問題解決と創造の方法

問題の所在-「問題解決と創造の方法」を考える

「問題解決と創造の方法」について,以下のとおり「問題解決の基本(考察1)」,「問題解決のための思考とアイデア(考察2)」,「複雑な問題の解決方法(考察3)」に分けて考察する(下述するように,創造は,問題解決の一場面と位置づけることができるので,原則として区別しない。)。なおほとんどの問題は,人の行動によって生じるから,これらの考察の前提として,「「こころ」と行動の基礎」を概観することにする。

考察2では,考察1の「問題解決の基本」の枠組みの中でこれをブラシュアップする「問題解決のための思考とアイデア」を検討する。

考察3では,考察1の「問題」となる4要素5領域(システム)の中で特に複雑な問題について,記述,モデル化し,解決(操作)する主要な方法である「ビッグヒストリー・システム思考・制度論」を検討する。

「問題解決と創造の方法」各論

「こころ」と行動の基礎

「問題解決と創造の方法」の前提となる「「こころ」と行動の基礎」については,暫定的な記事ではあるが,投稿記事として作成した「「こころ」と行動の基礎」を参照されたい(このサイトの記事にリンク)。そこで紹介した本は,次の6書であるが,これは順次改定していくことになろう。

  • 「入門! 進化生物学-ダーウィンからDNAが拓く新世界へ」(著者: 小原嘉明)
  • 「「こころ」はいかにして生まれるのか」(著者:櫻井 武)
  • 「哲学入門」(著者:戸田山和久)
  • 「進化教育学入門 動物行動学から見た学習」(著者: 小林朋道)
  • 「行動の基礎」(著者:小野 浩一)
  • 「〔エッセンシャル版〕行動経済学」(Very Short Introductions  Behavioral   Economics)(著者:ミシェル バデリ)

問題解決の基本(考察1)

ここでは「問題解決の基本」となる次の3書(基本3書)を紹介する。

  • 「新版[図解]問題解決入門~問題の見つけ方と手の打ち方」
  • 「創造はシステムである~「失敗学」から「創造学」へ」
  • 「問題解決大全」

「図解 問題解決入門」…基本書1

まず解決すべき「問題の基本的な構造」(問題構造図式と呼ばれることがある。)については,「新版[図解]問題解決入門~問題の見つけ方と手の打ち方」(著者:佐藤 允一)(Amazonにリンク・本の森の紹介)の分析が,簡便でわかりやすい。

同書は「問題」を「目標と現状のギャップ」ととらえ(後記「問題解決大全」によると,これは,ハーバート・A. サイモンが,言い出したらしい。),原因となる「入力」,「制約条件」や「外乱(不可抗力)」が影響する「プロセス」を経て,結果となる「出力(現状)」が生じるという「問題構造図式」を提示する。この図式をふまえ,「入力」や「制約条件」をコントロールすることで,「出力(現状)」を変え,問題解決を考えようというのである(「佐藤問題構造図式」という。)。これだけでは単なる枠組みに過ぎないが,それだけに問題解決の様々な対象や方法を整理して位置づけるのに便利である。

次に同書は,「問題」を,発生型(既に起きている問題),探索型(今より良くしたい問題),設定型(この先どうするか)に分類しており(この分類は「時間型分類」といえよう。),これも有用である。

さらにこれは私見ではあるが,「問題」を,個人型,人工物型,システム型に大別することも有用である(この分類は「対象型分類」といえよう。)。「世界」の大部分の問題は,「システム思考」が対象とすべき複雑な「システム型」の問題であるが,個人の問題の多くは,個人型として個人の意思決定と行動改善の方法として捉えることが適切であるし,人工物(多くは商品であろう)の問題は,人より物の振る舞いが前面に出る設定型,探索型の問題であるから,別に検討したほうが良さそうだ。ただし,それぞれの方法を他に応用することは有益である。なお企業に関わる「問題」は,個人型,人工物型,システム型のいずれの要素も含んでおり,併せて経営分析,経営戦略等として検討されているから,別途,検討すべきである。

