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法とルールの基礎理論

この投稿は,固定ページ「法とルールの基礎理論」のための記事を投稿したものです。固定ページの方は,適宜,改定していきます。

法とルールの基礎理論に取り組む

「法を問題解決と創造に活かす」ためには,「法とル-ルの基礎理論」から考える必要がある。

これまで法律をめぐる「学問」は,実定法についての「解釈学」と,さすがにこれだけで「学問」と称するのは恥ずかしいので,その周辺に「法哲学」,「法思想史」,「法制史」,「法社会学」,「法と経済学」等々を配置することで,何とか「学問」という体裁を整えてきた。ただ問題は,この周辺の「学問」は,実定法「解釈学」にほとんど影響を与えていないし,法律学徒には大な影響力のある実定法「解釈学」も,裁判所は法解釈にあたって参照する程度である。更には,実定法「解釈学」も裁判所の法解釈も,少なくても日本においては,「科学」ではない。私の関心は,「法とル-ルの基礎理論」についての,新しい周辺の「学問」(上記に加えて,進化論,言語ゲーム,ゲームの理論,行動経済学,複雑系ネットワーク科学,ベイズ推定,統計学等を加えよう。)が,政府の立法実務と裁判所の法実務(法解釈+事実認定)を「科学」にすることにある,

しかし我が国の上記の実定法学者の「解釈学」と裁判所の法解釈の隔たりは,いま,崩れつつあるといっていいかもしれない。法令は実定法学者を巻き込んだ審議会で迅速に制定,改廃されるし,ロースクールを通じて実定法学者と裁判所実務の距離は縮まりつつあるだろう。世界中で,社会が急速に変化,流動化し,人の行動を支えるルールも激変しつつあるという現実が,それを支えていることは間違いない。

ただ我が国の法をめぐる現状は,このような現実に適格に対応するという動きの中から生じたというより,その場しのぎの対応を繰り返しているだけという方が近そうだ。

今後なすべきこと

新しい周辺の「学問」については,以前「「法とルールの基礎理論の本」まとめ読み」をまとめたが,今見るとこれらの検討だけでは不十分だ。これを補充する総論的な本として,「法律」「法と社会科学をつなぐ」「法哲学」「数理法務のすすめ」を挙げておく。これ以外についても,現在,充電中である。

ルールについて,「複雑系ネットワーク」(社会)の中で「限定合理性」を有する人が営む「ゲーム」(行為)についてのルールはどうあるべきなのか,どうすれば紛争,権利侵害を除去し,生産性をあげることができるのかというのが,立法と,法解釈学の根本問題である。中心となるツールが,行動ゲーム理論であろう。

もうひとつの問題は,事実認定が「科学」的であるためには,どうすればいいかということである。

この両者について,IT・AIの利用を進めることも必要だ。「法とAI」,「仕事の役立つIT技法」もこのような観点からのを目指している(現状は全く不十分だが。)。

これらに加え,法が言語によるルールであることや,法がどのように機能してきたかという歴史的な観点も必要だ。

法が言語によるルールであること

法が言語によるルールであることについては,ウィトゲンシュタインの言語ゲームとの関係が気になっていた。というのは,ハートの「第一次ルール」,「第二次ルール」の考え方は,ウィトゲンシュタインの影響を受けているのではないかという指摘を 橋爪大三郎さんが「人間にとって法とは何か」,「はじめての言語ゲーム」でしているが,どうもその根拠があいまいで,ウィトゲンシュタインの言語ゲームを考察の基本にしていいかわからなかったからだ。しかし,「二十世紀の法思想」(著者:中山竜一)の第2章,3章に,ウィトゲンシュタインのハートへの影響が明記されていたので,安心した?人類学者の中川敏さんが書いた「言語ゲームが世界を創る」を読み始めていたが,これも入れ込めそうだ。

言語ゲームと,ゲーム理論は,関係ないが,期せずして,法とルールを「ゲーム」を基盤として考察することになりそうだ。

各論

追ってきちんとした,参考本の目録を作成し,各論を展開していきたい。

 

 

法を問題解決と創造に活かす

この投稿は,固定ページ「法を問題解決と創造に活かす」のための記事を投稿したものです。固定ページの方は,適宜,改定していきます。

法を問題解決と創造に活かす

記事の内容の紹介

「法を問題解決と創造に活かす」には,「問題解決と創造の頁」の一般的な議論を踏まえつつ,法を問題解決と創造に活かすという観点から,その原理や方法を考察,紹介する記事を,掲載していきたい。下位メニューには,「法とルールの基礎理論」,「仕事に役立つIT技法」,「立法と法解釈を考える」,「裁判と事実認定を考える」(作成中),「法制史・国際法・外国法」(作成中)等を掲載するが(これらについては,適宜,その内容を見直す。),「ブログ山ある日々」に投稿するこれらに収まらない記事も「法と問題解決・創造(投稿)」に新しい順に掲載される。

法を問題解決と創造に活かすとはどういうことか

このWebサイト「弁護士村本道夫の山ある日々」の「副題」(キャッチフレーズ)は,「法を問題解決と創造に活かす」だが,いったいこれは何だろうと不審に思われた閲覧者の方も多いであろう。「法を問題解決に活かす」だけであれば,法律問題が生じた人や企業が依頼する弁護士の主要な役割は,正しく法を適用して足下の紛争や法律問題を解決することであるから,これは当然のことである。加えて法律問題の解決によってそれまでの状況が一掃されて新たな地平が開ける場合も多いから,この場合は「創造」といっても,まあいいかなぐらいにはなるであろうか。ただ私は,もう少し違うことも考えていた。

弁護士は法律実務家であるから,具体的な依頼事項について,現行の法令がこうなっており,それに法令を適応した結果,こうなるとか,裁判になった場合は,証拠や裁判所の実務を踏まえると,こうなりそうだという「見通し」を持つことは重要ではあるが,法令を起案した官僚や判決をする裁判所の「見解」や「実務」を鵜呑みにするだけでは,単なる「慣行の奴隷」,「権力の下僕」になってしまう。①正義,平等,あるいは憲法の「理念」や,そこから流出する原理・原則に遡ったり,②社会が急速に変化,流動化し,人の行動を支えるルールも激変しつつあるという現実の中で,この問題についての法解釈や裁判はこうあるべきだという「見直し」を促したりする活動も重要だ。前者について弁護士はこれまでそこそこ頑張ってきたが,後者はこれからだ。いずれにせよ「見通し」は思ったほど確実ではない。更には,③更に主に②を踏まえ,今後,立法や裁判実務はこうあるべきだという提言や改革していく活動も重要だ。①は,「立法と法解釈を考える」,「裁判と事実認定を考える」で触れるが,この「法を問題解決と創造に活かす」では,主に②③を検討することになろう(これを「法システムの変革」という。)。

