /Knowing What You Don’t Know /Bayesian Thinking in Science and in Court /Four Case Studies

 

Conclusion: Discovering

これらの本の利用法

これらの本では,対象として検討している問題が政府の政策であったり,社会問題だったりすることが多い(科学の問題も多い。)。しかしそれらは,所詮,投票を通じてしか実現しない問題であるから,当面,悪意ある人たちに騙されないように,軽率に扇動されないようにという観点から,弁えれば十分だろう。

重要なのは,自分の生活,仕事にこれらを生かすことである。私としては,当面,自分の生活,仕事を充実させること,楽しむこと,社会との関係でいえば,あらゆる人の仕事の生産性を向上させるIT,AIの実際的な使用や企業統治の問題等の分析にこれらを生かしていきたいと考えている。