「創造はシステムである」…基本書2

「創造」は,佐藤の「問題構造図式」の時間型分類の,設定型(この先どうする)ないし探索型(今より良くしたい問題)として,問題解決の一場面と位置づけることができる。

「創造はシステムである~「失敗学」から「創造学」へ」(著者:中尾政之)(Amazonにリンク本の森の紹介)は,「創造」(自分で目的を設定して,自分にとって新しい作品や作業を,新たに造ることと定義する。)の過程を,「思い」(願望)→「言葉」(目的)→「形」(手段)→「モノ」(アクションプラン)ととらえ,まず「目的」を言葉として設定することが重要だとする(これが「出力」となる「結果」である。)。そしてその「原因」となる「入力」「制約条件」等を<「形」(手段)+「モノ」(アクションプラン)>と捉え,その具体的な内容に「思考演算子」(これは,TRIZ(トゥリーズ)のことである。)を適用して,検討,選択し,「目的」を実現していく。システムである人工物の設計,創作を念頭に置いた問題構造図式の変化型であるが,システムについての問題解決は複雑,難解なものが多いので,まず人工物の創造でこれに習熟することには意味がある(ただし同書には,「システム思考」の話は出てこない。)。

「問題解決大全」…基本書3

なおこの上記の2つの方法に止まらず,「問題解決と創造」を実現する観点から考え出された様々な技法がある。それらの主要なものが「問題解決大全」(Amazonにリンク・本の森の紹介)で,丁寧に検討されている。「問題解決大全」では,問題解決の手法をリニア(直線的) な問題解決とサーキュラー(円環的) な問題解決の2つに大別して取り上げた上,問題解決の過程を,大きくは4段階,詳細には14段階に整理し,それぞれに該当する技法を紹介している。①問題の認知(目標設定,問題察知,問題定義,問題理解),②解決策の探求(情報収集,解の探求,解決策の改良,解決策の選択),③解決策の実行(結果予測,実行計画,進行管理),④結果の吟味(結果の検証,反省分析,学習・知識化)である。基本書1,2を十二分に補完する内容となっている。

基本書1~3を基本となる「基本3書」としたい。基本3書の詳細目次である「「問題解決と創造の方法」基本3書の詳細目次」(このサイトの記事にリンク)を作成してみた。これを見ているだけでも頭の整理になる。

問題解決のための思考とアイデア(考察2)

上記の考察1の問題解決策(入力)が適切(論理的,合理的,科学的等)であるためには,その策定を支える的確な「思考やアイデア」が必要である。

ここでは,問題解決策を支える的確な思考やアイデアを獲得するために,「思考の基礎」,「危機的な状況にある現代の思考」,「アイデア」に分けて何冊かの本を紹介しておく。

「思考の基礎」

  • 「意思決定の心理学 脳とこころの傾向と対策」
  • 「不合理~誰もがまぬがれない思考の罠100」
  • 「思考と推論: 理性・判断・意思決定の心理学」
  • 「原因を推論する-政治分析方法論のすすめ」
  • 「物事のなぜ-原因を探る道に正解はあるか」

「危機的な状況にある現代の思考」

  • 「知ってるつもり 無知の科学」
  • 「武器化する嘘 情報に仕掛けられた罠」

「アイデア」

  • 「アイデア大全」
  • 「IDEA FACTORY 頭をアイデア工場にする20のステップ」
  • 「アイデアのつくり方」
  • 「アイデア・バイブル」
  • 「アイデアのちから」

思考の基礎

  • 「意思決定の心理学 脳とこころの傾向と対策」
  • 「不合理~誰もがまぬがれない思考の罠100」
  • 「思考と推論: 理性・判断・意思決定の心理学」
  • 「原因を推論する-政治分析方法論のすすめ」(著者:久米郁夫)
  • 「物事のなぜ-原因を探る道に正解はあるか」(著者:ピーター・ラビンズ)
「意思決定の心理学 脳とこころの傾向と対策」

人の思考の基礎である早い思考,遅い思考(「二重過程理論」について概括的に論じた本として,「意思決定の心理学 脳とこころの傾向と対策」(著者:阿部 修士 )(Amazonにリンク)を挙げておこう。もちろん,「ファスト&スロー」を読み込めばいいのだが,批判的に検討しやすい本として当面これをあげておく(カーネマンについて,アレコレ言うのは,多少しんどい。)。

これを踏まえ,早い思考について,1992年時点で検討している「不合理~誰もがまぬがれない思考の罠100」(著者:スチュアート・ サザーランド)と,主として遅い思考の内容を緻密に検討している「思考と推論: 理性・判断・意思決定の心理学」(著者:ケン マンクテロウ)を紹介しておく。この2冊については内容を簡単に紹介しよう。