法をこれから始める(見直す)ビジネスの問題解決と創造に活かす

ところで「法を問題解決と創造に活かす」べき主要な場面は,上述した①②の既に法律問題が生じているケースよりも,④企業や個人が,これから解決すべき「問題」として,ビジネスや生活・仕事を始める(見直す)場合であろう。この場合は,いかに法・ルールの全体を把握し,距離を取るかが重要だ。

すなわち,当該ビジネスや行動に係わる法・ルールという枠組みが,どのように機能,規制,支援,関係しているのかを,中央政府,地方政府,外国政府,国際機関等の法令,規則,業界の自主規制,慣行等々を可能な限り明確化し(法・ルールに係わるフレームワーク(「法フレーム」という。)の言語化・明確化),現在及び将来的に,法フレームがビジネスや行動の支障とならないように,行動範囲を定め,調整することが必要である(かならずしも,法フレームに触れないようにするということではない。)。もちろん許認可,知財,補助金等の関係で,法フレームを利用する局面もあるが,さほど多くはないであろう。

これだけでは,法フレームに戦々恐々として内に籠ることを薦めているようにも思えるが,そうではない。どこに「爆弾」があるかの予想もせずに,大きなビジネスや行動に乗り出すのでは,かえって不安定で,気が付いたときには収拾がつかなくなる。しかし,法フレームの言語化・明確化をした上で,これを適宜反芻し,これからの逸脱があったり,これに関して問題が生じた場合は,随時,まず現場で当該ビジネスや行動に支障を与えないような方法を考え出し,可能な変更・対応をするという経験を積み重ね,組織的に共有化していけば,破滅的な事態を避けられる可能性が大きい(これは内容的には,下述の「まず頭に入れること」と同じことである。)その場合,大切なのは,法フレームはあくまで外枠であって,ビジネスや行動を主体にして考えることである。法フレームとビジネスや行動が両立せず,あるいは致命的なエラーが生じる場合は多くはないであろう(そのようなビジネスや行動は通常選択しないだろう。仮に選択したのであれば,撤退あるのみである。)。

このような意味で,「法をこれから始める(見直す)ビジネスの問題解決と創造に活かす」ためには,弁護士に「法律顧問」や「分野別法務支援」を依頼することが有益である。その他「新しい法律問題(投稿)」」にもこのような観点から書かれた記事が掲載されている。

法システムの変革について

問題の把握と対応策

私たちが,解決すべき「問題」の所在を把握し,これに対する対応策を「設計-決定-実施-評価」するという過程は,社会を構成する3主体(政府,企業,個人)や対象とする問題について共通している(「公共政策」という「窓」を通して社会の構造を理解する)。法システムについての問題の解決(法システムの変革)も同様であるが,ここで重要なのは,次の点である。

まず頭に入れたいこと

経済は「予想外のつながり」で動く」(著者:ポール・オームロッド)は,「公共政策」についてであるが,「21世紀のネットワーク化された現実における特効薬は単純である。特効薬なんてないと認識することだ。意思決定を分散化し,実験を繰り返し,実験の大部分は失敗に終わるのを認識しても,直接にお金が転がり込んできたりはしない。しかし,本当にうまくいくやり方を見つけ,どのやり方ならインセンティブ単独よりもはるかに大きな変化をもたらすネットワーク効果が引き出せ,ポジティブ・リンキングを起こせるのかは,実験してみないとわからない」と記述しているが,この捉え方が重要だ。

公共政策のみならず,法システムを形作り変革することは,このようなもの(同書はネットワーク効果全般についてだが「頑健だが脆弱」としている)であるという事実を頭に入れて,適切な対応を繰り返していくことだ。

法システムをとらえなおす

ところで法フレームという枠組みは,どのような性質,性格を有しているのであろうか。現在の我が国では,膨張化・強大化する政府(行政)が,長文,複雑,難解な法令を作成し,それに基づいて企業と個人を規制しようとする姿勢が顕著である。このような事態については,政治と行政の係わりという観点から,自由を抑圧する,民主的でないと批判されてきた。それはそれでもっともであるが,「本当に必要不可欠であるのなら,仕方ないんじゃない」という批判には弱い。さらに法律家は,憲法を頂点とする法秩序というフィクションに弱く,仕事柄,視野に入るのは法令だけであるから,法秩序とそれを持ち上げ遵守させようとする官僚制という枠組みから離れて思考することはむつかしい。

しかしこのような,公共政策の実態や帰趨を離れて,法システムを固定してその縛りのもとに公共政策を運用し続けようとする,トップダウンというか,権威主義的というか,そういうやり方は,必ず挫折するというのが,上記の「「経済は「予想外のつながり」で動く」の見方であり,私も賛同する。「意思決定を分散化し,実験を繰り返す」こと,したがって法システムがフレキシブルに作成・運用されることが重要だ。法システムには,そのような相対的に有効な公共政策を実行する手段という意味しかない。

法システムについての追加的な4点の指摘

法システムについて,4点指摘しておく。

1点目は,上述したように,法律家の「法秩序」という幻想を離れてみれば,公共政策を実行するための言語的ルールである法は,手段,形式でしかなく実態は別のところにあるということである。しかもそのような「法」を作成するのは,企業と個人に係わる大部分の政策立案においても立法においても,「素人」である官僚であり(このような言い方には抵抗があるかもしれないが,実態はそうである。「入門 公共政策学」,「行政学講義」等々),しかも立法の監督役である内閣法制局は,論理性を欠く,言語技術の提供者にすぎないことが分かってしまった。我が国におけるトップダウンの,権威主義的な法は,このような人々が右往左往して「失敗作」を作り続けているのである。法システムがずっと身近になる。

2点目は,トップダウンの法システムは現場での試行錯誤を経ていないから,きわめて脆弱であることである。「進化は万能である」(著者:マット リドレー)が指摘するように「アングロスフィアの人々が,政府をまったく起源としない法に基づいて生きていることは,ほとんどの人が忘れているが,これは驚くべき事実だ。イギリスとアメリカの法は,けっきょくはコモンロー(慣習法・判例法) に由来する。コモンローとは,誰が定めたわけでもなく人々のあいだで自然に定まった倫理規範を指す。したがって,十戒やほとんどの制定法と違い,コモンローは先例や当事者の申し立てを通して現れ出てきて進化する。法学者アラン・ハッチンソンの言葉を借りると,コモンローは「徐々に進化するのであって,発作的に飛躍したり,漫然と停滞したりはしない」。それは「永遠に進行中の作業であり,移ろいやすく,ダイナミックで,混乱しており,建設的で,興味をそそり,ボトムアップだ」。著述家のケヴィン・ウィリアムソンは,次の事実を挙げて私たちをあらためて驚愕させる。「世界で最も成功し,最も実用的で,最も大切にされている法体系には,制定者がいない。それを立案した人もいなければ,考案した崇高な法の天才もいない。言語が現れ出てきたのとちょうど同じように,反復的,進化的なかたちで現れ出てきたのだ」。合理的に立案した法をもってコモンローに替えようとするのは,現存するものよりも優れたサイを研究室でデザインしようとするようなものだろうと,彼は冷やかし半分に言う。」。もちろん我が国はコモンローの国ではないから,ここで重要なのは,トップダウンの法システムが,そもそも論として,脆弱であるということである。

