私が担当したふたつの事件

私は,弁護士になった最初の頃は,民事,刑事,行政,家事,税務,知財等,あれやこれやといろいろとバラエティーに富んだ事件を手がけていましたが,ここ十数年は主に外資系のサービサーの代表取締役としての仕事をしていたので,面白いのは,何件かの詐害行為取消訴訟ぐらいでした。

しかし,平成18年に住民側の代理人として提訴し,平成24年2月に上告棄却で住民側の全面勝訴となった「旧小淵沢町官製談合住民訴訟事件」と,指定弁護士として関わった「陸山会事件」というふたつの事件は,どちらも膨大な時間を費やし,かつ「要証事実」を,証拠又は間接事実から推認することに多大な労力を要した裁判という共通点があったということで,私の印象にとても強く残っています。

特に後者は「無罪」とはなったものの,指定弁護士として置かれた厳しい状況の中で,私たちが最も真実に近づいていたということを十分に誇ってよい事件であると考えています。いまだに党派的な熱狂が覚めてみれば空しいだけの,「悪徳弁護士という烙印」が私に押されたとする非難記事がネットの上位に残存していることも,立派な勲章です。

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