問題解決と創造の頁

「問題解決と創造の頁」の紹介

問題解決と創造の頁の全体の構成,内容等を紹介します。

経済分析等では,個人,企業,政府の3主体を想定します。これに自然,人工物からなる環境を加え,これらの4要素によって,考察の対象となる「社会・経済・歴史」,まとめれば「世界」が作られるということになるでしょう。ただし,このこの問題解決と創造の頁では,概念分析がしたいわけではなく,問題解決と創造のためには,対象をこのような観点から考えるのが「実用的」だろうという「仮定」を設けるだけです。

この項目では,まず最初に問題解決と創造のための基本的な手段となる「問題解決と創造の方法と技術」とこれを支える「方法論の基礎」と「IT・AI」を考察します。

これに続いて問題解決と創造の対象となる4つの要素とその主たる問題(「人:生活・文化・仕事」,「企業:経営と統治」,「政府:力と公共政策」,「環境:自然とテクノロジー」),及びこれらの複合体である「社会・経済・歴史」を,配置しました。人,企業,政府,環境には,固有の問題があり,「社会・経済・歴史」の問題をこれらをすっ飛ばして考察しても,思い付きに止まるだけだというのが,ポイントです。

以下,「問題解決と創造の方法と技術」及びそれを支える「方法論の基礎」と「IT・AI」の内容を紹介し,5つの対象(領域)について紹介します。

「問題解決と創造の方法と技術」

私たちは,日々,様々な問題の解決を迫られ,また新たな価値の創造を試みているが,なかなかうまくいかない。そこで「問題解決学」とか「創造学」といわれる分野をのぞいてみたくなるが,百花繚乱で,何を頼ればいいのか,さてどうしよう。

問題解決と創造のために,どのように頭と心を働かせるべきなのか,まずその方法を整理する(「問題解決と創造の方法と技術」)。ここでは,問題解決については「「新版[図解]問題解決入門~問題の見つけ方と手の打ち方」(著者:佐藤 允一)を,創造については,「創造はシステムである~「失敗学」から「創造学」へ」本の森での紹介,著者:中尾政之)を基本とした。

前者は「問題」を「目標と現状のギャップ」ととらえ(ハーバート・A. サイモンが,言い出しっぺらしい。),原因となる「入力」,「制約条件」,「外乱(不可抗力)」による「プロセス」を経て,「出力(現状)」が生じるという「問題構造図式」を提示する。これをふまえ,「入力」,「制約条件」をコントロールすることで,問題解決を考えようというのである。

後者は「創造」(自分で目的を設定して,自分にとって新しい作品や作業を,新たに造ること)の過程を,「思い」(願望)→「言葉」(目的)→「形」(手段)→「モノ」(アクションプラン)ととらえ,まず「目的」を言葉として設定することが重要だとする(これが「出力」,「結果」である。)。そしてその「原因」となる「入力」「プロセス」等を<「形」(手段)+「モノ」(アクションプラン)>と捉え,その具体的な内容を「思考演算子」を適用して検討していく。

これらを合わせて,「問題解決と創造」のための一つのシステムとして運用することができそうだ。

問題解決と創造の方法と技術を支える「方法論の基礎」と「IT・AI」

ところで上記2書の内容は,経験の集積という方が正しく,問題解決と創造にあたっては,KKD(勘,経験,度胸)が大事だなどともいわれるので,それだけでは心もとない。これを論理的,科学的に捉え返す必要がある。

問題解決と創造の対象となる「人:生活・文化・仕事」「企業:経営と統治」「政府:力と公共政策」「環境:自然とテクノロジー」及びその複合体である「社会・経済・歴史」の5つの領域では,それぞれ様々な科学的な方法(あるいは経験論に科学的手法を組み込んだもの)が活用されている。具体的には,論理学・数学・統計学,哲学・自然言語学・外国語,認知科学・脳科学・心理学,進化論,経済学・行動経済学,ゲーム理論,経営学,社会学,複雑系ネットワーク科学等々である。これらを「問題解決と創造の方法と技術」とは別に「方法論の基礎」として検討しよう。

さらにIT・AIは「方法論の基礎」の一部ともいえるが,今後,IT・AIがこれらの「方法論の基礎」や,自然科学,社会科学をそのものを大きく変えていくと思われるので,別途,「IT・AI」で取り上げることにする。

5つの対象(領域)

私は,「問題解決と創造」の対象について,その内容によって複数の領域を設定し,領域ごとにその特質を踏まえながら「問題解決と創造」を考えていくのが適切であろうと考えている。その領域として個人と組織(政府,企業)の3主体とその活動,及びこれに環境(人工物を含める)と,これらの複合体である「社会・経済・歴史」を加えた5つの領域を考えるのが適切であろうと考えている(政治は,政府の問題として考えよう。)。

そこで,現代の解決すべき問題と創造の対象として,「人:生活・文化・仕事」,「企業:経営と統治」,「政府:力と公共政策」,「環境:自然とテクノロジー」(:以下は,その問題をより具体化した内容である。),及び「社会・経済・歴史」を考えることとする。それぞれについて,より具体的に検討してみよう。

人の生活・文化・仕事の問題

私たちは,ふと,「いったい私は何をしているのか,何をしたいのか」という思いにかられることがあるが,私たちがしたいことは,端的にいえば,充実した生活をし,文化と仕事を創り上げることであろう。

私たちの生活・文化・仕事は,人類に進化した後の道具,火,言語の使用等々に支えられた長い長い狩猟採集生活を経て,わずか1万年の間の農業革命,科学革命,産業革命,情報革命等々によって劇的な変動を経験しつつある。