3点目は,だから私たちも,立法活動に参加し,遠慮なく失敗すべきであろうということである。これまでは,立法という権威的な匂いの近寄りがたさと,法令執務の面倒臭さが,アクセスを退けていたが,前者は枯れ尾花であり(これからも再生産され続けるであろうが),後者も核心部はわずかだ。

日本のヤフーの企業内弁護士(執行役員)が書いた「ビジネスパーソンのための法律を変える教科書」という本があるが,要するに,企業の利害に係わる法令について,政治家,官僚の間を飛び回って法を変えたという「技術的」な話で,我が国の法令実務の実態の参考にはなるが,少なくても求めるべき方向ではない。ではどうするかが,今後の私の課題だ(一時期やっていた「民間法制局」もいいのだけれど。)。

最後に,今わが国で作成されつつある法令は,やがて破たんするであろうことを考えたい。我が国の法令数は,憲法1,法律約1800,政令約1800,府省令等約3200,その他90といわれているそうである(「立法学」(著者:大島稔彦)の記述による。これの法令の原本は,手書きの紙だという話をどこかで読んだ記憶がある。)。

これ自体はさほど多くはないようだが,問題は,「溶け込み方式」の立法を取る中で,様々な他法令の,引用,準用をするという仕組みを作った結果,あるハブとなる法令を改正しようとするとそれに関係する膨大な法令に影響があるということである。要するにこのような仕組みを始めた人は,「順列・組み合わせ」。「大数」の知識がなかったのである。今後,権威主義的な政府が,ますます法令を長大化,複雑化すれば,その点検は,人知では不可能となり,AIに依拠するしかない。そのような法令順守(コンプライアンス)はAIにしかできないことは容易にわかる。

この点,例えば,誰もが使用することを予定された会社という組織について,単に利害関係者との調整を図る法令に過ぎない会社法について,1000条近い条文を用意し,さらには膨大な会社法施行規則,会社法会計規則を上乗せし,会社のガバナンスが云々といっている「立法者」たちは,日本経済を窒息させかねないかなりの原因を自分たちが負っていると自覚した方がいいのではないかというのが私の従来からの私見である。それでも当面は,これを前提にして見通しを立てるしかない。企業の管理部門が膨れ上がるのは当然だ。

どこまでできるかわからないが,「法とルールの基礎理論」等を踏まえ,法システムの変革に取り組んでいきたい。

WordPress 再再考

WordPressをカスタマイズする

WordPressのテーマをTwenty Elevenから,Lovecraftに変えてみたので,必要となるWordPressのカスタマイズの前提知識についてまとめておく。なお,テーマが変えられないとぐずぐずしていた半年ほど前に「WordPressを使う」を書たことを思い出したが,この記事に引き続いて読むと,全体像が分かりやすいだろう。

WordPressをカスタマイズする方法は,5段階に分けることができるとされている(「WordPressのツボとコツがゼッタイにわかる本」)。これは,WordPressのテンプレートである「テーマ」を使用することを前提にすると考えていいのだろう。

1「管理画面(ダッシュボード)だけを使ったカスタマイズ」,2「スタイルシート(CSS)を使ったカスタマイズ」,3「テンプレートのHTMLを変更するカスタマイズ」,4「テンプレートタグを使ったカスタマイズ」,「WordPressのPHP関数を駆使したカスタマイズ」である。

私は,WordPress.comを利用しているので,1,2が分かれば十分だが,サーバーでWordPress.orgを運用する場合は,3~5を利用する場合もあろう。実はWordPress.comを利用していても「外観」の「テーマの変更」で,3~5も可能なのだとは思うが,それが抵抗なくできるのであれば,WordPress.comを利用しないだろう。WordPress.comは,すぐに無料で利用し始めることができ,WordPressの最新版に対応していて,セキュリティーの面でも安心して利用できるから,趣味でWeb,ブログを開設,運用するには,これで十分だろう。

ただ上記1,2のプラグインやテーマのインストールを,WordPress.comで不自由なく実行するためには(プラグインが利用できるようになったのは比較的最近だ。),ビジネスコースが必要だが,これは月額2900円するので,さてどうしよう。面倒くさがりの結論は,WordPress.comとなる。

具体的なカスタマイズ

さてWordPress.com(ビジネスコース)を利用する場合,テーマを選択し,投稿記事,固定ページ記事を作成する等,WordPressに用意された通常の機能を利用することになる。このレベルは基本的な解説書に書いてあるのでそれをざっと読むことになるが(「今すぐ使えるかんたんWordPress入門」,「いちばんやさしいWordPressの教本」等。「WordPressを使う」にも紹介している。)が,実際にその問題を経験しないとわからないことも多い。それはそれでいいのだろうけど。何か分からないことがあると,ネットで検索すると多くの記事が出てくるが,「基本」がわかっていないと振り回されるだけになる。あれこれいじっていくとだんだん管理画面(ダッシュボード)に慣れてくる。そこで半人前だ。

それで改めて,カスタマイズについて考えるようになる。

ひとつめのポイントは,CSSの利用だ。それは管理画面(ダッシュボード)の「外観」の(「テーマ」)の「カスタマイズ」の「追加CSS」に(あるいは「外観」の「CSS編集」も同じページだ。ただこのあたりは,WordPress.comのコースや「テーマ」によって違うのだと思う。),作成したCSSを張り付ければよい。そのためには。対象とするセレクターを探す必要があるが,Google Chromeでは,問題となる箇所で右クリックででてくる「検証」を選択すれば分かる。ただ私はいまだにこの「検証」の使用法がよく分からない(「WordPressを使う」参照。Fire Bugの時の方がすっきりできた記憶がある。)。「外観」の「テーマの変更」で,スタイルシートを探す方法もあろう。CSSそのものについては,別途思い出すなり,勉強し直すなりする必要がある。

もうひとつのポイントは,本当に必要なプラグインを精選して,有効活用することだ。何が必要かは,次の記事にしよう。引き続き興味のある方は,「WordPressを使う」を見て頂きたい。

 

レイアウトを変えました

長年にわたり,全体のレイアウト(テーマ)は, WordPress が作成したTwenty Eleven(2011年版)を使っていましたが,さすがに飽きてきたので,というより,これを続けるといつまでも全体を変える気力がわいてこないので,思い立って,エイヤッと,Lovecraftというテーマに変えて見ました。モバイルではフルサイズ表示をしないとわからないでしょうが。

