犯罪に関すること(刑事法系)

被害者サイドからの相談

刑事事件について,通常,加害者,被害者の両者が存在するわけですから,もちろん被害者サイドから相談を受けることが普通にあります。特に警察は,現行犯や切った張ったの事件を優先しますので,詐欺等の「民事事件がらみ」についてはなかなか取り組もうとはしませんから,これを動かすのはなかなか大変です。しっかりした準備をして,告訴なり,被害届の提出をする必要があります。この準備には弁護士が必要な場合が多いでしょう。

一方事件は,,動き出すと今度は何かがおかしくてもなかなか止めることができないという面もあります。

被疑者(容疑者)サイドからの相談

「刑事弁護」の多くは,すでに身柄拘束がされている被疑者,被告人の事件です。

もちろん,そのような被疑者,被告人について適正な手続きが履行されているか,有罪と認められる証拠があるのかは,とても大切なことです。そして身柄拘束されている被疑者はどうしても取調官に迎合しますから,私は絶対に事実に相違することを認めないこと,認めそうになりそうな場合は,黙秘することを勧めます。身柄拘束された被疑者,被告人は,精神的にも身体的にもとてもつらい立場にありますから,励ましてあげなければなりません。なお最近ある本で,睡眠不足が常態化していると,権威に迎合し,事実に反することも認めるとの指摘を見ました。虚偽の自白の原因の多くは,ここにあるのでしょう。

でも多くの事件は,細部に多少の食い違いはあっても,おおよそでは争いがありません。そのような場合は示談ができるのなら示談をし,不起訴なり罰金刑の処理をさせ,できるだけ起訴されることを避けるようにします。身柄拘束が継続し,あるいは起訴されることは,いろいろな意味で,被疑者,被告人の負担となります。

このような事態に遭遇したご家族は,できるだけご本人が今どういう状況なのかか知りたいし,一刻も早く出てきてもらいたいわけです。可能か限りその気持ちにこたえるようにするのも弁護士の大事な役割です。

見通しを持つ

起訴されるかどうか,起訴された場合の処遇がどうかについて,弁護士はおおよそ,見通すことができることが普通です。でも,刑事手続は,絶えず,警察,検察の暴走がありうることを考慮しなければなりません。