生活は,「食動考休」にまとめることができる。現代の食動考休は,狩猟採集生活時代のそれから大きく変容している。その充実を考える場合は,その変容を視野に入れることが必須である。

人が生活の中で展開してきた文化(芸術,芸能)は,「人のつながりの表現」である。

仕事は,生活と文化の基盤に立つ分業による価値創造である。「苦役」というイメージでとらえるべきではない。

ところで人の生活・文化・仕事は,進化論(繁殖,生存に有利な形質が自然選択される)を踏まえて考えるべきである。ただ繁殖,生存の根底に性的な衝動や自然選択(競争)があるとしても,人はいつもそれに振り回されているわけではない。他者と接するソフィストケートされたレベルでは,人の生活は,日々の充実した,健康な活動を支える「食動考休」であり,文化・仕事は,生活の応用としての他者とのつながりの表現と分業による価値創造であるとまとめることができる。

なお文化(芸術・芸能・文化)については,一連の考察とは別に独立させて検討する。ただし,アイデアを活性化させ,結露したものといえる。

政府と企業の問題

農業革命以前,人の生活と仕事は,ほとんど分化していなかったと考えていいだろう。人は,家族,あるいはもう少し規模の大きい共同体に属し, その中で仕事をし,死んでいった。

しかし農業革命により人の生活と仕事が分化し,その余剰生産物を収奪する「権力集団」(政府)が生じた(もっとも現代のほぼすべての政府は,民主制(支配者と被支配者が同一)に基づくと主張しているが。)。そして,分業の進展によって,更に「産業革命」によって決定的に,人の仕事の領域から分化した「企業」が大きな勢力となり,現在に至っているとまとめることができよう。政府と企業は,個人とは別の次元に存在する「組織」である。

なお成立は政府が先行するが,考察する順番としては,個人,企業,政府という方が分かりやすいであろう。

組織のうち企業の問題は,利潤追求を目標とする企業の活動により,たとえ「見えざる手」によって資源の最適配分が図られるとしても,様々な立場の人々(消費者,取引先,株主,経営者,従業員,政府等々)に,様々な利害得失を与えるから,その活動が適切に制御されなければならない。「経営と統治」を考察する必要がある。

組織のうち政府の問題は,民主制のもとでは個人の政治参加(投票)により選出された代表者(政治家)が組織する集団が実行する支配(法・実力)と公共政策及びその制御の問題である。ただし,政府を主導する政治家,官僚は,公共政策に失敗することがあるのみならず(悲惨な被害が生じる公共政策の失敗は戦争であろう。),その権力を冒用し私的利益を図ろうとする強いインセンティブがある。それが問題を複雑にしている。主たる問題を,「力と公共政策」としてちらえよう。

なお組織には,地域共同体,宗教団体,学校,NPO等々も含まれるが,企業,政府に準じて考えればいいであろう。いずれにせよ,個人から独立した存在として迷走する組織の行動について理解するためには,複雑系ネットワークの観点が欠かせない。家族は,人の生活・文化・仕事として考えよう。

環境の問題

人の生活・文化・仕事及び企業や政府の活動は,環境の中で(自然及びテクノロジーを利用して)展開される。生活と仕事,企業や政府の問題解決のためには,自然とテクノロジーの機能,動きを理解し,これを利用,制御することが必須である。

社会・経済・歴史の問題

人はともすると,共時的及び通時的な社会や経済の問題に素手で入り込み,全体の構造を離れてその問題の一部を撫ぜ,あれこれ論じてきた。しかし,それでは決定的にうまくいかない。社会は,人の生活・文化・仕事,企業,政府,環境の複合体であり,経済はその一側面である。

問題解決と創造を人の生活・仕事,企業,政府,環境の制御という観点から考える

この項目はこれまで「新しい社会と経済を創る」としていたが,このWebの副題(キャッチフレーズ)の「法を問題解決と創造に活かす」に合わせ,「問題解決と創造の頁」に変えることにした。「新しい社会と経済」を創るといっても,素手でそれに向き合ったのでは,うまくいくはずもなく,私たちにとって最も重要で切実な問題である日々のあり方(生活と仕事)を充実,活性化させること,人から独立した存在として迷走する組織(企業と政府)を適切に制御,運営する企てに参加すること,更にはこれらの活動の環境,場となる「自然とテクノロジー」を理解し,制御し,利用することが,「新しい社会と経済を創る」ことに他ならない。

このように,現在,私あるいは現代社会が直面している多くの問題について,人の生活・仕事,政府,企業,環境の4要素(更には,その複合する「社会・経済・歴史」も含めて)から,分析,考察を巡らせ,当該問題を順次解決していくことができれば,結果的に「新しい社会と経済を創る」という価値創造に結実するであろう。

下位メニューの構成

これに従い,「問題解決と創造の頁」の下位項目(メニュー)は,次のとおりとする。ただし,順次手を入れていくので,当面,古い記述がそのままになっている項目も多い。これらの項目は,原則として,「問題の所在」,「考察」,「(投稿)」,「参考本」,「関連する考察」から構成するものとする。現時点(18/07/17)で,参考本の一部が「アイデア倉庫」にまとまっている。

最後に

私が今,最も取り組みたいことは,弁護士として「法を問題解決と創造に活かす」活動であり,「問題解決と創造の頁」は,そのための,事実と論理を踏まえた準備作業,基礎作業となることを志している。このWebサイトも,やっとそういう情報発信ができるような準備が整いつつある気がする。ただまだ各メニューの内容はバラバラだ。それにITやAI,科学についての新しい知見・動向を知るには,英語文献の読解が必須である。その意味で内容が整うまでには今しばらく時間がかかりそうだ。