まだ写真以外は,ほとんどデフォルトのままなので見にくいでしょうが,どこをいじればいいかわかってきたので(いじり方も作成した当時とはずいぶん変わっています。),近日中に何とかします(10日ぐらい?これでは長すぎるか?)。直してから公開すればもっといいのでしょうが,その作業は手足を縛られた感じで,窮屈なので,エイヤッです。

これができると,もっといいテーマを見つけて,次々と華麗な変身を遂げることができるでしょう。多分。

社会の行方

未読・半読・一読の本 3 (180607)

最近,コーポレートガバナンスについての本を読み,派生してドラッカーにいき,更にこのWebに手を入れたりで,なかなか購入済みの本を読めないが,たまたまこの2,3日で,Kindleストアを検索していて,今後の社会がどうなるかについて書かれた(のであろう)「面白そうな本」を4冊見つけた。未読の本がたまっているので全部は購入はしていないが,落ち着き次第,購入して目を通してみたい。したがって現状はほとんど未読の本なので,この投稿は備忘という趣旨でとなる。

いずれもIT化,テクノロジー,グローバリゼーションを軸に,世界経済,社会,人間のこれからを考察した本であり,サンプル部分を読み,目次を一覧するだけでも興味深い。いずれもそこそこの値段がするが,Thank You for Being LateのKindle本だけは,1000円ちょっとである。

4冊は,以下のとおりである。

遅刻してくれて、ありがとう

遅刻してくれて、ありがとう(上) (下)常識が通じない時代の生き方 

著者:トーマス・フリードマン

原書

Thank You for Being Late: An Optimist’s Guide to Thriving in the Age of Accelerations  By Thomas L. Friedman

目次

Part1 熟考

1 遅刻してくれて,ありがとう

Part2 加速

2 2007年にいったいなにが起きたのか /3 ムーアの法則 /4 スーパーノバ /5市場 /6母なる自然

Part3 イノベーティング

7 とにかく速すぎる /8 AIをIAに変える /9 制御対混沌 /10 政治のメンターとしての母なる自然 /11 サイバースペースに神はいるか? /12 いつの日もミネソタを探して /13 故郷にふたたび帰れる(それに帰るべきだ)

Part4 根をおろす

14 ミネソタから世界へ,そして帰ってくる /〈その後〉それでも楽観主義者でいられる

シャルマの未来予測

シャルマの未来予測 これから成長する国 沈む国

著者: ルチル・シャルマ

原書

The Rise and Fall of Nations: Ten Rules of Change in the Post-Crisis World By Ruchir Sharma

目次

プロローグ ジャングルの奥地へ

序章 有為転変――国家の盛衰を見抜く10の評価基準

第1章 【人口構成】 生産年齢人口が増えているか――ロボットは人口減少への救世主になる

第2章 【政治】 政治サイクル――改革者はいつ俗物に変わるのか

第3章 【格差】 良い億万長者、悪い億万長者――お金持ちを見ればその国の将来が分かる

第4章 【政府介入】 国家による災い――政府の干渉が増えているか、減っているか

第5章 【地政学】 地理的なスイートスポット――地の利を最大限に活かしているか

第6章 【産業政策】 製造業第一主義――投資の対GDP比率は増えているか、減っているか

第7章 【インフレ】 物価上昇を侮るな――住宅価格の上昇率が経済成長率を上回り続けていないか

第8章 【通貨】 通貨安は天使か、悪魔か――経常収支赤字の対GDP比が3%以上、5年連続なら要警戒

第9章 【過剰債務】 禁断の債務バブル――債務の伸び率は経済成長率より高いか、低いか

第10章 【メディア】 「過剰な報道」の裏に道あり――メディアから見放された時が絶好のチャンス

第11章 優秀、平均、そして劣等――注目国の将来展望を格付けする

拡張の世紀

拡張の世紀―テクノロジーによる破壊と創造

著者:ブレット・キング

原書

Augmented: Life in The Smart Lane By Brett King

目次

序章 スマート化された生活

第1部 ディスラプションの250年

第1章 テクノロジーによるディスラプションの歴史 /第2章 「拡張」の時代 /第3章 姿を消すコンピューター /第4章 ロボットの優位性

第2部 スマート・ワールドの進化の仕方

第5章 Human 2.0/第6章 人間の「拡張」/第7章 ライフストリーム、エージェント、アバター、アドバイザー

第3部 「拡張」の時代

第8章 鉄道、航空機、自動車、住宅 /第9章 スマートバンキング、決済およびマネー /第10章 「拡張」世界における信頼とプライバシー /第11章 「拡張」都市とスマート市民 /第12章 新時代のエンゲージメント

世界経済 大いなる収斂

世界経済 大いなる収斂 ITがもたらす新次元のグローバリゼーション

著者:リチャード・ボールドウィン

原書

The Great Convergence  By Richard Baldwin

目次

序章

第1部 グローバリゼーションの長い歴史をざっと振り返る

第1章 人類の拡散と第一のバンドリング /第2章 蒸気革命とグローバリゼーションの第一のアンバンドリング /第3章 ICTとグローバリゼーションの第二のアンバンドリング

第2部 グローバリゼーションのナラティブを拡張する

第4章 グローバリゼーションの三段階制約論 /第5章 何が本当に新しいのか

第3部 グローバリゼーションの変化を読み解く

第6章 グローバリゼーション経済学の基礎 /第7章 グローバリゼーションのインパクトその変化を解き明かす

第4部 なぜそれが重要なのか

第8章 G7のグローバリゼーション政策を見直す /第9章 開発政策を見直す

第5部 未来を見据える

第10章 グローバリゼーションの未来

 

考えるべきこと2題

 

こういう本は楽しいのだが,ともすれば彼岸の話として「へえ-」で終わってしまうか,商売ネタにしようとスケベ根性を出してしまう。しかしIT化,テクノロジー,グローバリゼーションは,今後,しかももうすぐ,間違いなく私たち一人一人の生活と仕事を直撃し,この国の企業と政府,さらには環境も直撃する。漠然と,社会,経済の問題と捉えるのではなく,生活,仕事,企業,政府,環境と,多面的に捉えたい。

せっかくアメリカの俊才が4冊もよりどりみどりで書いてくれているのだから,私たち個人と私たちが属する組織の問題として,いかに問題解決と創造に結び付けるかという観点で読まないともったいない。

ところでアメリカと言えば,トランプ氏の政治論は横に置くとして,貿易論はどうなっているのか。我が国も含めて政治家の奇想天外な言動に歯止めが掛からない。貿易については,最近出た「実証から学ぶ国際経済」が良さそうだ。これも追って紹介しよう。