「不合理~誰もがまぬがれない思考の罠100」

「不合理~誰もがまぬがれない思考の罠100」(著者:スチュアート・ サザーランド)(Amazonにリンク)は, ヒトと組織(の中のヒト)の思考の特質(不合理性)について,丁寧にきちんと整理して論じている。著者は,サセックス大学の心理学教授であったが1998年に亡くなっており,本書の刊行は1992年で30年近い前である(しかしKindle本の刊行,翻訳等は最近行われているようだ。)。しかし内容は非常にしっかりしており,かつ著者の表現は機知に満ちていて,読んでいて楽しい。本書刊行後,ネットの普及等でヒトと組織(の中のヒト)の思考の不合理性は強まっているが,この本をネット普及前の「原型」はどうだったのかという観点から読み,現状をその「変容」と捉えればいいだろう。本書は近々「本の森」で紹介したいが,著者が「序章」で本書の構成について述べている部分だけも紹介しておきたい。

「こうした本では,序章の締め括りで,各章の要約を述べるのが約束事になっている。読者が本書を読まないでもすむように,ここで内容を要約するほど私は親切ではないが,全体の構成だけ簡単に説明しておこう。2章(誤った印象)では,人が判断ミスをおかす最もありふれた原因を述べる。その後に詳しく見ていく不合理な思考の多くにこの原因が絡んでいる。続く七つの章(服従,同調,内集団と外集団,組織の不合理性,間違った首尾一貫性,効果のない「アメとムチ」,衝動と情動)では,不合理な判断や行動をもたらす社会的要因と感情的要因を見ていく。10章から19章まで(証拠の無視,証拠の歪曲,相関関係の誤り,医療における錯誤相関,因果関係の誤り,証拠の誤った解釈,一貫性のない決断・勝ち目のない賭け,過信,リスク,誤った推理)は,事実をねじ曲げてしまうために陥る誤りを扱い,それに続く二つの章(直感の誤り,効用)では,手元にある情報の範囲内で,少なくとも理論上は最善の結論を出せるような方法を述べ,そうした方法で出した結論と直感的な選択とを比較して,直感がいかに当てにならないかを示す。22章(超常現象)では,それまでに述べてきた誤りのいくつかを振り返り,超常現象やオカルト,迷信がなぜ広く信じられているかを考える。最終章(合理的な思考は必要か)では,ヒトの進化の歴史と脳の特徴から,不合理な思考をもたらす根源的な素地を考え,併せて合理的な判断や行動を促すことが果たして可能かどうかを考える。そして最後(合理的な思考は必要か)に,「合理性は本当に必要なのか,さらには,合理性は望ましいのか」を考えてみたい。」。

なお著者は合理性について次のように言っている。

「合理性は、合理的な思考と合理的な選択という二つの形をとる。手持ちの情報が間違っていないかぎり、正しい結論を導き出すのが、合理的な思考だと言えるだろう。合理的な選択のほうはもう少し複雑だ。目的がわからなければ、合理的な選択かどうか評価できない。手持ちの情報をもとにして、目的を達成できる確率が最も高い選択が合理的な選択と言えるだろう。」。

「思考と推論: 理性・判断・意思決定の心理学」

「思考と推論: 理性・判断・意思決定の心理学」(著者:ケン マンクテロウ)(Amazonにリンク) は,人間の実際の思考を踏まえて,合理的な推論と意思決定について検討した本である。著者は,イギリスの心理学者である。少し前に入手していたが,古典的三段論法,「ならば」,因果推論,確率的説明,メンタルモデル理論,二重過程理論,帰納と検証,プロスペクト理論等,感情,合理性,個人差や文化の影響がもたらす複雑さ等,幅広く検討していて,「思考と推論」を考える上では必須の本であると思っていた。ただ問題はここに入り込むと,出てこられなくなることである。ほどほどが大事だ。

「原因を推論する-政治分析方法論のすすめ」

「原因を推論する-政治分析方法論のすすめ」(著者:久米郁夫)(Amazonにリンク)は,政治(公共政策)を主たる対象とするが,方法論は,意識的で,内容もしっかりとした客観的なものなので,安心して読むことができる。本書からの広がりもある。ただし,「人間の認知の限界」という視点は乏しいようである。

「物事のなぜ-原因を探る道に正解はあるか」

一方,「物事のなぜ-原因を探る道に正解はあるか」(著者:ピーター・ラビンズ)(Amazonにリンク)は,「原因,結果とその因果関係」を主題とし,古今の哲学者,科学者の主張を様々な事象に適用して網羅的に検討し,因果関係の論理を表す3つの概念モデル(断定型,確率型,創発型),原因の4つの分析レベル(発生を促す原因,発生させる原因,プログラム上の原因,意図による原因),原因を得るための3つの論法(検証型,叙述型,信仰型)にモデル化する。興味深いし,最後で行っている「Hiv/Aids」,「米国法」,「うつ病」の分析も優れていると思うが,「信仰型」の記述は若干疑問であるし,他者の諸書評によると,科学事象の記述に不正確なものがあるとのことで,有益なところだけ抜き取るという姿勢がいいのかもしれない。

