英語の本を読む
M.J.アドラー,C.V.ドーレンの「本を読む本」は,なかなかの名著だ。講談社学術文庫に入っているので読んだ人も多いであろう。「本の森」でも紹介した(現時点では作成中)。
さて,せっかくだからこれを原書「How to Read a Book (A Touchstone book)」で読もうと考える人も多いであろう。その場合,日本のAmazonで容易に入手できる。日本のAmazoでは,普通の洋書であれば,ほぼ入手可能だ。送料はかかるが,アメリカのAmazonも利用できる。あとは,紀伊國屋や,丸善・ジュンク堂も利用できるだろう。
ここまでは普通の話だ。
Kindle本とaudible
さて,洋書の多くは,アメリカのAmazonで販売しているkindle-ebook(電子書籍=Kindle本。その後,日本のアマゾンでも販売が開始された。)に収録されている。「How to Read a Book」のような書籍は当然収録されている。Kindle本を購入するには,電子書籍を読むためのハードであるAmazon Kindleを購入した方が良いが,スマホやタブレットでも読むことは可能である。パソコンでは,今のところ英語の本しか読めない(ただし,パソコンにAndroidを載せるという裏技はある。)。
また,アメリカのAmazonは,audibleという,オーディオも販売している。ほとんどのオーディオプレーヤーで聞くことができる。そこにもかなりの数の洋書が収録されている。「HOW TO READ A BOOK」も収録されている。特筆すべきは,audibleはかなり安いということである。定価が,kindle-ebookよりも安いものも多い。ときどき3~7ドルという特売もしているし,毎月一冊ダウンロードできる会員になれば,すべて30%引きである。これについては,2015年1月の情報を「Audibleを聞く」という記事にまとめた。
どのように利用するか
これらの利用環境はどんどん改善されつつある。iPad,iPhone,iPodtouch,android,パソコンでこの両方が利用できるし,Kindleでも当然可能である。
単語を選択して日本語の辞書で調べることができるし,他でも英英辞書で調べることは可能である.。Kindleには,「Word Wise」という特筆すべき機能が搭載された。
したがって,kindleを読みながら,あるいは書籍を読みながら,audibleを聞くことができる。逆かな。聞きながら,読むことができる。
困ったこと
さて,洋書を楽しむために絶好の環境が整ったことは間違いない。「HOW TO READ A BOOK」について,日本語訳,原書,kindle本,audibleの4種そろい踏みである。
ただ,本を買ったかどうかさえおぼつかないのに,4種もあると訳がわからなくなってしまう。しかも,原書だって,ハードカバー版,ペーパーバック版があるし,Kindle本,audibleも,複数販売していることがある(全く同じものは,システムがチェックしてくれるが,別の主体から販売されている同じ書籍までは,チェックしてくれない。)。
たとえば,カーネマンの「Thinking,Fast and Slow」についていえば,私の枕元にハードカバー版,ペーパーバックス版
があり(これはあとでペーパーバック版を自覚して買ったのだからまだいい。),なんと,kindle-ebookが2種類ある!audibleもある。足りないのは,日本語訳だったが,これも今では,単行本,文庫本,Kindle本の3種類がある。
2年経って
この記事を書いて2年以上経ったので,2025年1月に内容を少し見直した。しかし最大の問題は,2年以上経っても,少しは「英語の本を読む」ことができるようになったのだろうか。沈思黙考。