ドラッカー あれこれ

「ドラッカー あれこれ」の種本

ドラッカーについて,備忘のために,あれこれまとめておく。参考にするのは「P.F.ドラッカー 完全ブックガイド」(上田惇生),「ドラッカー入門 新版」(上田惇生),「究極のドラッカー」(國貞克則)等である。

ドラッカーの略歴と「傍観者の時代」

ドラッカーは,1909年ウィーンに生まれ,ドイツ,イギリスを経て,1937年にアメリカに移住し,大学,大学院で教え,多くの本,論文を書き,2005年に死去した。

69歳の時に出版された半自伝の「傍観者の時代」には,1943年のGM調査の頃までに(1946年「企業とは何か」),ドラッカーと交流,関係のあった綺羅星のごとき人物の言動が挙げられている。ドラッカーがそのような人物と知り合うことのできる家に生まれ,その機会があったということでもあるが,ソ連と共産主義の迷走,第一次大戦,ナチスの台頭,殺戮,第二次大戦等の時代,社会の流れの中で生き抜いていく「真摯」な姿勢(ドラッカーの翻訳で多用される。)があったからこそ,その交流,関係を切り開くことができたのであろう。

まず「傍観者の時代」に挙げられた人名をあげてみよう。

おばあちゃん,シュワルツワルト家のヘムとゲーニア,エルザ先生とゾフィー先生,フロイト,トラウン伯爵と舞台女優マリア・ミュラー,ポランニー一家(マイケル,カール等),クレイマーとキッシンジャー,ヘンシュとシェイファー,ブレイルズフォード,フリードバーグ商会,ヘンリー・ルース,フラーとマクルーハン,アルフレッド・スローン,ジョン・ルイス等々が,生き生きと駆け抜けている。時代の激動の中で忘れられた人も多いが,フロイト,ポランニー,フラー,マクルーハン等々,びっくりする。ドラッカーの人生の重みが伝わってくる。また後述する「影響を受けた思想家」も多様である。

これらを基盤に,ドラッカーは,多くの単行本,論文を書いている。

次にドラッカーの著作をみてみよう。

著作

ドラッカーの著作は,三十数冊と言われるが,正確な数はカウントしがたい。と言うのは,抜粋集や名言集があったり,これらについて日本語版が先行し英語版が刊行されたりと複雑だ。英語版の著作は,下記の「BOOKS BY PETER F. DRUCKER」記載のとおりである。

日本語の抜粋集として,「はじめて読むドラッカー」3部作があり,「プロフェッショナルの条件」(自己実現編),「チェンジ・リーダーの条件」(マネジメント編),「イノベーターの条件」(社会編)で構成されていた。そのうち第2作を中心として「The Essential Drucker」が,第1作,第3作を受けて「A Functioning Society」が刊行されている。なお,その後「はじめて読むドラッカー」第4作として「テクノロジストの条件」が刊行されている。

その他,抜粋集として「ドラッカー365の金言」(The Daily Drucker)。名言集として「仕事の哲学」,「経営の哲学」,「変革の哲学」,「歴史の哲学」がある。

ドラッカーの著作として「経営学書」は2冊しかないというはなしがある。経営戦略の端緒を開いた「Managing for Results」(もともとは,「Managing Strategy」だった。),経営学としてイノベーションをはじめて考察した「Innovation and Entrepreneurship」である。その他は,多かれ少なかれ,社会,政治,歴史がらみであり,ドラッカーはジャーナリストであるという見方にも根拠がある。

BOOKS BY PETER F. DRUCKER

MANAGEMENT

The Daily Drucker /The Essential Drucker /Management Challenges for the 21st Century /Peter Drucker on the Profession of Management /Managing in a Time of Great Change /Managing for the Future /Managing the Non-Profit Organization /The Frontiers of Management /Innovation and Entrepreneurship /The Changing World of the Executive /Managing in Turbulent Times /Management Cases /Management: Tasks, Responsibilities, Practices /Technology, Management and Society /The Effective Executive /Managing for Results /The Practice of Management [Concept of the Corporation

ECONOMICS, POLITICS, SOCIETY

Post-Capitalist Society /Drucker on Asia /The Ecological Revolution /The New Realities /Toward the Next Economics /The Pension Fund Revolution /Men, Ideas, and Politics /The Age of Discontinuity /Landmarks of Tomorrow /America’s Next Twenty Years /The New Society /The Future of Industrial Man /The End of Economic Man

AUTOGRAPHY

Adventures of a Bystander

FICTION

The Temptation to Do Good /The Last of all Possible Worlds

ドラッカーに影響を与えた思想家

「P.F.ドラッカー 完全ブックガイド」に「ドラッカーに影響を与えた思想家」が紹介されている。参考になるので転載する。

社会生態学のルーツ─哲学、政治思想、経済、歴史、社会,そして小説すらも

 ウォルター・バジョット(1826ー1878)

アレクシ・ド・トクヴィル(1805ー1859)

ベルトラン・ド・ジュヴネル(1903ー1987)

フェルディナンド・テンニース(1855ー1936)

ゲオルグ・ジンメル(1858ー1916)

ジョン・R・コモンズ(1862ー1945)

ソースティン・ヴェブレン(1857ー1929)

継続と変革の相克を

ヴィルヘルム・フォン・フンボルト(1767ー1835)

ヨゼフ・フォン・ラドヴィッツ(1797ー1853)

フリードリッヒ・ユリウス・シュタール(1802ー1861)

技術の見方、社会における技術の位置づけ

アルフレッド・ラッセル・ウォレス(1823ー1913)

ジョゼフ・シュンペーター(1883ー1950)

言語に対する敬意

フリッツ・マウトナー(1849ー1923)

カール・クラウス(1874ー1936)

セーレン・キルケゴール(1813ー1855)

年表

1909…0歳。11月19日,オーストリア・ハいかくンガリー帝国の首都ウィーンに生まれる。父アドルフ(1876ー1967)は貿易省次官(のち退官して銀行頭取,ウィーン大学教授,アメリカに亡命してノースカロライナ大学,カリフォルニア大学ほか教授)。母キャロライン(1885ー1954)はイギリス人銀行家を父とする。ウィーン大学医学部を卒業後,チューリッヒの神経科クリニックで1年ほど助手をつとめた。開業することなく家庭に入ったが,当時としては珍しい女性神経科医。

1914…4歳。第1次世界大戦勃発。

1917…7歳。父親に精神分析学者フロイトを紹介され,強い印象を受ける。フロイト『精神分析入門』発表。

1918…8歳。11月11日,第1次世界大戦終結。ハプスブルク家は滅び,オーストリアは分割され共和国となる。

1919…9歳。ウィーンのギムナジウムに入学。授業は退屈でうんざりしていたという。

1927…17歳。飛び級で1年早くギムナジウムを卒業しウィーンを出る。ドイツに移住し,ハンブルグで事務見習いとして商社に就職。ハンブルグ大学法学部入学。大学入学審査論文は「パナマ運河の世界貿易への影響」。