危機的な状況にある現代の思考

  • 「知ってるつもり 無知の科学」
  • 「武器化する嘘 情報に仕掛けられた罠」

前項の「思考の基礎」の本がいわば原則を論じているのに対し,現代の人の思考が論理性を失い危機的な状況にあるということについてことについて論じた本は多いが,ここでは「知ってるつもり 無知の科学」(著者:スティーブン スローマン, フィリップ ファーンバック)(Amazonにリンク)と,「武器化する嘘 情報に仕掛けられた罠」(著者:ダニエル・J・レヴィティン)(Amazonにリンク)を挙げておく。

この2冊については,「人の知能・思考がとらえる世界とは何か-方法論の基礎」(このサイトの記事にリンク)に簡単に紹介したが,もう少し応用の効く内容として紹介する必要があるだろう。今後,

以上の「思考の基礎」,「危機的な状況にある現代の思考」に掲記した5冊に目を通せば,問題解決についての「思考」の重要事項については,ほぼ把握できよう。

なお以上の7冊に次の「アイデア大全」を加え,「「問題解決のための思考とアイデア」重要6冊の詳細目次」(このサイトの記事にリンク)を作成する予定である。

アイデア

早い思考に親近性があるが,思考以前とも言える,アイデアや発想を生み出す方法は,なかなか楽しい。

まず「問題解決大全」(著者:読書猿)に著者による「アイデア大全」(Amazonにリンク)は,多くのアイデアや発想を生み出す豊富を取り上げており,必読書だろう。ただこれだけだと,ともするといろいろ知っておしまいということになりかねない。そこで,次にアイデア書として名のしれた何冊かを,掲記しておく。これらを,頭を使った思考実験,シミュレーションに利用すればよい。

  • 「IDEA FACTORY 頭をアイデア工場にする20のステップ」(著者:アンドリー・セドニエフ)(Amazonにリンク
  • 「アイデアのつくり方」(著者:ジェームス W.ヤング)(Amazonにリンク
  • 「アイデア・バイブル」(著者:マイケル・マハルコ)(Amazonにリンク
  • 「アイデアのちから」(著者:チップ・ハース、ダン・ハース)(Amazonにリンク

複雑な問題の解決方法(考察3)

「問題解決と創造に向けて」において,問題が生じる領域(世界)を,4要素5領域(人・企業・政府・環境+世界)に区分して考察することを提唱したが,人・企業・政府・環境。及びその複合体である世界には,それぞれ固有の問題解決手法がある。

ここでは,4要素が複雑に相互作用するシステムである世界,社会について,記述し,モデル化してその解決(操作)方法を検討する場合の主要な方法である「ビッグヒストリー・システム思考・制度論」を簡単に概観しておく。詳細な検討は。「方法論の基礎」や,4要素5領域(人・企業・政府・環境+世界)の検討において行う。