1929…19歳。フランクフルト大学法学部へ編入。当時無名だった19世紀のデンマークの思想家キルケゴールを知り,読みふける。フランクフルトで米系証券会社に就職するも,世界大恐慌(暗黒の木曜日)で倒産。

1930…20歳。地元有力紙「フランクフルト・ゲネラル・アンツァイガー(フランクフルト日報)」の経済記者となる。

1931…21歳。入社2年後,副編集長に昇格。この頃から,ナチスの政権掌握を予測し,ナチス幹部に何度も直接インタビューする。国際法で博士号を取得。博士論文は「准政府の国際法上の地位」。この頃,後に生涯の伴侶となる下級生ドリス・シュミットと出会う。

1933…23歳。ヒトラーが政権掌握。初の著作『フリードリッヒ・ユリウス・シュタールー保守主義とその歴史的展開』を名門出版社モーア社より法律行政叢書第100号記念号として出版後,禁書とされて焚書処分。一度ウィーンに戻ってからロンドンに逃れる。地下鉄のエスカレーターでドリスとすれ違い再会を果たす。

1934…24歳。ロンドンのシティで,マーチャントバンクのフリードバーグ商会にアナリスト兼パートナー補佐として就職。ケンブリッジ大学で経済学名ケインズの講義を聴くも,肌に合わず。自分は経済学徒ではないことを確信する。雨宿りに入った画廊で日本画に遭遇。

1937…27歳。ドリスと結婚して,アメリカへ移住。『フィナンシャルータイムズ』他に寄稿。フリートバーク商会などにアメリカ経済短信を送付。

1938…28歳。『ワシントン・ポスト』他に欧州事情を寄稿。

1939…29歳。処女作『「経済人」の終わり』出版。『タイムズ』紙書評欄で,後のイギリス宰相チャーチルの激賞を受ける。ニューヨーク州のサラ・ローレンス大学で非常勤講師として経済と統計を教える。

1940…30歳。短期間,経済誌『フォーチュン』の編集に携わる。

1941…31歳。日米開戦直後(誕生日を迎え32歳)のワシントンで働く。フリーア美術館で日本美術に傾倒。

1942…32歳。バーモント州のベニントン大学で,教授として政治,経済,哲学を教える。アメリカ政府の特別顧問を務める。第2作『産業人の未来』出版。

1943…33歳。『産業人の未来』を読んだGM幹部に招かれ,世界最大のメーカーだったGMの組織とマネジメントを1年半調査する。アルフレッド・スローンから大きな影響を受ける。アメリカ国籍を取得。

1945…35歳。第2次世界大戦終結。

1946…36歳。GM調査をもとに,第3作『企業とは何か』を出版。「分権制」を提唱する。フォードが再建の教科書とし,GEが組織改革の手本とする。ここから世界中の大企業で組織改革ブームが始まる。

1947…37歳。欧州でのマーシャループラン実施を指導。

1949…39歳。ニューヨーク大学大学院経営学部教授に就任。大学院にマネジメント研究科を創設。

1953…43歳。ソニー,トヨタと関わりをもつ。

1954…44歳。『現代の経営』出版。マネジメントの発明者,父といわれるようになる。

1947…47歳。モダンからポストモダンへの移行を説いた『変貌する産業社会』出版。

1959…49歳。初来日。立石電機(現オムロン)などを訪問。日本画の収集を始める。

1964…54歳。世界初の経営戦略書『創造する経営者』出版

1966…56歳。日本の産業界への貢献により,勲三等瑞宝章を授与される。万人のための帝王学とされる『経営者の条件』出版。

1969…59歳。今日まで続く転換期を予告した『断絶の時代』出版。後年,サッチャー首相が本書をヒントに民営化政策を推進。世界の民営化ブームはここからはじまる。

1971…61歳。カリフォルニア州クレアモント大学院大学にマネジメント研究科を創設。同大学院教授に就任。

1973…63歳。マネジメントを集大成して『マネジメント』出版

1975…65歳。『ウォールーストリートージャーナル』紙への寄稿開始。以降20年にわたり執筆。

1976…66歳。高齢化社会の到来を予告して『見えざる革命』出版。

1979…69歳。半自伝『傍観名の時代』出版。クレアモントのポモナーカレツジで非常勤講師として5年間東洋美術を教える。

1980…70歳。いち早くバブル経済に警鐘を鳴らした『乱気流時代の経営』出版。

1981…71歳。GEのCEOに就任したシャッターウェルチと一位二位戦略を開発。『日本成功の代償』出版。

1982:72歳。初の小説『最後の四重奏』出版。『変貌する経営名の世界』出版。

1984…74歳。小説『善への誘惑』出版。

1985…75歳。イノベーションの体系化に取り組んだ『イノベーションと企業家精神』出版。

1986…76歳。雑誌への寄稿論文を集めた『マネジメントーフロンティア』出版。

1989…79歳。ソ連の崩壊やテロの脅威を予見した『新しい現実』出版。

1990…80歳。NPO関係者のバイブルとされる『非営利組織の経営』出版。東西冷戦終結。

1992…82歳。大転換期の指針を示す『未来企業』出版。

1993…83歳。知識社会の到来を指摘した『ポスト資本主義社会』,自らを「社会生態学者」と定義した『すでに起こった未来』出版。

1995:85歳。『未来への決断』出版。

1996…86歳。『挑戦の時』『創生の時』(英語版『ドラッカー・オンーアジア』)出版。

1998…88歳。『ハーバードービジネスーレビュー』誌の論文を集めた『P.F.ドラッカー経営論集』出版。

1999…89歳。ビジネスの前提が変わったことを示す『明日を支配するもの』出版。

2000…90歳。ドラッカーの世界を鳥瞰するための入門編として,日本発の企画「はじめて読むドラッカー・シリーズ」3部作『プロフェッショナルの条件』『チェンジーリーダーの条件』『イノペーターの条件』出版。

2002…92歳。雇用やマネジメントの変化を論じた『ネクストーソサエティ』出版。アメリカ大統領より最高の民間人勲章「自由のメダル」を授与される。

2003…93歳。「ドラッカー名言集」四部作,『仕事の哲学』『経営の哲学』『変革の哲学』『歴史の哲学』出版。

2004…94歳。『実践する経営名』出版。日めくリカレンダー風名言集『ドラッカー365の金言』出版。

2005…95歳。「日本経済新聞」にて「私の履歴書」連載,書籍化。「はじめて読むドラッカー・シリーズ」第4作『テクノロジストの条件』出版。11月11日,クレアモントの自宅で死去。96歳の誕生日になるはずだった1月19日,わが国にドラッカー学会が設立される。

2006…100歳の誕生日を祝う予定で生前に本人とともに企画した「ドラッカー名著集」12作品15冊,『経営名の条件』『現代の経営』より刊行開始。上田惇生著『ドラッカー入門』出版。

2007…名著集『非営利組織の経営』『イノベーションと企業家精神』『創造する経営者』『断絶の時代』『ポスト資本主義社会』『「経済人」の終わり』出版。生前ドラッカー本人より依頼を受けて取材執筆したエリザベス・ハース・イーダスハイム著『P・F・ドラッカー理想企業を求めて』出版。

2008…名著集『産業人の未来』『企業とは何か』『傍観名の時代』『マネジメント《上・中・下》』出版完了。『プロフェッショナルの原点』出版。

2009…『経営者に贈る5つの質問』『ドラッカー時代を超える言葉』山版。岩崎夏海著『もし高校野球の女子マアネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(もしドラ)発行。

2010…『【英和対訳】決定版ドラッカー名言集』『ドラッカー・ディフアレンズ』出版。上田惇生監修,佐藤等編著『実践するドラッカー【思考編】』出版。【行動編】

2011…ブルースーローゼンスティン著『ドラッカーに学ぶ自分の可能性を最大限に引き出す方法』出版,上田惇生著『100分de名著ドラッカーマネジメント』出版。上田惇生監修,佐藤等編著『実践するドラッカー【チーム編】』出版。「もしドラ」ブームを受け『マネジメント【エッセンシャル版】』100万部突破。

2012…上田惇生監修,佐藤等編著『実践するドラッカー【事業編】』山版。『マネジメント』(リバイスドエディション)出版予定。

 

 

「ドラッカーと会計の話をしよう」(著者:林 總)を読む

ドラッカー経営学のケーススタディ第3弾だ

「もしドラ」,「もしドラ2」が,クリエーターが作った野球の物語によるドラッカー経営学のケーススタディだとすれば,本書は公認会計士さんが作った営利組織(イタリアンレストラン)と,非営利組織(病院)の物語によるドラッカー経営学のケーススタディである。著者の職業故というべきか,「もしドラ」より本書の方が地に足の着いた説明になっているし,ドラッカー経営学の内容も,はるかに理解しやすい。それに今だけかもしれないが,Kindle本が230円なので,「買い」である。

ドラッカー経営学のポイントは,「顧客の創造」であり,それを実現するためのマーケティング(顧客の現実,欲求,価値)とイノベーションである。これは営利組織,非営利組織に共通している。要するにドラッカーはこのことを状況に応じて変形させ,繰り返して述べているだけのような気がする。

これが頭に入っていれば,本書は簡単に通読できる。

営利組織について

売上-費用=利益と,儲けは同じか。利益は便宜上の期限で区切られ,いくらでも操作できる。存在しない。儲けとは,稼いだ現金,キャッシュフローだ。

新たな価値だけが新たなキャッシュフローを生む。経営で大切なのは将来にわたり価値を創造し続けることだ。

10対90の法則,商品にはライフサイクルがある。明日の主力商品にコストをかける。

企業の内部にあるのはコストセンターである。プロフィットセンターは顧客にある。コスト,お金は儲け利益を生むように使わなければならなコストは,ビジネスプロセス全体で考える。ABC原価計算(「レレバンス・ロスト」)を考える。コストを負担するのは,顧客である。

非営利組織について

ここでは,知識労働が問題とされる。

労働生産性の向上とは,それまで人がしてきた作業を機械に置き換えることにほかならない。 機械に置き換えられるのは肉体労働の生産性だけなんだ。 知識労働の生産性は逆に悪化してしまう。より賢く働くことしか方法はない。

知識労働者の生産性を高める第一歩は,仕事の目的を考え,仕事の内容を明らかにすることだ(条件一)。これができれば,自律性が高まり,生産性の向上を目指し,専門性を磨くようになる(条件二)。さらに,イノベーションを積極的に行い(条件三),学習意欲が高まる(条件四)。そして,生産性とは質の問題であることを知り(条件五),知識労働者は組織に価値をもたらす資本財であることを理解する(条件六)。

すでに起こってしまい,もはやもとに戻ることのできない変化,しかも重大な影響力をもつことになる変化でありながら,まだ一般には認識されていない変化を知覚し,かつ分析することである(傍観者の時代)。

ドラッカーにどの程度向き合おうか

ところで,入山章栄さんという経営学者の「世界の経営学者はいま何をかんがえているのか」という本の「「第1章 経営学についての三つの勘違い」の最初に,「アメリカの経営学者はドラッカーを読まない」と書いてあることは,かなり前から知っていた。そうですかというだけのことだが,入山さんはそれに引き続いてくどくどといろいろなことを書いていて,要するにドラッカーは「科学」ではないということなんだろうけれど,そもそも「経営学」は科学なのかという問いの方がよっぽどましな気がする。科学的に構築・検証されたものでないので「真理に近くない」可能性が大いにあるそうだが,入山さんは,科学とか,真理の概念分析から始めたほうがよさそうだ。

といっても,私はドラッカーのにわか読み手に過ぎないので,このような「神々の争い」に参戦する気はないが,確かに「ドラッカー365の金言」とか「名言集…の哲学」とかがたくさん出ているところを見ると,ドラッカーの世界全体を視座に入れた切れ味鋭い文章を読んで,ドラッカーはすべて正しいとする熱烈なファンがいるのだろう。「もしドラ2」に「ハーバート・サイモンに似たところがある」と書いたが,ドラッカーが分身と名指しする翻訳者がいたり,「知の巨人」などと言われているところを見ると,日本の吉本隆明の名をあげるほうがぴったりかもしれない。吉本隆明とドラッカーでは,「政府,政治」が「企業,経営」に置き換わっているだけだと考えると納得できる。

ただとにかく「経営」という現実を切り取り整理するのに便利な言葉が多いので,これからも折に触れてドラッカーを読もうと思うが,一種の自伝であろうが「傍観者の時代」だけは,すぐに読もうと思っている。入山さんもこれは読まれた方がいいだろう。支える文化,教養の違いが歴然としている。

それからいったんコーポレートガバナンスに戻り,法やITについて検討しよう。
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「もしドラ2」を読んで,笑う

「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら」(著者:岩崎 夏海)を読む

「もしドラ2」を,案の定「もしドラ」に続けて読んでしまった。しかもあっという間に。でも「もしドラ2」には涙せず,笑ってしまった。

「もしドラ2」も「もしドラ」と同じように,「イノベーションと企業家精神」は頭に入りにくいが,「もしドラ」よりも,もう少しそちらに目が行く,というのは,ストーリーの流れがかなり荒唐無稽なので,個々の場面での説明を読む気になる。怪我の功名か?