ビッグヒストリー・システム思考・制度論

まず,各分野の主要な本を掲記しておこう。

「ビッグヒストリー」
  • 「ありえない138億年史~宇宙誕生と私たちを結ぶビッグヒストリー~」(著者:ウォルター・アルバレス
  • A Most Improbable Journey: A Big History of Our Planet and Ourselves  by Walter Alvarez
  • 「ビッグヒストリ- われわれはどこから来て、どこへ行くのか―宇宙開闢から138億年の「人間」史」 (著者:デヴィッド・クリスチャン)
  • 「ビッグヒストリー入門 」(著者:デヴィッド・クリスチャン)
  • This Fleeting World: A Short History of Humanity (This World of Ours)  by David Christian
  • Origin Story: A Big History of Everything (English Edition) by David Christian
  • 「ビッグ・ヒストリー入門 地球宇宙平和研究所所報第8号 (地球宇宙平和研究所所報) 」(著者:吉野良子・遠藤美純)
  • 「ビッグ・ヒストリーと21世紀の国際秩序」(著者:中西治・桜井薫・辻村伸雄・片山博文)
  • 「ビッグ・ヒストリーの実用 (自然・戦争・平和) 」(著者:中西 治)
「システム思考」
  • 「世界はシステムで動く- いま起きていることの本質をつかむ考え方」(著者:ドネラ・メドウズ)
  • 「システム思考―複雑な問題の解決技法」(著者:ジョン・D・スターマン)
  • 「学習する組織 システム思考で未来を創造する」(著者:ピーター・センゲ)
  • 「2052」(著者:ヨルゲン・ランダース)
  • 「地球のなおし方 限界を超えた環境を危機から引き戻す知恵」(著者:ドネラ・メドウズ)
  • 「なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?―小さな力で大きく動かす!システム思考の上手な使い方」(著者:枝廣 淳子, 小田 理一郎)
  • 「もっと使いこなす!「システム思考」教本」(著者:枝廣 淳子, 小田 理一郎)
  • 「社会変革のためのシステム思考実践ガイド-共に解決策を見出し、コレクティブ・インパクトを創造する」(著者:デイヴィッド・ピーター・ストロー)
「制度論」
  • 「現代経済学-ゲーム理論・行動経済学・制度論」(著者:瀧澤 弘和 )
  • 「制度とは何か-社会科学のための制度論」(著者:フランチェスコ・グァラ)
  • 「ダグラス・ノース 制度原論」(著者: ダグラス・C・ノース)
  • 「制度・制度変化・経済成果」(著者:ダグラス・ノース )
  • 「経済史の構造と変化」(著者:ダグラス・ノース)
  • 「経済史」(著者:小野塚 知二)
  • 「青木昌彦の経済学入門-制度論の地平を拡げる」(著者:青木昌彦)
  • 「比較制度分析序説-経済システムの進化と多元性」(著者:青木昌彦)
  • 「社会制作の方法-社会は社会を創る,でもいかにして?」(著者:北田暁大)
  • 「比較制度分析・入門」(著者:中林 真幸)
簡単な説明

「ビッグヒストリー」については,「138億年!!」(このサイトの記事にリンク),「システム思考」については,「「行動分析学」と「システム思考」で世界を見る」(このサイトの記事にリンク)に簡単に紹介してある。

「制度論」は,システムの要素を,形式的に4要素5領域(人・企業・政府・環境+世界)ととらえるのではなく,より機能的に捉える(したがってこれr改変する)ヒントとなる。青木昌彦さんは,「青木昌彦の経済学入門-制度論の地平を拡げる」の中で,経済交換,政治交換,社会交換,組織内交換を挙げ,同書で青木さんと対談している山形浩生さんは,レッシグが4つの要素として,「法(Law)」,「規範(Norm)」,「市場(Market)」,「アーキテクチャ(Architecture)」を挙げていることを紹介している,

「制度論」ではないが,哲学者の河野哲也さんは,ギブソンを参考にしながら「人間的環境を五つの構成要素に分類することができるであろう。すなわち、改変環境、構築物、道具、他者、社会制度である」とする(意識は実在しない 心・知覚・自由 )。

このように「ビッグヒストリー」という大きな視座から「制度」をとらえ,その要素を「システム思考」によって動かしてみるということには,大きな可能性を感じている。

社会問題を解決する方法序説

「世界」の中で私たちが対象とすることが多い社会問題について「社会問題を解決する方法序説」(このサイトの記事にリンク)を作成・掲載した。

 

「問題解決と創造の方法」の続き

「問題解決と創造の方法」の続きとして,下位メニューで「方法論の基礎」,「PC・IT・AI技法」に関する本を紹介する。

方法論の基礎

これまで「問題解決と創造の方法」として紹介した本は,どちらかといえば,現実を分析した経験の集積という類の本が多いが,その方法を論理的,科学的に捉え返す必要がある。そのための「方法論の基礎」となる本を,「進化・遺伝・行動」,「心的現象…脳科学・認知・心理」,「哲学」,「言語と論証」,「自然科学の方法」,「社会科学の方法」,「複雑系科学」,「様々な試み」に分類して紹介する(このサイト上の記事にリンク)。重要なのは,「問題解決と創造」につながる事象の記述とモデル化と操作についての方法論である。

PC・IT・AI技法

「方法論の基礎」のうち,「コンピュータ科学」は,問題解決と創造の対象領域である世界(社会や経済),環境,政府,企業,個人のいずれについても,計算(論理)を基準としつつ,ITやAIとして実用的な展開がなされつつあり,その問題解決と創造のためのもっとも主要な方法として,今後もまずます重要性を増していくことに異論はないであろう。そこでこれに関する本は,「方法論の基礎」から独立させ,「PC・IT・AI技法」(このサイト上の記事にリンク)で紹介する。

投稿記事の紹介

下位メニューの「問題解決と創造の方法(投稿)」には,「問題解決と創造の方法」に関連する投稿が時系列順に掲載されるので,そちらも参照されたい(分類が正確でないものも混じっているかもしれないが,ご容赦を。)。