ところで本書の帯によると,「もしドラ」は,「280万部のベストセラー」だそうだ。しかしこれでドラッカーの理解が広まったという話はあまり聞かないから,ほとんどの人は,高速でストーリーを追ったのだろう。

「もしドラ2」でどんなことが扱われているかを,若干紹介しよう。ただ体系的に頭に入れるには,「イノベーションと企業家精神」を読んだ方がいいだろう。

マネジメントの機能は,マーケッティングと,イノベーションであるが,これからはイノベーションの重要性が高まる。イノベーションとは,競争をしないことである(そこで,イノベーションボール1号という魔球が出てくる。)。イノベーションとは,意識的かつ組織的に変化を探すことである。企業家精神とは,全く新しいことを行なうことに価値を見出すことである。

変化の7つの機会とは,第一 予期せぬことの生起 /第二 ギャップの存在 /第三 ニーズの存在 /第四 産業構造の変化 /第五 人口構造の変化 /第六 認識の 変化 /第七 新しい知識の出現。本書は,それぞれの例を作り上げて説明していく。

イノベーションの要点として,1 イノベーションを行うには,機会を分析することから始めなければならない/2 イノベーションとは,理論的な分析であるとともに知覚的な認識である/3 イノベーションに成功するには,焦点を絞り単純なものにしなければならない/4 イノベーションに成功するには,小さくスタートしなければならない/5 イノベーションに成功するには,最初からトップの座をねらわなければならない。

「トム・ソーヤーのペンキ塗り」も紹介されている。誰かを説得する上での「魔法のテクニック」といわれている。「説得」のポイントは二つ,─それは,トムがペンキ塗りを「楽しそうにしてみせた」ことと,それを「禁止した」ことにあった。人は,誰かからそれを勧められたり説得されたりしても,なかなかしたいとは思わない。しかし,誰かがそれを楽しそうにしているのを見たり,あるいはそれを禁止されたりすると,どうしてもしたくなってしまう。

事業がうまくいくときは,「マネジメント」だけでなく,人の成長がある。マネジメントというのは,弱みに着目せず,これを組織の中で中和する。けど,教育というのは弱みに注目して,これを克服させようとする。

人間についてのウエットな話も出てくるが,それは省略しよう。

しかし,ドラッカーという人は,新しいことを含めて何でも吸収し,それを整理してよく考え表現することができる人だ。ハーバート・サイモンに似たところがある(ような気がする。)。

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「もしドラ」を再読し,涙する

「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら 」(著者:岩崎 夏海)を読む

ここのところ「コーポレートガバナンス」についてまとめていて,その中でマネジメントについても考えている。いま取り組んでいるのは,「財務3表とマネジメントを理解する…コーポレートガバナンスの基礎3」であり,そこで國貞克則さんという経営コンサルタントの人の本を取り上げる予定だが,國貞さんは「ドラッカー経営大学院」でMBAをとり,「究極のドラッカー」という著書もあって著書ではドラッカー流のもの言いが多用されている。

そこでドラッカーにも目を通してみようと思い,Kindleの「マイライブラリー」を検索してみると「もしドラ」が出てきた。「マネジメント(エッセンシャル版)」(英語版のMANEGEMENTも),他数冊もあった。

そこでたまたま,昔たしかに読んだはずの「もしドラ」に目を通してみると……久しぶりに涙しながら,あっという間に読んでしまった。どうも私は昔から,人の生き死にに弱いが(「トップガン」でも泣いてしまうぐらいだ。),「もしドラ」では努力した結果の,成功の予感あたりで涙が出てきてしまった。

率直に言って「もしドラ」を読んでも,ドラッカーの「マネジメント」は全く頭というより,目に入らない。頭と目はストーリーを追うばかりだ。「マネジメント」を理解したければ,「マネジメント(エッセンシャル版)」を読まなければだめだ。涙したければ,「もしドラ」を読もう。

ところで,「もしドラ」の第2弾として,「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業化精神』を読んだら」があることを見つけてしまった。「イノベーションと企業化精神」は読んだことがない。さて,どうしよう。後日,報告しよう。

 

ヘーゲル?

ところで,「コーポレートガバナンス」だけを追うのではつまらないので,その間に,次々に「未読・半読・一読」の本が積み上がってしまう。何と今日,昔買って,とっくに処分した平凡社の「ヘーゲル・セレクション」を見つけ,頭の体操になると思い,思わず買ってしまった。ヘーゲルはやっぱりわからないが,頭の体操なら,廣松渉先生の序文がいい。

「本書が成るに至った経緯について誌しておけば、僭上にも不肖が鉛槧に上せることを平凡社と約したのであったが、寧日なく、亦、門外漢の身を省み、江湖への責任を思い、第一線のヘーゲル研究家、加藤尚武氏に協働作業を乞うに及び、同氏の厚志のもとに成稿を得る運びとなった。同氏の尽力がなければ、本邦初紹介の文典から斯くも多数の章句を採録することは到底不可能であったろうことを甫め、諸事につけ猶多くの不備を生じたことであろう。本書が若しなにがしかの長所を持つとすれば、それは偏えに同氏に負うものである。素より不肖といえども万事を同氏に託して懶惰を事とした訳ではない。書材の蒐集・撰定・編輯、訳文の作製・検討・推敲の末に至るまで、本書(但し署名入りのまえがき、思想と生涯、文献案内を除く)は両名の緊密なる協働作業に俟って成ったものである。 事情にして斯くの如くである以上、本書は表装・大扉を甫め、共同編訳書と謳わるべきところ、本シリーズの他の類比的ケースとの均衡上不都合を生ずる由、また、加藤尚武氏名のみを表記することについては氏の固辞に遇ったため、表装の上では止むを得ず不肖の名義を掲げることと相成った次第であるが、爰に重ねて、本書が語の全き意味における「共同編訳書」である旨を特記する所以である。」。
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すずめはどこに行った

最近,時折,「孫娘の今日のひとこと」の投稿がないと言われることがある。そうなのだが,実はえみちゃんは日々大きくなってきて(もうすぐ5歳),ひとことの面白さより,存在自体の面白さが際立ってきていて,投稿などせずに,じいじが一人占め。でもそんなことをしていると面白かったことをどんどん忘れてしまうなあ。

昔は,ちょろちょろ毛だったえみちゃんも,どんどん素敵な髪の毛が伸びてきて,じいじと髪の毛談義を交わす。「じいじの髪の毛はどうしてそんなに少ないの」,「すずめさんに食べられちゃったんだ」,「おいしいのかなあ」と,これまでは,微笑ましいやり取りを繰り返していた。

今日,えみちゃんが「髪の毛を伸ばすんだ。こんなに」と,ラプンチェルのように伸ばしたいみたいなので,「でも,あんまり伸ばすと,すずめさんに食べられて,じいじみたいに少なくなっちゃうよ」というと,「じいじはお酒の飲み過ぎで,そうなっちゃったんでしょ」!!!

本質直感?君は,フッサールか!